サル社会を解明しよう
351655 チームワークを発揮できるのは、全動物の中で人間だけE 〜便利な時代にいるからこそ、人とつきあうことがコストになってしまっている
 
孫市 ( 43 宮城 会社員 ) 19/12/05 PM09 【印刷用へ
サイボウズ式 より転載します
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「チームワークを発揮できるのは、全動物の中で人間だけなんです」──霊長類の第一人者・山極京大総長にチームの起源について聞いてみた

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(Dのつづき)
■便利な時代にいるからこそ、人とつきあうことがコストになってしまっている

椋田
先生は、大学で教鞭(きょうべん)をとられていたので、毎年入れ替わる18〜25歳くらいの年齢の若者にずっと接してこられたと思います。たとえば、20年前には携帯電話さえなかったけれど、今は誰もがスマホを使っています。あるいは、昔は下宿で飲んでいたけれど、今はLINEのグループでやりとりをしていたり。スマートフォンなどの、人と容易につながれる端末の出現によって、若者の身体感覚の変化は感じていらっしゃいますか?

山極先生
すごく感じますよ。僕は総長になる前は理学部で教えていて、その時に感じた生徒の一番の悩みは「友だちができないこと」でした。なぜか、友だちは簡単にできると思っているし、いったん友だちになると相手を信用しすぎて、お互いに負担をかけあってしまう。脳ではつながろうとしているけれど、身体ではうまくつながれていない。友だちに対して、何かこうしっくりこない感覚を持ち続けているのが現代の若者たちなんじゃないでしょうか。


椋田
それは、真の信頼関係を築けていないからなんでしょうか?

山極先生
はい。おそらく、彼らには身体でつながり合った記憶があまりないんだろうと思います。何でもいいから、一緒に共同作業をすればすぐに友だちになれるんだけど、なかなかそういうことができないでいるのが現代なわけです。つまり、人に頼まなくても自分ひとりでできてしまう。

椋田
たしかに。私もGoogle Mapが普及してから、人に道を聞くことがなくなりました。

山極先生
便利な時代にいるからこそ、人とつきあうことがコストになっちゃっているんです。昔は、知識は本か人からしか得られなかった。だから、講義を受けて一緒に勉強をして、本を読んでその感想を語り合ったりしたわけじゃない? インターネットで検索して知識が出てくるなら、講義にも図書館にも行かなくていいですもんね。

椋田
人づきあいがコスト……。なんだか寂しい話ですね。

山極先生
今の資本主義社会は、個人の欲望をかなえさせることに特化しています。本来なら、信頼関係をかたちづくっていた150人の人たちを社会資本として、いろんなふうに人間関係をつかいながら制度や社会に接することができたはずなのに、今は個人がみんな裸で孤立してしまっている。そこを何とかしないと幸せになれない気がします。

椋田
うーん。何らかの発想の転換が必要になりそうです。

山極先生
友だちをつくる時間をコストと考えてはいけないですよね。共感力をつかって信頼関係をつくるには、時間をかけないといけないんです。共感と信頼は時間との係数だから、いくらお金を使っても1分で友だちになるのは無理です。

椋田
友だちだけではなく、仕事を共にするチームのメンバーとの関係においても同じことが言えそうです。

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(Fにつづく)
 
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