経済破局は来るのか?
342029 中国:習近平国家主席の「技術力」を増強させる→覇権を握る国策
 
蔵端敏博 18/12/29 PM03 【印刷用へ
アメリカと中国の経済戦争。この鍵を握るのは資金力でなく「技術力」。中国の習近平国家主席は「科学技術力をたゆまず増強させれば、中国経済はもっと発展できる」と繰り返し強調し実現することで国民の支持を得てきた。

中国の「技術力→経済力」への凄まじい国策を紹介したい。

リンクより
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○中国躍進の象徴、スパコン
中国・上海から高速鉄道で1時間余り、江蘇省無錫市にある「国立スーパーコンピューターセンター」。ここに、中国が世界に誇る「神威・太湖之光」がある。アメリカなどの専門家がまとめている計算能力の世界ランキングで、ことし6月までの4期2年、1位の座を保ってきたスーパーコンピューターだ。高度な計算を伴う研究に欠かせず、各国が開発競争にしのぎを削っているスーパーコンピューター。最新のランキングでは、中国は上位500台のうち200台余りを占め、2位のアメリカを大きく引き離している。(中国:206台、アメリカ:124台、日本:36台)

○右肩上がりの研究開発予算
「科学技術力をたゆまず増強させれば、中国経済はもっと発展できる」中国の習近平国家主席が繰り返し強調している言葉だ。いま、中国は国を挙げて科学技術力の強化に取り組んでいる。文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、2016年の中国の研究開発費は45兆円余りと、10年で3倍以上に増えている。その額は日本の倍を超え、1位のアメリカに迫る勢いだ。(日本:18.4兆円、アメリカ:51.1兆円)その成果は着実に形となって現れている。

○中国が誇る“量子通信の父”
世界をリードする研究分野も出てきている。その代表格が「量子通信」だ。
研究室を訪ねた私たちを和やかな笑顔で受け入れたのは、中国科学技術大学の潘建偉教授。量子通信の研究の世界的権威で、去年、イギリスの科学雑誌ネイチャーが選ぶ「今年の科学者10人」に選ばれ「量子通信の父」とも評されている。量子通信は、光子と呼ばれる光の粒子に情報を載せる新たな技術だ。盗聴が難しく安全性の高い次世代の通信技術として、軍事への応用も視野に世界で開発競争が続いている。潘教授の研究グループは、2016年、開発費100億円とも言われる人工衛星を打ち上げ、世界で初めて人工衛星と地上との間、およそ1200キロの距離で量子通信に成功して世界を驚かせた。こうした成果には国の支援が欠かせなかったと話す潘教授。数年以内に新たな人工衛星を打ち上げる計画だ。
潘教授:「この数十年、中国政府が基礎科学の研究を支援しているおかげで、研究者全体のレベルが上がってきました。量子通信は、10年後には実用化されるでしょう。われわれはこれからも世界のけん引役であり続けたい」

○世界の英知を集める「千人計画」
躍進を続ける中国の科学技術。その担い手の確保にも抜かりはない。それが「千人計画」だ。
「中国の研究環境はどんどん良くなっています。研究に使う機器はアメリカと同等か、私が使っていたものよりも最新のものがそろっています」こう話すのは、上海科技大学で免疫とガンの研究に取り組む王こう鵬さん。もともとアメリカの大学で研究を行っていたが、「千人計画」に応募し、2015年に中国に戻ってきた。「千人計画」は、海外の研究者を破格の待遇で呼び寄せる中国政府のプログラムだ。一定の移住資金が支給され、高い給与も約束されるほか、条件によってはそれまでの研究機関との兼任も可能となっている。当初は海外で実績を挙げた中国人や中国出身の研究者が対象だったが、いまでは外国人も対象となり、この10年間に7000人以上の研究者を集めたと言われている。

○“中国に抜かされている”トップランナーの嘆き
「ここ数年、『先に論文を出された』と思って調べると、たいていは中国人なんです。ネイチャーやサイエンスなどの科学誌に論文を出しても、必ずっていうほど中国人に負けるんですね」こう話すのは、東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授。タンパク質の構造を調べる構造生物学の世界的権威だ。濡木教授は、近年、中国の急成長を肌で感じている。その背景にあるのが豊富な資金力だという。たとえば、「クライオ電子顕微鏡」という最新鋭の装置。定価は1台10億円で、東京大学でも配備されたばかり。国内でも5台しかないが、中国ではすでに数十台も稼働しているのだ。「研究者の数と研究費、それはすなわち設備になるわけですが、それらが大量に投入されると、どうしても負けてしまうという状況ですね。もうわれわれも抜かされていますね」
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