もはや学校は終っている
351162 世界は本源的価値に収束している
 
匿名希望 19/11/17 PM01 【印刷用へ
アメリカ西海岸は教育先進エリアと言われており、従来の知識詰込み(コンテンツベース)の教育から、現実課題を追求するなかで深く物事を追求するPBL(プロジェクトベース)の学びへと転換している学校を中心に視察した。ネットでも話題にあがっているHigh Teck Highや、発達過程の脳科学をエビデンスに設立したMillennium School、その他PBLで劇的に生徒のヤル気と成果を引き出したVIDAなど。

詳細はさておき大きくみて日本と共通する事象は、試験、受験のための勉強意欲はアメリカでも既に衰弱しているということ。試験脳、暗記脳では意欲活力の面でも、新しい価値創造という点でも使い物にならないという意識は顕在化している。トランプになってからPBLのテーマは事欠かないようだが、環境問題にしろ、経済問題にしろ、精神問題にしろ、人類的な課題に対しどうする?に追求の照準をあてれば、従来の知識を教えるだけの教育では全く通用しない。答えを導くための思考を身につけること、みんなで追求しあうこと、新たな理論を構築することに意識が向かうのは、日本もアメリカも共通するところだ。

またPBLでは一人一人の学力=IQよりも、関係性のなかで学ぶ力=EQ(共感力)に評価軸が移行している学校も多く見られた。実際、授業風景や先生方の言葉、子ども達の声からは予想以上に本源的な雰囲気があり、仲間の期待に応え、仲間に感謝する様子も感じられ驚きだった。アメリカでさえ本源的な価値へ大きく移行している。

その一方で全く違うのは、活力もスキルも根底は個人に立脚していること。自分は何者なのか。経歴、家柄は勿論のこと、肌の色や人種によってキャリアが決まる揺るぎない格差がアメリカには存在する。特に西海岸はヒスパニック系が多く格差の問題意識が高いため、視察した幾つかの学校はキャリア獲得のためのPBLという意識も根底にはある。日本人は先のラグビー日本代表のようにワンチーム=集団力で闘う民族だが、アメリカはそのような「集団に根差す」「集団の力を高める」という発想から物事は考えないので、PBLで重視するのもアイデンティティの確立が基本にある。

この意識構造は日本と全く違う前提であり、故にアメリカのPBLをそのまま日本に持ってきても借り物にしかならず使い物にならない。略奪闘争を繰り返し集団が解体されてしまった西欧諸国と違い、共同体が残存し本源性を色濃く残す日本だからこそ、アメリカでは実現し難い、「集団に立脚した力の開放」が日本の勝ち筋であり、日本人だからこそ求められる思考だろう。自分のスキル、自分の評価、自分のキャリア、そういった自分観念を捨てて集団を自分達のものとすることで生まれる力の開放だ。
 
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7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
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