これからの暮らしはどうなるの?
357106 今後の社会で求められるのは「前例なき状況」に対しての適応能力。
 
池上 武 20/05/24 PM05 【印刷用へ
「Review of My Life」さんの記事を紹介します。
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【消えゆく職業、これから消える職業を見たら、公教育は時代の要請からかけ離れすぎていた 】

■ここ15年で増えた職業、なくなった職業は?
ここ15年で、増えた職業はなんでしょうか。
 東洋経済によると

増えた仕事」1位は介護職員。15年間で約100万人増えたが、それでも人手不足が深刻化するほど、高齢化で市場が急成長している。その他、看護師や訪問介護従事者、看護助手などの伸びも目立つ。
販売店員も51万人増加。清掃従事者や調理人などのサービス業も、就業人口の増加傾向が見られる。共働きの増加の影響か、保育士も16万人増加している。また製造業の中でも、日本勢が強さを保つ自動車の組立従事者は増加。内需が底堅い食料品も製造従事者が増えている。
(中略)

■これからなくなる職業、生き残る職業は?
さて、これからなくなる職業はなんでしょうか。野村総研とオックスフォード大学で「これからなくなる職業」について研究した、オズボーン教授との共同研究によると
(中略)
芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向があります。
一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人工知能等で代替できる可能性が高い傾向が確認できました。

■これから残る職業と、これからなくなる職業の違い
 では、これから残る職業と、これからなくなる職業の違いはなんでしょうか。
まず、先ほどの「抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業」がありました。
(中略)
人間は機械と違って、ほとんど共通点のない手掛かりを繋ぎ合わせ 見たことのない問題を解決することができるようです。これから残る仕事を見抜くためには、「前例なき状況への対応を求められる部分がどの程度あるのか」が重要みたいです。

■市場にとって、「前例なき状況」に対しての適応能力はそこまで必要とされなかった
教育に目を当ててみましょう。
 今までの教育は、「前例なき状況」に対しての適応力を身に着けさせるようなカリキュラムだったでしょうか?
否です。
そもそも、今までの教育制度は「前例なき状況」への適応能力を身につけさせなくても、労働市場の需要と供給がマッチしていたので、そこまで問題がありませんでした。
 正解がわかっていて、その最適解を早く見出すような仕事で、国は発展することができたのです。
だからルーティーンを回し続けるような仕事でも十分だったわけですね。

日本の教育は申し分ないほど「前例ある状況=正解がある状況」で素早く答えを見出す能力を築き上げた
そして、そのような「前例がある状況」の中で、よいパフォーマンスを発揮するという能力を形成する場として、日本は申し分のないほど優れた教育制度でした。
 日本の公教育は、当時のほかの先進国と比べて、非常に平等主義なカリキュラムで、学力の格差が非常に小さかったのです。
そして、大学入試という正解のある試験に素早く回答し合格することが、「正解のある答えを素早く処理して見つけ出す」という能力の担保になり、それがそのまま職業能力として扱われていた(職業訓練説)のです。

■企業需要と教育供給のギャップ
ところが、いま現在の市場はどうでしょうか。経団連によると、求めている能力はコミュニケーション能力・主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性になっています。
(中略)
一方、学業成績、またそれに呼応する論理的思考能力、専門知識に対する評価は下がってきているわけです。
求められている能力は、「前例なき課題」に対して協力して挑む姿勢(協調性、コミュニケーション能力)を必要としているみたいですね。
(中略)
「前例なき課題」に対して協力して挑む姿勢は、公教育では手に入らない
企業が必要とする能力は、「前例のある最適解が用意された課題」を素早く処理する能力を鍛える学校では手に入りにくいです。
 
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