社員の活力を引き上げるには?
352996 働く全ての人に読んで欲しい1冊。リカルド・セムラー著「奇跡の経営」が人生を変える!
 
大川剛史 ( 34 東京都 会社員 ) 20/01/20 PM07 【印刷用へ
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「一週間毎日が週末発想」
これは、「仕事の時間」と「プライベートの時間」を融合させ、新しい働き方を提唱する考え方です。この考え方をベースとして経営にアプローチしています。

貴重な遊びの時間やプライベートな時間、家族との時間を、平日の仕事の時間に持ち込む。
会社の目標を達成することを試みる前に、自分のやりがいと満足感をもとめる。
職場を自分が働きたいと思える場所にする。
家族と過ごす貴重な質の高い時間こそが、最優先事項。
働く場所や時間は自分で決める。
(書籍より引用)

ここを見るだけでも驚きの連続ですよね!人は何のために働くのか?を凄く考えさせられます。特にオーナー経営者って、どうしても自分のエゴが組織に入りやすい。でも、リカルド・セムラー氏は、全く自分のエゴが入っていなく、社員が幸せに生きることを満たすために組織を作っています。神様ですね(笑)

ただ、よくよく考えると企業の本来のあり方を提示しているだけのようにも思います。そもそも、企業の成功は利益や成長だけで測れるものではないとも言及しています。利益や成長を追い求め過ぎると、社員の自由を奪いコントロールし統率を図ろうとしますよね。つまり、経営者のエゴが出ている状態で、それを見透かされると社員のストレスは高まり、生産性が落ちていきます。

セムコ社は、社員が自分らしく自由に働ける環境を徹底して創ることによって、高い生産性を生み出そうとしています。これを3,000人以上の規模で実行していることが奇跡ですね!

「組織における社員の深層心理」
セムラー氏は、人の深層心理を本質的に捉え、あらゆる仕組みを構築しています。

パフォーマンスが悪いからといって、できの悪い社員を解雇すると、必ず別の問題が生まれる。残った社員は、つぎは自分の番ではないかと不安を覚え、その恐怖によって彼らの持つ創造性やいつもの冷静な判断を失ってしまう。
自然な形で育まれた企業文化は、社内における人間の絆を深め、それらはすべて信頼の上に形成されている。信頼なくして、常に誠実でいることやお互いに対する敬意、オープンなコミュニケーションなど望めない。誠実さに欠けている会社は、最終的に優秀な人材を失う。社員は会社に誠実さが認められない限り、正直にはなれない。
カリスマ的なリーダーシップは、個人の才能と興味を自由に調和するプロセスを妨げてしまい、かえって会社にとっては非生産的な結果を導く。
直観力は、人が成功する意思決定を行う重要な要素。
部門への帰属意識がなくなることで、それぞれの部門がお互いに敬意を払うようになる。
人はより生産的に、目標に向かって働き、家族を養い、未来を築くようにできている。
社員全員が仕事に情熱を持つことを期待してはいけない。人は時間とともに、それが何であれ興味を失ってしまうものだということを認識しておく必要がある。
期待と現実が異なるときにストレスがたまる。ストレスのない職場は、高い生産性を生む。
社員が仕事の範囲を自分で決めることができれば、仕事に対する満足度はかなり高まる。
(書籍より引用)

会社を経営していて凄く感じることは、みんなのパフォーマンスはどういう時に最大値を迎えるのかということ。そこに無理矢理ではなく、自然と持っていくことができれば、きっと本人も会社もハッピーになることができるんだと思います。

そのためには、「人」の深層心理を理解した上で、仕組みやカルチャーを作ることですね。これが凄く難しいところです。。セムコ社で働く社員は日々どんなことを思い、感じて仕事をしているのか凄く気になります。いつか取材ができたらいいな(笑)

「セムコ社の哲学」
セムコ社では、独自の哲学をもとに具体的な取り組みや制度が作られています。

コントロール(指示命令)をやめる。
むやみに会社の規模を拡大しない。ゆるやかな成長は品質を保つためにも必要であるし、分別を保つためにも重要である。
社員に交際費の内訳を聞いたりしない。それは人間性を疑うことを意味するから。経費申請で不正をすれば、信頼を失うことを社員は知っている。
情報の独占をしない。特定の人しか知らない情報は、危険な権力の集中を生む。
民主制度では、異議と唱え、議論を戦わすことが必要。民主的に事を進めることで、社員は、自らの意見を述べることができ、それにより様々な角度からの企画やアイデアが練られる。
もしそのプロジェクトやミーティングに興味がないのなら、その分のエネルギーをほかのものにとっておくべき。
全面的な意見の一致がみられないときは、問題は未解決のままで良い。
自分たちの生活の向上は、会社がうまくいくことで成り立つものだと心得ており、人当りがよくても無能な上司についていこうとは考えていない。
経営者は会社における絶対的存在ではない。経営者の役割として重要なことは、会社の成功のために障害を取り除き、そのための新しい仕組みをつくること。
(書籍より引用)

ホラクラシーで重要とされている内容(指示命令をしない、情報の独占をしないなど)も書かれてますね!また、ホラクラシー型組織は、上司部下の関係を排除し、横の連携を大事にしています。だから経営者が会社における絶対的な存在になってはいけないし、自然と民主制度のようになっていきます。みんなの意見に耳を傾け尊重することで、議論が活性化するんです!
議論の際に、たまにポジショントークをする人を見かけますが、これは本当に良くないと感じます。自分を凄く見せたがる人はポジショントークをする傾向が強いので要注意ですね(笑)

この中で、非常に難しい問題だなと思ったのは、意見が一致しないときは、問題を未解決のままでも良いということ。この部分に関して特に理由が書かれていなかったので正しくは分かりませんが、一方の意見に無理矢理導いても、賛同しない人がいたらそれは考えを強制することになり、社員にストレスを与えてしまい、生産性を落としてしまったり、今後意見が言いづらくなることを危惧しているのかなと解釈しています。


つづく
 
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