心の本体=共認機能の形成過程
353987 皮膚は「心」を持っていた!@ 〜「1秒に5cmほどの速度」で触れられると癒される〜
 
立川久 ( 50代 ) 20/02/23 AM10 【印刷用へ
『皮膚は「心」を持っていた!』山口創 著について、
ブックパス リンクより、以下引用。
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『皮膚は「心」を持っていた!』山口創 著
【要旨】
人間と同等かそれ以上のさまざまな能力を備えた汎用型AIの登場に備えて、あるいは人間同士の直接の「ふれあい」が希薄になっている現代に おいて、われわれの「皮膚感覚」を今一度見直してみるのは重要ではなかろ うか。人間の皮膚は「第二の脳」とも呼ばれる高レベルの情報処理能力と、 外界や他者との境界、また感覚や感情につながるセンサーの役割を果たして いる。
本書では、「人間の心は皮膚にある」として、身体との関係で「心」を捉える「身体心理学」の視点で「皮膚」の働きを総合的に解説。さらに、 身体だけでなく心をも癒すマッサージ(自己マッサージを含む)などでの「触れ方」、直接的、間接的に「触れ合う」ことの社会的意義などについて詳し く論じている。著者は桜美林大学リベラルアーツ学群教授で、健康心理学・身体心理学を専攻、臨床発達心理士の資格を持つ。

●人間の発生過程で皮膚と脳はもとは同じものだった

 ストレスは心で感じているだけではない。皮膚でも感じている。朝のラッシュアワーのような、不特定多数の人との接触や温度、湿度の変化もそのひ とつだ。例えば硬くて冷たい椅子と、心地よく体にフィットする椅子。どちらに座ったときにストレスを感じるだろうか。答えは明らかだ。

 皮膚は、意識下で感情に影響を与えている。私たちが「触覚」として意識しているのは、実は氷山の一角であり、無意識下ではとてつもなく膨大な情 報量が脳に流れ込んでいるのである。無意識下で不快感が増長すれば、自ず と感情に影響を与えるのは当然のことなのだ。さらにいえば、不快感などの感情は、心よりも先に「皮膚が感じて」いる。

 腸は「第二の脳」といわれるが、皮膚も「第二の脳」といわれたり、腸に次いで「第三の脳」といわれたり、「露出した脳」といわれることもある。それは、皮膚と脳の発生の過程を見れば明らかだ。人間の受精卵は細胞分裂を繰り返して人間らしい形になっていくが、このとき、細胞は外側から外胚 葉、中胚葉、内胚葉という3つの層に分かれている時期がある。それが次第に分化して、例えば内胚葉からは内臓、中胚葉からは骨や筋肉などに分かれ ていくのだが、実は外胚葉からは、皮膚と脳に分かれていくのである。

 つまり皮膚と脳は、もともとは同じものだったというわけである。だからこそ、脳に勝るとも劣らない情報処理能力を備えているのだ。しかも皮膚は、脳と比べて、その突出した面積の広さから、多くの感覚を感知して、大量の情報を処理している器官なのである。

 また、皮膚の刺激は脳に直結している。触覚や温度感覚、痛覚などの皮膚からの刺激は、脊髄に入ったあとに比較的単純な経路で脳に到達し、認識や感情の中枢を刺激する。

●「1秒に5cmほどの速度」で触れられると癒される

 こんな実験がある。イギリスの神経心理学者グレグ・エシックらは、ベルベット、綿、メッシュを機械に装着し、対象者の顔と前腕をそれぞれ3つの異なる速度(1秒に50cm、1秒に5cm、1秒に0.5cm)でなでた。すると、ベルベット、綿、メッシュの順に「気持ちいい」と感じることがわかった。やわらかい生地が気持ちいいのだ。

 そのほかにわかったことは2つある。どの生地で触れても、腕よりも顔に触れたほうが気持ちよかった。そして、腕、顔どちらも1秒に5cmほどの速 度で触れたときがもっとも気持ちよく、それより速くても遅くても、気持ちよさは低下してしまうということだ。

 「1秒に5cmほどの速度」というと、実は私たちは自然におこなっている。 例えば泣いている赤ちゃんの背中をさすってなだめているとき、優しくマッサージをするときなど、意識しなくてもこの速さでなでていることが多い。

 そして、この研究に続くものとして、1秒に5cmの速さで触れるときにもっとも反応する神経線維が発見された。それが、「C触覚線維」である。先の実験で、腕よりも顔に触れたときのほうが気持ちよさが増したのは、顔のほうにC触覚線維が多いからなのである。

 C触覚線維は、スキンシップのように肌をゆっくりとなでるような刺激に反応し、愛情や嫌悪感といった感情を喚起させる働きがある。C触覚線維は、高次な知的機能を司る前頭葉や、感情や情動を起こす辺縁系と神経線維の連絡がおこなわれており、多くの大切な影響を与えている。皮膚から脳へ触覚を伝える経路は神経である。皮膚にある神経線維のうち、C触覚繊維はゆっくり動く刺激にのみ反応する。
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Aに続く
 
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