素人による創造
352923 伝統産業とひとをつなぐ「能作」の秘密(社員15倍! 見学者300倍! 踊る町工場)
 
紀伊谷高那 ( 34 大阪 会社員 ) 20/01/18 AM10 【印刷用へ
能作社長が人生で一番背筋が凍りついたシーン
リンク)より転載

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富山県高岡市にある「能作」は、北陸新幹線・新高岡駅からタクシーで15分前後、日中でも3000円以上かかる。失礼ながら、あたりは何もない「片田舎」だ。だが、今、ここに年間「12万人」が殺到している!
能作克治社長(61)は大手新聞社のカメラマンから一転、能作家の一人娘と結婚し、婿(むこ)入り。長い間、「マスオさん生活」を送ってきた。カメラマン時代は入社2、3年目で年収500万円超。それが鋳物職人となったとたん、年収は150万円と「3分の1以下」に急落したという。
そんなある日、「工場見学をしたい」という電話があった。小学生高学年の息子とその母親だった。工場を案内すると、その母親は、信じられないひと言を放った。
「よく見なさい。ちゃんと勉強しないと、あのおじさんみたいになるわよ」
その瞬間、能作は凍りついた。全身から悔しさがこみ上げてきた。同時に、「鋳物職人の地位を絶対に取り戻す」と誓った。
閉鎖的な高岡の地で「旅の人(よそ者)」といわれながら、1200度以上の熱風と対峙し鋳物現場で18年、4リットルの下血も経験しながら必死に働いた。
そして2017年、13億円の売上のときに16億円をかけ新社屋を建てた。すると、社員15倍、見学者300倍、さらに売上も10倍になったのだ。
しかも、「営業なし」「社員教育なし」で!
このたび、能作克治社長の初の著書『社員15倍!見学者300倍! 踊る町工場――伝統産業とひとをつなぐ「能作」の秘密』が、話題となっている。

(中略)

■「儲けろ! 利益を出せ」
一切言わず、なぜ売上が上がるのか?

はじめまして。株式会社能作の能作克治です。
今回、『社員15倍! 見学者300倍! 踊る町工場――伝統産業とひとをつなぐ「能作」の秘密』という初の著書を出版しました。

僕は、社員をぎゅうぎゅうと締めつけたりはしません。
社員に対して、
「やりたいことがあれば、やっていいよ」
「仕事が嫌だと思ったら、上達はないよ」
「問屋さんやお客様に喜んでもらえる仕事をしようね」
「高岡を、富山を、日本を盛り上げていく気持ちを持とうね」
と言うことはあっても、

「儲けろ」
「売上を上げろ」
「利益を出せ」
と言ったことは「一度も」ありません。

社員に与えるべきは、ノルマではなく「楽しさ」です。
財務計画、資金運用計画、利益計画といった「数字」や「計画」を掲げなくても、進むべき方向さえ間違っていなければ、利益はおのずと増えてくるものです。

僕が能作に入社した当時、社員は数人でしたが、今は160人。
おかげさまで2009年度以降、売上も毎年約10%で伸びています。
2018年度の売上は約15億円。社長就任時と比べ10倍以上になりました。

能作の業績が堅調なのは、
「高岡の地で、人に愛され、地域に誇れるものづくりをする」
「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)くつくる」
という僕たちの信条が、富山県民をはじめ、国内外の多くのお客様に支持されたからです。そして社員が、自分のやりたい仕事を、楽しみながら実現してきた結果です。
 「金属は硬い」「食器は硬い」という常識にとらわれず、逆転の発想で「やわらかい食器」をつくったように、僕の経営者としての哲学もまた、多くの経営者とは違って「逆転」しているのかもしれません。

【能作の「しない」経営方針】
・能作は、「儲け」を優先しない……儲けではなく、「楽しむこと」を優先する
 ・能作は、社員教育をしない……教えるのではなく、自分で気づかせる
 ・能作は、営業活動をしない……営業する側ではなく、営業される側になる
 ・能作は、同業他社と戦わない……競争ではなく、共創(きょうそう)する

(中略)

工場見学にこられた方からも「能作さんはどんな経営をされているのですか?」と、訊(き)かれることが多くなってきました。
(中略)
数々の能作の取り組みが、不景気にあえぐ中小企業の、伝統産業の、下請け業者の、さらにはビジネスパーソンの方々のヒントとなれば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。
 
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