学者とマスコミはグルで頭脳支配
360099 もう「建築家」なんていらない?A
 
山本紀克 ( 31 大阪 会社員 ) 20/09/12 AM10 【印刷用へ
私たち建築を生業にするものが当たり前のこととして学んできた「建築学」。そこで学ぶ、弥生時代以降の寺社仏閣建築は「宗教建築」。明治以降の近代建築は「近代思想でつくられた建築」である。
ル・コルビュジェも「住宅は住むための機械」と言い切った。

しかし、本来の建築(と呼ぶのもズレている気がするが)は、専門家や特権階級のものではなく、普通のくらしを住む人々が、地域の素材と技法を用い、自然環境と一体になりながらつくられてきた。

★明治以降の建築は「近代観念建築」であり、いま一度全ての観念を捨て去る覚悟で、建築を捉え直す必要がある。

そして追求を進めると、そもそも建築家が建築することが当たり前なのか?というところに行きつく。「専門家」という職能は不要になっていくということだ。

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『もう「建築家」なんていらない?』―A

■グーテンベルク、モールス、テレビ
ポストマンは、情報の流布と、子どもの概念や羞恥心の誕生や喪失を、3つの情報革命の転機を「鍵」と捉えようとしている。
一つは、グーテンベルグによる活版印刷の登場により、書き言葉として秘密に伏せられていた知識が広く流布する中で、(文字の読み書きにはリテラシーが必要であったので)秘密が大人にのみ共有され、子どもと羞恥心が生まれたとしている。

次に、モールス信号が生まれ、情報の伝達速度が人間の身体性を上回るようになる中で情報と子どもの変革が始まる。

そして「秘密のないメディア」であるテレビの登場に至り、ビジュアル情報の台頭が始まり、子どもに対して情報を秘密にすることが困難になり始め、羞恥心が変質し、子どもの概念が消え始めていると指摘しているようだ。

(略)

■情報が「専門家」を誕生させ、消失させる
(略)
僕らの世代は、グーテンベルクの時代とは全く異なる容易さで、誰もが専門知識という秘密の情報にアクセスが出来る時代になったのだ。
ここで思い出すのは、知り合いの医者が言っていたことだ。昨今の患者は、自分の症状に照らし合わせて、インターネット上にある膨大な医療情報にアクセスするので、特定の疾患に対する情報量が、専門医を上回ることが度々あり、医者の専門家としての立場が揺らいでいるというのだ。テレビにより、大人だけに秘められた情報が消え、大人と子どもの境界が消え始めたように、インターネットにより、専門家だけに限定された情報領域が消えつつあり、かつて専門書と教育によって誕生した「専門家」が、今や消えようとしているのかもしれない。
 
■情報が「建築家」を誕生させ、消失させる
こう考えてみると、プロフェッションとしての近代建築家の概念も、子どもの誕生のプロセスにほぼシンクロして誕生し、そして今消えつつある専門家の領域であるのかもしれない。

集合住宅や商品住宅における営業マンと建築技術者の関係を見ていると、そこでは既にかつて建築家と言われた専門性は消えているようにも感じられる。もう、建築家なんていらないのかもしれない(もっとも、これらの領域はもともと建築家の領域ではないとの指摘もあるかもしれないが)。

昨今のAIブームの中、AIが専門家の職業を奪うのではなかろうか?との指摘を多数見かけるのだが、ポストマンの指摘を通して世の中を眺めていると、人工知能が取って代わる前に、専門家という職能自体が先に消えつつあると考えるべきにも思える。とあれば、実は人工知能は、インターネットやテレビの出現により消えつつある専門家という概念を、新たな秘密の情報領域をつくりだす事や、情報アクセスのための新たなリテラシーを要求することで、新たに再構築するものかもしれないし、はたまた人工知能が目指すべきものは、言われているような専門家なのではなく大いなる知識ベースを携えた一般人=物知りな凡人であるのかもしれない。

ICTの登場により消えつつある「専門家」という概念が、さらには「子ども」という概念が、人工知能という新たなる情報革命の登場によりどう変質していくか、楽しみである。

山梨 知彦 氏
日建設計 常務執行役員 チーフデザインオフィサー 設計部門 プリンシパル
 
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自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
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6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
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