密室家庭は人間をダメにする
351505 虐待のない社会へ。
 
春野うらら ( 大阪 営業 ) 19/11/30 PM07 【印刷用へ
「授乳」という行為においては、する方(母)もされる方(赤ちゃん)も深い充足を得ることができる。誰に教わった訳でもないのに勢いよくオッパイに吸いついて巧みに舌を動かしながら必死で乳を搾り出していく赤ちゃん、それによって、ガチガチに張って熱さえ帯びていたオッパイがキュイーンとしぼみ、気持ちのよい自然な感覚を取り戻せる母親。どちらがする方で、どちらがされる方か?という境目さえもなくなる瞬間だ。人類にとって最初の「一体充足」はこの授乳行為にあり、その安心基盤に立脚することで未熟な人間が成長を遂げ、さらにメスだけが母になる過程で再度その感覚を取り戻す機会に恵まれるということなのだと思う。

最近は「母子の絆強し」とか「母子密着」と警鐘を鳴らされることもあるが、それは生きることが困難ではなくなった(=生存圧力がなくなった)現代では、ある意味当たり前のことのように思う。

しかし、一方、虐待で年間50人を超える子供の命が失われているという。死に至らないジワジワと時間をかけたものを含めると、この数は10倍、20倍で済まないのではないか?一体充足の対象であったはずの母親が鬼となり、家庭という密室空間で圧倒的弱者である子への虐待を繰り返す。これは子から見れば「全世界」が地獄と化し、本来全的プラス存在が、全てマイナス対象になることであり、母親側からすれば、本能的な安心感・感謝感を得る機会を放棄することにほかならない。いずれも親和本能の混濁→破壊を意味する。

虐待は血のつながらない父親に負うところが多いとか、そもそもの授乳行為を忌避する母親が出現しているとも聞くが、前者ではその光景をなすすべなく思考停止するのではなく、場から脱出させることはできたはずだし、後者は、そもそも母親の親和本能が壊れているとしか言いようがない。母親の母親がそうだった、という虐待の連鎖も同じことだ。

虐待は、「樹上逃避機能を獲得したが故に死なずに、かといって縄張りもなく中途半端に生き残ることになった原猿たちが陥った、同類なのに、常に敵視され、攻撃され、恒常的に怯えと飢えに苛まれ続ける状態」(実現論1_4_03)以上に、悲惨で凄惨、無残な人類の末路だ。

親和本能が混濁し破壊される、ということが人類にとっていかに危機的、破滅的な状況か。

授乳行為という一体充足を体感する機会を得た母親たちがまず、わが子か否か、というワクを外して、身近な子たちに等しく目を注ぎ、心を開くこと。そして少しでも危機を察知したら周りの助けを借り、力を合わせることに躊躇しないこと。対処療法的に映るが、この意識の連鎖が、虐待から子どもを守り、地域や社会をあるべき姿(≒虐待のない社会)に戻し、ひとの親和本能を正常に作動させる原動力になるのではないか。
 
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