民主主義と市民運動の正体
361287 民主主義の衰え。豊かさ描けず危機増幅
 
匿名希望 20/10/26 PM08 【印刷用へ
民主主義が衰えている。約30年前、旧ソ連との冷戦に勝利した米国は自国第一に傾き、自由と民主主義の旗手の座を退いた。かつて自由を希求した国が強権体制に転じる矛盾も広がる。古代ローマで「パクス」と呼ばれた平和と秩序の女神は消えた。人類が多くの犠牲を払って得た価値は色あせるのか。あなたにとって民主主義は守るに値しませんか――。

「一部の加盟国で司法の独立に深刻な懸念が生じている」。欧州連合(EU)欧州委員会は9月末にまとめた「法の支配」に関する初の報告書で、ハンガリーにとりわけ厳しい視線を向けた。

同国のビクトル・オルバン首相は「民主主義は自由主義でなければならないという教義は崩れた」と公言する。2010年の政権発足以来、憲法など重要法の改正を重ね、政権寄りの裁判官を増やして権力をけん制する司法の役割を封じた。

力の源は議会の3分の2を握る政権与党の議席にある。冷戦時の共産主義から民主主義に転換し04年にEUに加盟したが、今もハンガリーの賃金水準はEU平均の3分の1。人口は30年間で7%減った。「民主化すれば豊かになれる」という夢はかなっていない。

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民主主義を揺らすのは低成長と富の集中だ。1980年代に3%を超えた世界経済の平均成長率は2010〜20年に2%台前半に沈み、トップ1%の所得シェアは80年代の16%から21%に高まった。難民、EU本部、自由主義。オルバン氏は次々と「敵」を攻撃し、行き場のない不満をためこむ人々の支持を集めた。

より自由になった市民が無力を味わう自由民主主義のパラドックス(矛盾)――。ブルガリア出身の政治学者イワン・クラステフ氏は中欧の難局を著書でこう表現した。冷戦時に民主化を求めたポーランドも強硬右派政権が2月、裁判官が政府の改革に異を唱えるのを禁じる法律を作った。

危機は世界を覆う。スウェーデンの調査機関V-Demによると、19年に民主主義国・地域は世界に87。非民主主義は92で、民主主義が18年ぶりに非民主主義の勢力を下回った。18年にハンガリーやアルバニア、19年にフィリピンなどが非民主主義に逆戻りした。20年に民主国家に暮らす人は世界の46%と、旧ソ連が崩壊した1991年以来の水準に沈む。非民主国家が世界の多数派だ。

選挙で選ばれた政権が民主主義を壊す悪夢は約90年前も見た。当時最も進んだ民主憲法を擁したドイツは第1次大戦の賠償や世界恐慌で疲弊し、ヒトラー率いるナチスの全体主義を選んだ。民主主義と自由主義経済の繁栄。20世紀の共通の価値軸「パクス」を守るべき大国も土台がぐらつく。

11月3日、建国以来59回目の大統領選挙に臨む米国。大票田テキサス州で与党・共和党のアボット知事は10月上旬、唐突に不在者投票の受付場所を自治体ごとに1つに集約するよう命じた。野党・民主党は高齢者らが投票しにくくなると反発し、法廷闘争が続く。
 
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