心の本体=共認機能の形成過程
337818 AI時代の変化に対応するにはどうする?
 
多田奨 ( 40代 東京 ) 18/08/05 PM11 【印刷用へ
2年ほど前、人工知能について投稿した。313877
「自然言語処理」というAI技術の中で、容易に突破することが出来ない大きな壁がある、という内容。それは人間の「会話」にあたる部分。人間が、会話の際に知らぬ間に駆使している「同化」「共認機能」がコンピュータプログラムには模倣できない、という内容だった。

で、最近はどうだろう?

アップルコンピュータの製品に搭載されている「Siri」は、広く利用されている。やってみると、大したものだと思う。その一方で、限界も感じる。

そんなわけで、あらためて、同じようなことを調べてみた。結果、大きくは進化していないようだ。コンピュータに物事を認識させるアプローチを見てもリンク 、やや無理があるように思う。


■AIに関する考え方
AIと言えば、いまだに「人間の仕事を奪う」という言説が真っ先にあがる。が、そういう人は考えてみればよい。歴史的にみて、偉大な発明の裏には産業構造等の変化が必ずあった。発明によって享受した“甘い”部分だけが強調されるが、その裏側には行き場を追われた何かが必ず存在する。そもそも、進化の道理はそういうものだ。

何が言いたいのかというと「冷静になろう」ということ。
「仕事が奪われる」みたいな脅し文句は、根拠不明の扇動だ。冷静になって「変化するとしたら、何が変わって何が変わらないか」を考える。無闇な感情を抜きにして、事実を探ることが肝要だと思う。


共認機能
そんなふうに考えてみて「やっぱり無理じゃないか」と思うのが、コンピュータによる共認機能の再現だ。

人間の共認機能は、進化の過程で大変稀なことが重なって生じた。そのため、サル系の生物にしか存在しない。この先、仮に、生物を模倣したコンピュータシステムが出来たとして、サル〜人類の進化過程をそのままなぞって、共認機能の獲得に至ることは困難だろう(現在、サルを研究する学者も共認機能の存在を明確に認識していない)。


■AIに置き換わらない能力
ある書物に「AI時代に求められる3つのスキル」が書かれていた。
 ・創造的な思考
 ・ソーシャルインテリジェンス
 ・非定型
だという。

創造的な仕事は、芸術に代表される。抽象的な概念を整理・創出すること。
ソーシャルインテリジェンスは、交渉や説得を代表とする高度なコミュニケーション力。
非定型は、マニュアル等がないなかで、何が適切かを判断する力。

いずれも、本能と共認機能をベースにした「潜在思念」の豊かさが求められる能力といえるだろう。


■人間らしさへの回帰
AI時代の変化に対応して、生き抜く能力は何か。こうしてみると、単純なように思う。平たくいうと「人間らしさ」だ。
人間がもつ本来の能力を、十全に機能させれば良い。いってみれば、それだけ。

しかし、今現在の社会環境を鑑みると、それが容易いことではないのは事実。
近代観念をはじめ、本能・共認機能に蓋をする事象には事欠かないし、子供達のまっすぐな成長を阻害する制度もある。そんなことを数百年も続けた結果、我々の追求力は元の半分かそれ以下になっている、とも聞いた。

本質的な課題は「この先、AIによる変化をどうする?」ではない。「人間の本来的な能力を取り戻すにはどうする?」に答えて、実践していくことだ。
 
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2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
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7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
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