環境破壊
360273 「もう限界」海洋汚染を起こすプラスチックごみが、不法投棄されかねない状況に
 
新川啓一 ( 壮年 神奈川 建築家 ) 20/09/17 PM11 【印刷用へ
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(以下引用)
世界的な問題になっているプラスチックごみによる海洋汚染。日本から中国に輸出できなくなったプラスチックごみが国内にたまり続けています。輸出業者から委託された廃棄物処理業者が焼却や埋め立て処分していますが、処理が追いつかず、「もう限界に近い」と悲鳴を上げ始めています。環境省は市町村の清掃工場での処理を検討することを求める通知を出しましたが、受け入れる自治体は現れません。しかし、放置しておくと不法投棄されて、海洋汚染につながる心配があります。一方、燃やさずに国内でリサイクルする動きもありますが、なかなか広がりません。どこに原因があるのか、関係者を訪ねて探ってみました。

■環境省の通知に市町村の反応
プラスチックごみが不法投棄されると、回りまわって海洋汚染につながりかねない。心配した環境省は5月20日、産業廃棄物として排出される廃プラスチックの処分を引き受けることを求める通知を都道府県と政令市に出した。都道府県を介し、実際に焼却施設を持つ全国の市区町村にこの通知を流した。
(中略)

■先に牽制した小池都知事
(中略)
「区市町村の清掃工場は一般廃棄物(家庭ごみ)を処理するためのものですから、国からの要請というのはかなり区市町村としても厳しいものがあろうかと思います。本来は排出事業者の責任で処理されるべきものと考えております」

新たに数十万トン程度の産業廃棄物のプラスチックごみを燃やすことは可能だが、組合は言う。「プラスチックごみは商店やビルから出たものでもすべて産業廃棄物として以前から受け入れていません。東京都から受け入れの要請も来ていません」(施設管理部)。都内の他の自治体も「東京都から処理の要請はない」(府中市)と同様だ。
(中略)

■処理施設が悲鳴を上げている
輸出できず国内にたまったプラスチックごみは100万トン近くあるとも言われる。来年になるとさらに数十万トンが上積みされるはずだ。それを処理できるのは産業廃棄物処理業者だが、その彼らが悲鳴をあげている。これ以上の量を処理できず、頼まれても断っているというのだ。
 (中略)

 処理業者が「各地のごみの山を放置していたらいずれは火事や不法投棄が起きる心配がある」と議員らに訴えた。議員らが環境省に「火災や不法投棄が起きてからでは遅い」と迫り、正式に議員連盟が要請文を出せば通知を出す方向となった。

 環境省が自治体に相談もなく、性急にことを進めたのは議員らへの配慮もあるが、自治体の同意を得るのが難しいという事情もあるようだ。環境省は「緊急時に対応できるように通知を出したが、現実には施設を持つ自治体に権限があり、産業廃棄物の受け入れには住民の抵抗感もあって簡単には決まらないだろう」(廃棄物規制課)と言う。
(中略)

■リサイクル品の需要拡大が先決
リサイクルの技術はあるのに、なぜ広がらないのか。近江物産は滋賀県栗東市で年間2万トンの高品質ペレットを製造している。車のバッテリーケースなどの自動車部品などに使われている。
(中略)

 芝原茂樹会長が言う。「うちは『素材ごとに分別して出して下さい』と購入先の工場にお願いしている。高品質のペレットを造るのに必要なことなのだが、輸出業者が買い付ける際の基準は緩く、分別を求めてこなかった。排出する工場からみたら分別しない方が楽だ。中国に輸出ができなくなって『安定して売却できるところがいい』と戻ってくるお客さんも出てきた」と語る。

しかし、だからといって近江物産が生産量を大幅に増強できるわけではない。
 芝原さんは「せっかく品質でバージン材に負けないものを造っても、大手の企業がリサイクル品を使ってくれないことにはリサイクル業界は大きくなれない。私たちの業界は、様々な気管から静脈(産業)に戻ってきた血液を浄化し、動脈(産業)に戻す心臓としての役割があることから、『心臓産業』と呼んでいる。心臓産業を育てるため、国は率先してリサイクル製品を購入するなど前向きに取り組んで欲しい」と語る。
(中略)
その琵琶湖も日本の近海を上回るマイクロプラスチック汚染が起きていることが京都大学の研究グループの調査でわかっている。その沿岸では、輸出業者の敷地にプラスチックの山が幾つも存在している。

環境経済学の第一人者である宮本憲一大阪市立大学名誉教授は「使い捨てすることから海洋汚染が進む。プラスチックのリサイクルを進めることはもちろん必要だが、あふれかえったプラスチック製品のあり方を根本的に見直す時期にきているのではないか」と話している。
(引用終わり)
 
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