新資源・新エネルギーの開発は?
350632 水力発電が日本を救う
 
匿名希望 19/10/29 PM10 【印刷用へ
『水力発電が日本を救う 今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる』著者:竹村公太郎 出版:東洋経済新報社 発行:2016/8/19

■要約 リンク 
 再生可能エネルギーのなかでも、太陽光や風力、地熱発電に比べ、それほど目立たない存在の水力発電。だが、使い方によっては莫大な電力を産み出すことができる。本書では、純国産電力が、毎年 2兆円から 3兆円分も増加可能なことを解説、さらにこの豊かな電力が半永久的に継続でき、日本のエネルギー事情を一変させる可能性を明らかにする。

 もちろん、今の日本に巨大なダムをさらに造ることはできない。だが、「ダムが増やせなくても、水力発電は増やせる」のだ。それは、ダムには独特の利用法や構造があり、メンテナンスをすれば数百年もの間安く使用可能で、日本独自の自然環境は水力発電に最適だからである。

 本書においては、具体的に、どのように水力発電を活用することにより発電量を増やせるかを明らかし、日本のエネルギー政策に新たな提案が行われている。さらに、ダムはエネルギー政策に留まらず、地域振興策としての水資源の活用が期待でき、数百年にも及ぶ「持続可能」な水力発電モデル案が提示されている。

■竹村公太郎『水力発電が日本を救う』を読み解く
メルマガ『国際インテリジェンス機密ファイル』リンク 

・未来の日本のエネルギーを支えていくのは水力発電、そう考えている。
・私は、国土交通省の河川局で主にダムを造ってきた。3つの巨大ダム建設に従事し、人生の大半をダムづくりに費やしてきた。
・現在は、もう巨大ダムを建設する時代ではない。寂しいが、どんどんとダム建設の経験者は少なくなっている。
・同様に、水力発電設備のエンジニアたちもいなくなりつつある。電力会社には、発電所を建設する土木技術者がもちろんいる。けれど、今の中心は、火力や原子力の発電所であり、水力発電の土木を知っている技術者はいなくなりつつある。
・水力発電所の建設には、川の地形に合わせる発想力が必要だ。過去の実例には頼れない場合が多く、自分たちの力で、何もないところから新しく造っていくことを求められる。
・過去の技術者たちには、そうした構想力のある先輩がいた。今の時代、そうした方々はいなくなりつつある。
・今この時期に、そうしたダムを含めた水力発電の経験やノウハウを、未来に繋いで残しておかなければならないと考えている。

・水力のプロの私は、純国産エネルギーである水力発電の価値を知っている。日本のダムは半永久的に使える。たとえ100年経っても、ダムは水を貯めている。ダム湖の水を電気に転換できる。
・しかも、ちょっと手を加えるだけで、現在の水力の何倍もの潜在力を簡単に引き出せる。
・山、雨、ダムという3つが揃っている日本は、膨大なエネルギー資源、それも無限でただの太陽エネルギーを持っていることを知ってもらいたい。

・日本のダムは「油田」である。
・ダム屋のわたしの眼からは、ダムに貯められた雨水は石油に等しい。ダム湖は国産の油田のように見える。
・高い山、大量の雨、そして川をせき止めるダム。この3つが揃った時だけ、水は石油になる。
・雨のエネルギーは、太陽から与えられる。
・100年後、200年後にこそ貴重になるダム遺産。
・少なくとも200兆円分の富が増える。

・自分の専門である河川土木の見方で物事を考える癖があり、これまでも歴史や社会問題などを、地形の面から見直してみて、思わぬ発見をしたことがある。
・奈良時代後半、京都に都が移されたのは、奈良周辺の山々は禿山になってしまっていて、もう木材エネルギーを手に入れることができなくなっていたから、と結論できる。

・徳川家康が江戸に幕府を開いた理由は、豊富なエネルギーだった。
・1600年の関ヶ原の戦いで勝った家康は、征夷大将軍になった後、その辺鄙な江戸に自分の幕府を開いたのだが、これは不思議な話だ。
・反徳川勢力に備えるのなら、箱根を越えた遠い関東に本拠を置くよりも、京都か、名古屋、岐阜などのほうが、はるかに理にかなっていた。
・実はこの当時、関西にはもう木材がなかった。これが家康の決断を理解する重要なカギになる。
・1590年、家康は秀吉に追いやられるようにして関東の領地を得た。そこで彼が見たのは、利根川や渡良瀬川、荒川などの領域に広がる、手つかずの広大な森林だった。
・莫大な木材は家康の心を動かした。今日でいえば、軍事国家の独裁者が大油田を発見したようなものだ。
・エネルギー資源が戦略物資であることは、戦国の昔も今と変わらない。
・家康という戦国武将が、エネルギー獲得に有利な江戸に魅力を感じたのは、当然だった。

・今から3000年前、黄河流域には古代文明が栄えていた。その頃には、この大河の流域の80%が森林地帯だったと言われる。
・秦の始皇帝は万里の長城を築いたのだが、あの長城は、膨大な数の煉瓦でできている。煉瓦を焼くために、黄河流域の森林が大量に伐採された。
・木材も石油も再生可能エネルギーも太陽から来る。
・エネルギーの量が人口を決める。
・江戸時代の中心地は江戸だった。江戸時代後半の江戸の人口は、100万人を超えていて、世界最大の都市となっていた。

・近代から高度成長期にかけて、電力会社が山奥の渓谷に巨大ダムを築いて、大出力の水力発電所を運営してきた。
・「利益はすべて水源地域のために」という原則が大事である。
・国産エネルギーの開発が急務となっていて、小水力発電もその一翼を担っていく。
・水という原材料は、一切輸入することはない。
・すべて、日本国産の原料と技術による、持続可能なエネルギーが手に入るのだ。
・近代からポスト近代に移行するこの端境期の今、安全で、快適で、資金力がある都市は、小水力発電事業で水資源地域に手を差し伸べるべきであろう。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_350632
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
353078 小水力発電こそ、日本列島の自然と調和したエネルギー 森羅万象 20/01/23 PM08
水は恐ろしいものであると同時に恵みを与えてくれる存在 〜水力発電の可能性 「地球と気象・地震を考える」 20/01/05 PM01

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp