環境破壊
361220 二酸化炭素の300倍も温室効果が高い「亜酸化窒素」が地球の未来を危うくしている
 
光大 ( 26 大阪 会社員 ) 20/10/23 PM11 【印刷用へ
二酸化炭素の300倍も温室効果が高い「亜酸化窒素」が地球の未来を危うくしている
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2020年は1月、5月、9月が「各月の観測史上最も気温が高かった」と報じられたように、近年は地球温暖化の影響が顕在化しています。そんな地球温暖化について語るときには二酸化炭素(CO2)が着目されますが、CO2の300倍も強力な温室効果を持つ「亜酸化窒素(N2O)」も地球の将来を危うくしているという共同研究をオーストラリア連邦科学産業研究機構のペップ・カナデル事務局長らなどの著名な気候学者が発表しました。

N2Oは地球の大気に放出された場合には紫外線によって分解されて一酸化窒素を生成し、それによってオゾン層を破壊してしまうという気体です。また、温室効果はCO2の300倍もありますが、大気中に数千年間も残留し続けるCO2に比べると116年と残留期間が短いことや大気中の濃度が低いことから、温室効果の強さを定める地球温暖化係数においては、CO2とメタンに次ぐ3位に位置づけられています。

カナデル事務局長ら世界各地の44機関より70人の気象学者が参加した合同研究チームは、人類によるN2Oの総排出量について調査を行い、N2O排出量が過去40年間で30%増加したことを突き止めました。以下が空気中のN2O濃度の変化を示したグラフ。1980年以前は記録が存在しないため、Law Domeと呼ばれる南極の万年雪中に閉じ込められていた気体から割り出された推定値です。西暦200年から大きな変化がみられなかった濃度が、1800年代半ばから突如急上昇したことが示されています。2018年時点のN2O濃度は、1750年頃に比べて22%も上昇しているとのこと。

合同研究チームの調査によると、土壌や海洋などから自然に放出されるNO2の量はほとんど変化していないとのこと。合同研究チームはN2O濃度が急上昇した主な原因として、農業や畜産などを挙げています。農業における窒素肥料の使用や、家畜からの堆肥製造などがN2Oを急激に増加させているほか、化学工業や排水、化石燃料の燃焼などの人間のさまざまな活動も、N2O濃度の上昇に関係しているそうです。

研究チームは、地域別のN2O濃度の変化率も求めています。調査によると、ブラジル・中国・インドなどの急速な経済成長を遂げている国は作物生産や家畜頭数が急増しているため、N2O排出量の増加が特に著しいとのこと。

上昇を続けるN2O濃度について、合同研究チームは「規制が存在しない」という問題があると指摘しています。オゾン層を破壊するおそれのある物質についての規制を定めたモントリオール議定書では、エアコンや冷蔵庫の冷媒、電子部品の洗浄などに用いられていたクロロフルオロカーボンやハロン、ハイドロクロロフルオロカーボンなどのフロンガスやドライクリーニングの溶剤や冷媒として使われていた四塩化炭素などが規制されましたが、N2Oに関する規制はなし。パリ協定ではCO2やN2Oの削減目標が定められましたが、これはあくまで目標であるため、拘束力が存在しません。

研究チームは現状のN2O濃度は予想を超える速度で増加しているとして、温室効果ガス排出量を削減する取り組みについて論じる際にはN2Oにも着目すべきだと主張。具体的な手段として、N2O濃度の急増の主要因となっている農業・畜産について、「家畜からの堆肥について管理を強化する」「植物に最適化された肥料を使う」「肥料の使用量を削減するため、マメ科植物などの土壌を改善する作物を輪作する」「N2O排出量の低い肥料を使う」といった方法を挙げています。

以下は研究チームが定量化した、世界全体のN2Oに関する1年あたりの収支を示した画像。単位はテラグラム(1テラグラム=100万トン)です。人類の活動によって放出されるN2Oは年間7.3テラグラム(730万トン)ほどで、そのうち農業が3.8テラグラム(380万トン)と高い割合を占めています。一方、自然によって放出されるN2Oは年間9.7テラグラム(970万トン)ほどで、大気中の化学反応によって消滅するN2Oは年間13.5テラグラム(1350万トン)。人類の活動によって、大気中に存在するN2Oが増加していくことが視覚的に示されています。
 
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