経済破局は来るのか?
354471 掟破りの逆オイルショック。ロシアとサウジ新同盟の狙い
 
加賀正一 ( 40代 神奈川 建築設計 ) 20/03/13 AM00 【印刷用へ
OPECの減産拡大を提案を拒否するロシア、ロシアの反応を受け、大幅増産に踏み切ることを決めたサウジと、一見ちぐはぐな動きの様に見えるが、ドル暴落という狙いは一貫しているようだ。

黄金の日日『掟破りの逆オイルショック。ロシアとサウジ新同盟の狙い』リンク
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(以下引用)
ニュースをみると今回のOPEC+の決裂とサウジの増産をサウジがロシアに怒って暴走したという論調が多いようです。
アメリカに都合のいいアメリカ発のニュースをそのまま要約して、ハンコを押したようなことしか言わない日本のアナリストなどの市場関係者やジャーナリストもそれに追随しています。楽な仕事です。
たしかに、サウジはロシアに怒ってみせて、ロシアがそれに合わせてOPEC+の再協議をしてもいいとしれっと言っていますが、猿芝居だと思います。米国に対する建前です。
プーチンが事実上の宣戦布告したあと、アメリカがいつものように報復として戦略兵器のドルを使ってロシアの為替市場や株式市場を攻撃していますから、それに対する口先介入の側面もあると思います。
それよりは、踏み込んだ記事でこれはロシアとサウジによるシェールつぶしだという記事もありますが、これもまだ浅い。
ロシアやサウジが狙う本丸はシェールではなく、米ドルそのものです。中小のシェールを潰しても油田自体がなくなるわけでもない。それを大手がまた安値で買いしめる。政府も金を出す。そして、また原油価格が上がればピークアウトしたとはいえ、シェールでまた生産を再開できる。シェールを完全に生産中止にまで追い込むにはロシアやサウジも永遠にダメージを受けることになってしまう。
ここで何度もいいましたが、シェールを潰し、ジャンク債市場バブルとそれを組み込んだCLOバブルを破壊し、社債市場の金利を上昇させ、自社株買い依存の米株バブルを破壊し、それをもってFRBに金融緩和の圧力を下げて米国債をマイナス金利に追い込むのがロシアが描いているシナリオだと思います。
そうすれば、どの国も米国債を買わなくなります。最後の買い手はFRBです。すでに、米国債の入札は低調になってきています。
どの国も米国債を買わなくなれば、財政赤字と経常赤字を抱える米国の財政は破綻します。
もちろん、マイナス金利で利潤のなくなった米国からは大量にドルが流出し、ドルが売られます。
世界中の政府が人気取りのため中央銀行に金融緩和させ、あらゆるところにバブルが発生しています。
株、国債、社債、電子通貨、各種金融商品、不動産などです。
人類市場最大のバブルです。
そのなかでも最大のバブルは米バブルです。
この米バブルがはじければ、原油価格は暴騰します。スタグフレーションの始まりです。ドルや円、米債は暴落します。
ロシアとサウジの本当の狙いはこのドルつぶしによる原油価格長期上昇にあると思います。
ロシアのプーチンとムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MbS)はハイタッチするなど、非常に仲がいいことで有名です。
ロシアのプーチンは今回の憲法改正で大統領の任期を廃止しました。事実上の皇帝プーチンのロシア・プーチン朝の誕生です。
一方のMbSも三人の主要サウジアラビア王族を、クーデター計画を容疑で逮捕拘束しました。
これで、ライバルを一掃し、王権の実権を完全に掌握しました。
MbSは、この三人をクーデターの実行のため、アメリカ人や他の人々を含め海外勢力と接触したと言って非難しまた。この事件はMbSと米国の決裂を意味していると推測します。

このMbSとプーチンの二人そして習近平に共通することは任期がないことです。
米国や日本のように、国民の顔色を伺い、任期中の得点稼ぎのために、将来の消費の先取りの金融緩和や、構造改革を阻害する財政出動に頼らなくていいのです。
保身によらず、長期的視野にたって国家の利益を考えることができます。
マスコミの記事では原油安はロシアやサウジの財政が危なくなり墓穴を掘るといった記事もありますが、ロシアの財政は黒字ですし、サウジの財政はいままで健全だったので米国や日本のように累積債務はそれほどない。
サウジアラビアの政府債務は対 GDP 比率で世界最小レベルです。
サウジは産油費用が圧倒的に安く、低い価格でも大量生産の薄利多売で30年は戦える。ロシアもサウジほどではないが産油コストは安い。10年は戦える。
米国は国内の産油コストだけでなく、その輸入先であるメキシコやカナダやブラジルの産油コストも高いので、その生産がとまれば、サウジやロシアから輸入せざるを得なくなる。
そして、ロシア、サウジにとって共通の利害は、ドル高が自国の利益を損ねていることです。共通の敵は米ドルです。
これはトルコにもいえる。トルコも反米的な路線になってから徹底的に自国通貨を攻撃されてきた。
トルコがNATO加盟国であるにもかかわず、パトリオットやF35ではなく、S400を選択し、プーチンの仲介でシリアのアサドとの停戦を飲んだのは、トルコもドル安を望んでいるからだと思います。だからプーチンに同調した。サウジもS400採用を検討しています。パトリオットでは守れなかった油田を守れる。S400があれば、米国の空軍から空爆されることはなくなります。
米ドル安を望むのはイラン、ベネズエラ、リビアなどの反米国家全部にいえます。産油国全部の敵は米ドルといっていい。米ドルバブルが破壊されれば抑え込まれてきた原油価格が上昇する。
また、米ドルの価格下落は世界全体の経済成長と強い正の相関があります。
ドル高を望んでいるのは、米国の子分である自民党日本とECB欧州ぐらいでしょう。

米国のエスタブリッシュメントである資本家とそれに追随する欧州や日本のポチどもは、いまでも強欲に、いずれ、危機がすぎれば、実体経済が回復し、株式市場はV字回復すると主張していますが、今回は長期戦です。
株主の刹那の利益のために株価を上げ配当を出すためだけを目的とした経営をしている連中とか、任期中だけ景気と株価という結果をだそうとしている政治家では勝てないと思います。
(引用以上)
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