暴走する悪徳エリートの所業
365433 引きこもりの彼が精神病院で受けた辱め
 
匿名希望 21/03/18 PM09 【印刷用へ
「今からあなたを『病院』に連れていきます。これは強制です」

2018年5月上旬、30代男性のAさんは9日間にわたり監禁状態に置かれた施設の職員にそう告げられた。施設の名は東京・新宿区にある「あけぼのばし自立研修センター」、ひきこもりの自立支援をうたう民間事業者が運営していた。いやがる当事者を自宅から無理やり連れ出し、施設に監禁・軟禁するなどで社会問題化した、いわゆる「引き出し屋」だ。


この連載の一覧はこちら
Aさんは大学卒業後、就職せず両親と同居し独学していた。親心からAさんの将来を心配し、就労することを希望していた両親は、Aさんの就職を支援するというセンターと契約し、約700万円を支払った。

職員に監視され、ドアには外からカギがかけられるなど監禁状態だったセンターの地下部屋から、職員とともにAさんを連れ出したのが、その8日前に両親と住む自宅から無理やり施設に連行した「民間救急会社」の男性たちだ(民間救急会社については、連載第4回「ある朝、精神病院に強制連行された男の凶体験」2020年9月25日配信で詳報)。

「ここの病院は何科ですか?」。控室のような殺風景な小部屋の雰囲気に不安を覚えたAさんはセンターの職員に尋ねた。「精神科だ」。職員はそう手短に答えた。Aさんはそのとき初めて自らが連れてこられたのが精神科病院だと知らされた。

「点滴か健康診断かと思っていたので、まさか精神科病院に連れてこられるとは思わず、想定外の事態に心中ではそうとう動揺していた」(Aさん)

強い不安の中、10分ほど小部屋で待っていると、白衣を着た医師が現れた。「どうしてここに来たんですか?」、医師からそう問われたとき、Aさんは、「ああ、これで今までのことをきちんと説明すれば助けてもらえるだろう」と安堵。センター職員の同席にも構わず、医師に自らの置かれた状況を一気に打ち明けた。

「自宅にいたら無理やりセンターに連れてこられて、9日間も監禁されていました。人道的な見地から助けてください」

決死の訴えに対して医師は、「今日からここに入院してもらいます」とのみ告げた。驚いたAさんが再度「人道的な見地から助けてください」と懇願するも、「もう決まったことだから」などと言い(病院側は「診療録の生活歴・現病歴に記載されている経過を尋ね、精神科における入院治療の必要性を伝えた」と民事訴訟における準備書面で主張)、母親から同意を得て、本人の意に反した「医療保護入院」が決定された。

Aさんに精神疾患の既往歴はなかった
医療保護入院は精神科特有の制度で、本人が同意しなくても、家族など1人の同意に加え、1人の精神保健指定医の診断があれば強制入院させられる。ちなみにAさんには精神疾患の既往歴はいっさいない。

医師が話を打ち切ると、小部屋の隣の扉が開き複数の屈強な男性看護師たちに取り囲まれた。とっさに両手を挙げて、「先生、よくわかりません、助けてください!」と叫んだが無視され、隔離室へと連行された。

施錠された隔離室に入れられて数時間後、女性を含む4人の看護師が入ってきて、Aさんに服を脱ぐよう指示した。こんな入院はおかしいと反発すると、ベッドへと誘導され身体拘束され、あっという間に上半身、ついで下半身と順に裸にさせられた。
黒いジャンパーと手袋で身なりを固めた強靭な体躯の男性2人に両脇を固められ、Aさんを乗せた車は出発した。

Aさんはセンター入所後、抗議の意を込めてほとんど食事を取っておらず体力も著しく落ちていたので、それ以前にも職員から病院で点滴する必要があると告げられていた。そのため、具体的な行き先を告げられることはなかったが、「点滴をするため、近くの内科クリニックにでも連れていかれるのだろう」と思っていた。

だが車は近場では止まらなかった。到着したのは施設のある新宿区からは離れた病院の、救急搬送口だった。施設職員に連れられ建物に入ると、救急外来用の診察室へと通された。

Aさんは看護師たちにおむつを履かされ甚平のような服を着せられた。手と胴がベッドに拘束されたことで、ほとんど身動きが取れなくなった。

この間、Aさんは身体的な抵抗はいっさいしなかった。「暴れたりしたら精神疾患だと受け取られかねないと、意識的に冷静に対応するよう努めた。それに実際9日間何も食べてないので、抵抗したり暴れたりする体力も気力もなかった」。

仰向けにベッドに固定され、寝返りを打つこともできないまま3日間過ごすことになった。なにより屈辱を感じたのは、トイレに行くことが許されず、おむつへの排泄を強要されたことだ。

「結局、大便も小便もおむつにするしかなかったが、おむつ交換の
回数は限られ、不快感が強く、衛生的にもどうかと思った。これを
看護師に交換されるというのも、とても屈辱的だった」(Aさん)

3日間の身体拘束が終わったのちも、Aさんは閉鎖病棟での日々が続いた。

2018年5月下旬、主治医から病名は発達障害の疑いだと告げられた。その診断理由を尋ねると、「あなたは今まで10年間教会のミサに通い続けていたよね。それは社会の一般通念からずれている。それが根拠です」と説明されたとAさんは話す(民事訴訟における準備書面で、病院側は説明内容を否定)。当然承服できないと反論したが、「それはあなたに病識がないからだ」と一蹴されたという。

翌月の6月に入ると退院調整が図られるようになったが、病院側は自立研修センターへの退院を強く求めた。退院時にはセンターの職員に連れて行ってもらうことになるが、もしこれを拒否したら、再度別の病院で入院になることが予想されると説明された。

Aさんは強く反発したが、結局、センターへの退院を了承した。閉鎖病棟での生活は50日間にわたった。


病院が著名教授を提訴
こうした悪質業者の手先ともいえる役割を、結果的に精神科病院が果たしてしまっていることについて、当の病院側はどう考えているのか。

取材に対して、病院側は「本件は現在係争中であり、また守秘義務もありお答えできない」としている。
 
  List
  この記事は 211321 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_365433
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp