人類の起源と人類の拡散
360310 『チンパンジー⇒人類進化論』をちょっと違った視点でアプローチしてみる
 
Bannister 20/09/19 AM00 【印刷用へ
まず、どうやら『人類がチンパンジー(と共通祖先)から進化した』、というこれまでの常識でもあった定説は、厳密な科学的研究結果によるものというより、なにやら意図的に『そうである』という「物語」として作られ、それらを補強するために科学的根拠(とされる)研究と分析が、都合よくなされてきたという疑惑がかなり強い。しかも日本に於いては、この定説が定着したのは近代の戦後教育によるものが大きく、わずか50年程度の話である。

では、そもそも何を「意図」していたのか?そして「チンパンジーの進化物語」が何故、その「意図」に対して都合が良かったのかを「別な物語」として考えてみたい。

   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

科学が台頭するまでは、西洋ではキリスト教・創世記による天地創造により人類が誕生したという史的構造認識が常識だった。つまり神が全てを創ったという考え方だ。これは存在のすべての始まりに神が居て、その神が天地・人類・動植物を創造し、神と人類の契約成立関係おいてのみ人類=人間は世界で最も特別な存在であるというものだ。

ある意味これは、西洋独特の人間中心=人類優位絶対の発想ではあるのだが、絶対的超越存在としての「神」を世界観の中心に措定するが故、人間個人のエゴに対して抑止力が働いていたのも事実であろうと思う。それはつまり、神>個人の絶対的関係構造である。(おそらくこのパラダイムでは現在社会のような、超短期的に行き過ぎ行き詰った地球規模での環境破壊へとは至らなかった可能性も高い。)

その後、近代思想、「科学」の台頭により「神」は死に、神=個人、あるいは神<個人という個人のエゴ中心のパラダイム=個人主義へと西洋社会は歴史的な変貌を遂げていく。それはすなわち、人間中心の絶対的支配権が獲得された世界である。これが「神殺し」であり、いわゆる神という名の制限から人間の精神が解き放たれた「自由の獲得」といわれるものだ。(どうやらこの変革を推進した一派が怪しい。物語の作者であろう可能性がもっとも高い。)

この人間のエゴ剥き出しの個人主義の制覇力・破壊力は凄まじく、神の抑制を失って以降、西洋人は獰猛な刃(やいば)をことごとく好き勝手欲望のまま容赦なく、周辺の「同類」に対して向けていく。(その同類攻撃に対する攻撃力の中心には常に科学があり、その発達の裏には常に戦争があったことを忘れてはならない。)

また同時に、神を殺した科学、人間のエゴを解き放った科学、エゴの為に同類を攻撃殺傷することを厭わない闘争性。それら自らの所業を「神」に変わり「科学的」に正当化する必要性が社会的に高まっていく。それも西洋人類史・五千年を貫く普遍的西洋人の必然根拠として。

そこで彼らの必要とする人類進化物語にピッタリ。見事にフィットした主人公として選ばれたサル=類人猿こそが、すなわち「チンパンジー!」だったのだ。

高い知能、闘争集団、男原理、力の原理、序列統合、縄張闘争態、集団間闘争力、狂暴性、そして自集団や自分の為には同類や同類集団をも、死に至らしめる程の苛烈な同類攻撃性を持つ猿こそ、自分たち西洋人の進化物語の主人公として「科学的」に相応しい。何よりも我々の社会構造そのものが、まさに彼らチンパンジーと同じではないか!そうして、人類における非・類的行為の存在必然と正当化がみごと可能となる物語がここに完成する。

『チンパンジー進化説』 人類は、チンパンジーと共通祖先から進化したのだと。 

   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇
「西洋人は目立つ対象物とその性質に焦点を当てた分析的なものの見方」をし、「東洋人は実体の連続性と環境の中での関係に焦点を当てた包括的なものの見方」をすると言われているが、この西洋発の「進化物語」は人類史500万年の内、僅か0.1%の局部的な人類史を正当化しているに過ぎない。視野を人類史500万年にまで物語を広げれば、人類進化物語の主人公としては、やはりオランウータンの方が相応しいだろう。
 
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