未開社会を見る場合、精霊信仰(アニミズム)の部族(or時代)と、守護神神話の部族(時代)はかなり様相が異なります。
アニミズムは自然の諸力(万物)の背後に精霊を見た、ということになりますが,いわゆる融通無碍で、かつ自然対象のそれぞれ(例えば一つひとつの樹)の背景に精霊を見たわけですから、古代宗教特有の絶対的唯一性という性格は感じとれません。
それに対して人格神や祖霊神の段階になってくるとアニミズム的性格を残しながらも、自部族を絶対化、(正統化)しようという意思が感じられ、これを広義のイデオロギーと見る見方が出来ると思います。しかし守護神神話は同じ未開民族でもかなり後期になって登場している様です。具体的には都市国家成立以前の部族間の戦闘の時代あるいは地域から登場した様です。地域にもよりますが約8000年前から5000年前。日本でも記紀登場以前はシャーマニズムの時代ですが、精霊の声を聴くという色彩が強く、記紀のような正統化、絶対化(のための観念)のベクトルはあまり感じられません。
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