生命原理・自然の摂理
342498 植物の知性
 
匿名希望 19/01/15 AM00 【印刷用へ
■植物の知性とは?
進化を通じて、植物は個々の器官に機能を集 中させずに、体全体に機能を分散させたモジュール構造の体を作り上げてきました。これは、体の各部分を失っても、個体の生存が危険にさらされることがないための根本的な選択です。植物は、 肺も、肝臓も、胃も、膵臓も、腎臓も持ちませんが。それでも、それらの各器官が動物において果たしている機能すべてを、植物もきちんと果たすことができます。

植物は、信号を伝える3つのシステム(電気、化学物質、水)を持ち、一つの植物内部で互いに補いあって機能しています。これらのシステムが協力しあうことにより、短い距離であれ長い距離であれ、多様なタイプの情報が伝えられ、それによって植物の健康バランスが保たれ、生命がが支えられます。

植物は、知的機能を管理する特別な器官をもっていないので、群れを作るほかの多くの生物によく見られる、「分散知能」という形式を発達させています。分散知能のもとでは、生物の各個体が集まって群れを作るとき、個体そのものには存在しない性質が全体として現れる現象です(「創発」という)。

これは、アリやハチ、シロアリといった社会性昆虫のにも見られるという現象で、個々の行動の相互作用は単純で,例えば,アリの場合,別のアリが残したにおいを追うだけだ。しかし,集団として見ると,餌(えさ)場までの無数の経路のうち,最短のものを選ぶといった難しい問題に答えを出している。社会性昆虫に共通のこうした性質は「群知能」と呼ばれるものの一種です。

こうした創発行動に関しては、植物と動物はよく似ていますが、大きなちがいもありす。動物の 場合は、人間、哺乳類、昆虫、鳥などの個体が多数集まることで群れが形成されます。けれども 植物の場合、創発行動は、植物の一個体だけでも(つまり一個体の根のあいだで)起こりうる。ようするに、植物の個体一つひとつが、一つの群れ(コロニー)そのものなのです。

■「ニューロン(脳)中心主義」からの脱却
地球上に植物が出現したのは5億〜10億年前だとされているので、それより前に人と植物の共通祖先がいたことになります。現在の植物も人も、それぞれ10億年かけて進化してきている。そう考えれば、定住の生活を選んだ植物は、人とは 異なる豊かな感覚や知覚があることは不思議でも何でもありません。

このように、植物が知性を持っていることは疑いの余地はないにも関わらず、植物の知性を否定するのは、根拠のない「ニューロン(脳)中心主義」にほかならないと思います。植物は、人のような脳は持っていないものの、周囲の環境からの刺激に対して、適切に対応することができます。植物は自分の廻りに何があるのか?何がおきているのかを知っているのです。

確かに「脳」というシステムは複雑ですが、だからといって脳だけが特別だとは言え無いはずです。そもそも、人の脳が他の生物のそれに類 する仕組みよりすぐれているという前提は正しいのかも考える必要があります。人類は脳を発達させたおかげで他の生物を支配する力を得たかもしれませんが、その発達した脳のせいで、怒りや憎し・みといった負の感情にとらわれ、無益な争いをするなど、不幸になっている面もあることは事実です。

「脳」の有無といった植物と動物は違いからではなく、「知性」という共通点を比較することで、知性とは何か?、脳にできること/出来ないことは何か?といったことも見えて来るのかも知れません。
 
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