試験・身分制度の根深い害
340168 「地方出身の東大生」の勉強法1
 
匿名希望 18/10/21 PM07 【印刷用へ
「東大はやっぱり、都会の名門校出身者が多いなー!」

これが、東京の東大生輩出ゼロの高校から2浪して東大に合格した僕が、東大に入っていちばん初めに感じたことでした。

会う人会う人、みんな名だたる名門校出身者ばかり。自己紹介で口を開けば「開成」「麻布」「筑駒」「桜蔭」「灘」……とにかくみんな名門校。

東大では、自己紹介で高校名を言うと周りが「名門!」と叫ぶ伝統があります。それも、どんな高校出身者であっても、です。

聞いたことのない高校だろうと、「聞いたことはなくても、東大に入ってるんだから名門校に違いない!」ということでしょうか。どこの高校でも必ず「名門!」と叫ぶのです。東大の入学式で応援団長が自己紹介をしたときに、周囲が「名門!」と叫んでいるのを見たときは、さすがに驚きました。

実際、あるデータによると、東大は東京出身者が約4割、関東圏出身の学生が6割を超えているそうです。関西出身の東大生を加えれば、7〜8割の東大生は都会出身ということになります。つまりは、「東大に行きやすい環境から来た東大生」が、東大生の大半を占めているというわけです。

しかしそんな中でも、周りに塾も何もない、東大どころか大学に行く人すら少ない地方の高校から東大に来た東大生もいます。離島から東大に入学した東大生、青森県の3000人に満たない村の生まれの東大生……こうした「地方の怪物」と言えるような学生も、少数ながらいるのです。

■特徴1:本をとことん読み込む
地方出身の東大生の特徴の1つは、「本を読む」ということです。

「はあ? そんなの当たり前なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、違うんです。彼ら彼女らの読書は、読み方が全然違うのです。

1冊の本を何度も読み返す勉強
たとえば、彼ら彼女らの使っていた教科書を見ると、多くの場合、めちゃくちゃボロボロです。

それもそのはずで、彼ら彼女らは1冊の教科書を何度も何度も読み返す勉強をしているのです。『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』という本もありますが、何度も何度も読むことで知識を吸収するという勉強法を実践する東大生は、意外と多いです。東大生100人にアンケートを取ったところ、実に63人の学生が「どんどん多くの本を読むというより、一冊を何度も読み返すタイプだ」と答えています。

そして特に、「この参考書がいい!」とか「この本を読むと偏差値が上がる!」とか、そういう情報が入って来にくい環境にいる学生ほど、この勉強法を実践しています。

ここで大切なのは、読み返すたびに目的を変えていることです。

たとえば、1回目はざっと流し読みして、ぼんやりと流れを知る。その後、2、3回目に読むときには、読み流して知ったことを下地にして詳しく読み込んでみる。そして、細かく理解できたら、今度は全体像を把握してみる。「全体と一部」を意識して、細かく読み込んだ箇所が全体の中ではどういう役割を果たす部分だったのかを理解しながら読むのです。

「読む準備」→「ミクロ(細かく)」→「マクロ(全体像)」というふうに、同じ本を読むのでも読む目的を変えながら読解していくわけです。「読む準備」をしているから「細かく読もう!」と思っても挫折しないし、「細かい内容」がわかっているから「全体像」も見えやすい。一度読むだけでは得られない知識や物の見方を吸収しているのです。

「たくさん読む」のではなく、「深めて読む」
そして、「その1冊の理解を高めるために」他の本を同時に読みます。たとえば教科書なら、読んでいてわからないことを調べるのに最適な参考書や、あえて教科書の見方とは違う参考書を読んでみるのです。

世界史なら、教科書は時代順で書かれていますが、参考書によっては地域別で書かれているものもあります。英語なら、網羅的な英単語帳もあれば、語源や類義語がたくさん載っていて覚えやすくなっているものもあります。

「たくさんの本を読む」のが目的ではなく、あくまでも目的は「教科書や学校で配布された1冊」の理解度を高めること。こうやって同時並行で違う本を読み、「なるほど、教科書に書かれていることの意味は、こういうことだったんだ」「こういう見方で教科書を読み直すと、見えてくるものが違うな」と、深く読解するために利用するのです。

実は東大入試やセンター試験は、「教科書以上の知識は問わない」「教科書をしっかり読み込んだら解ける問題以外は出題しない」ということを公言しています。

しかし、「この参考書はオススメだ」「合格者の○割はこんな本を読んでいるらしい」という情報が過多な都会だと、どうしても「たくさんの参考書をやらなきゃ!」と考えてしまいがちです。みなさんも、「あれも読まなきゃ!」「これもやらなきゃ!」とあっぷあっぷになってしまった経験、あるのではないでしょうか(ちなみに僕は完全にこのパターンでした)。

それよりもきちんと、「1冊の読解を深める」という目的を持って何度も読み、他の本を読む場合でも、あくまで「メインの本の読解を深める」と決めておくというのは、受験に限らず有効なテクニックなのではないでしょうか。

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