新資源・新エネルギーの開発は?
346641 深海は真水?!
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 19/06/09 PM10 【印刷用へ
深海は真水だという説。このサイトの内容とは異なるが、数十メートルの深さでも、塩分濃度が異なる層があり、映像で見ても屈折率の違いから、海底にゆらゆらした膜があるように見えていた。調査する価値があるかもしれない。
/////////////////////////////////////

水資源問題は存在しない

リンク
「知り合いのお婆さんの深井戸から出る水が、海のそばにも拘わらず真水なんです。どうやら海底よりさらに深い、地上から300m位の海底下の地層を流れる地下水脈があって、そこを通ってきた水だから云々・・・」

この説明を否定はできませんが、これを聞いた時に次のような話があることも知ってもらうべきかなと思い、添え足しました。

「100mより深い海中はほぼ淡水なんですよ」と。

スーパーなどに行けば、今でも海洋深層水としてペット入りの水が売られているかと思います。そこに書かれている説明を読んでも、わざわざ塩分をろ過していると書いてるものは少ない様です。高知県のホームページを見ると「脱塩処理している」と説明があり、処理にはRO膜(逆浸透膜)を利用しているとあります。

 ■自然界に水は単分子状態で存在しない

ちょっと物性物理をかじった方、水の健康法に凝った方なら「水クラスター」という用語を聞いたことがあるかと思います。自然界では水分子が単分子で水になっていることはまずありません。10個以上の水分子が集まって「クラスター」という状態を作っています。なので、家庭に届いている水も、単分子の水ではなくクラスター状態の水なんです。

さて、塩分となる塩化ナトリウム(NaCl)の分子量は
  58.44 g/mol
ですが、それに対して水の単分子の分子量は
  18.02 g/mol
単純計算すると、
  58.44/18.02 = 3.24
ですから、NaClは水分子4個分以上のクラスターより比重が軽いということになります。

実際には、NaCl自体も水の中ではイオン化してイオン結合など重合化するので、塩分が水分より重いという状態は変わりません。ところが、海水深度が深くなり、水圧が高くなると水クラスターの重合度合いが高くなり、100m位の深度(おおよそ11気圧)で、常に水クラスターの分子量が塩分のそれを上回るようになると考えられます(*)。

*これは経験や情報等に基く推論です。実際には加圧実験機等で証明する必要があるでしょう。

そうすると、比重の関係により、塩分はその深度より下に沈降しなくなります。よって、100mより深い深海は淡水の領域となるのです。

海洋の平均深度は3800mと言われてますから、この数字を信じれば、全海水における塩水の割合は0.3%程度、つまり

 海水のほとんどが真水

ということになります。もっとも、平均3800mは過大な見積もりだと思うのですが、それでも、海水の大半が真水であるという事実は変わらないはずです。

■室戸岬海洋深層水がどうして塩辛いのか?

以上の説明は、高知県室戸岬から取水されている、塩分を含む海洋深層水の説明と矛盾しているように感じられるかもしれません。しかし、以下の説明を読むとその理由が明らかになります。

つまり、室戸の深層水は深層から表層へと海流が湧き昇る「湧昇流」が発生する「湧昇域」から取水されているため、上下層の間で攪拌が起こり、表層下部の最も塩分が濃い海水が交じり合っているのだと考えられます。つまり、室戸の深層水は厳密には深層水とは言えないものなのです。

なお、同関連ページには次の様に書かれていますが、

「逆浸透膜(RO膜)で作られた水は塩分やその他のミネラル成分が少なくなり、真水に近い成分となります。そのままでも飲むことはできますが、ペットボトルの海洋深層水飲料は各社でミネラル成分の調整をして販売しています。」

■よって水資源問題は存在しない

日本国内では当たり前のように海洋深層水が売られているのに、何故か、国際政治の評論家たちの間では、近い未来にアジアで深刻な水の争奪戦が行われるような論調が主流になっています。

中国や韓国の資産家が日本の水源地を買い漁っている、欧米企業が日本の水道事業を乗っ取ろうとしているとか、扇情的な論調も幾つかみられます。しかし、海洋深層水の真実を知っていれば、

 そんな投資は全くの無駄骨

であることにすぐに気付くはずです。そして、中東諸国に莫大な資金を投下して建設されている

 淡水化プラントも全く無意味

であることが分かるはずはずです。もちろん日本企業が得意としているRO膜の技術はこれからも必要でしょうが、自然に存在する物理現象が塩分を選り分けてくれるのですから、コストをかけて海水をわざわざ淡水化する必要など全くないのです。

私がこれはひどいなぁ、と思うのは、例えば、米国のオハイオ級原子力潜水艦などは150人の乗員を乗せ、90日間潜航するのですが、船内では水は使い放題とのこと(元海上自衛官談)です。一人が一日10リットル使った場合でも、一日1.5tの真水が消費され、90日の潜航では、135tの水が消費されることになります。これって、同型潜水艦の容積の8倍強です。

まあ、原子力でろ過機を回し続け、排水を浄化し続けているという理屈でしょうが、本当でしょうか?海洋深層水が真水であることをご存知だからこそ、これだけの乗員の長期潜航生活が維持できるのではないでしょうか?

きちんとした検証は必要ですが、もしも海洋深層水の秘密を黙り続け、各国の水資源争奪戦争を煽り、あまつさえ、その戦争に海洋深層水の恩恵を受けている(と思われる)潜水艦を投入しようというなら、

 水戦争はとんだ茶番

だと言わざるを得ません。
 
  List
  この記事は 310205 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_346641
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
346763 深海魚は、空気の少ない深海でどのように酸素を得ているのか?(発想の逆転!) 日出・真田十勇士 19/06/14 AM02
346762 淡水魚と海水魚が共存できる好適環境水 本田真吾 19/06/14 AM01

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp