健康と食と医
337387 38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか
 
匿名希望 18/07/20 PM11 【印刷用へ
「気温38℃の日は暑いのに、38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか?」
中学生が仮説・検証を繰り返し、以下の結論に行き着く。
「皮膚温と外部の温度の差で暑さ・寒さを感じる」
着眼点と結論に至るまでの試行錯誤が面白い。

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■風呂と気温の違いは?
風呂と気温と違っていることをみんなで数え上げてみました。
@風呂の場合は38℃のお湯に体は入っているが頭は出ている。気温の場合は頭も含めて身体全体が38℃の中に入っている。
A風呂には服を脱いで入るけれども、気温の場合は着ている。
B水の熱伝導率は、空気と比べて25倍くらい大きい。
C風呂は入っている時間が3分から10分くらい(風呂班6人の場合)ですが、気温は、何時間もその温度に入っている。

■本やコンピューターで調べた
 刈谷市の中央図書館へ行っても、関連する本はありませんでした。次に、学校のコンピューター室でインターネットで調べた結果、36℃のときの同じような疑問についてのページが見つかりました。
 また、わたしたちのテーマについて、養護教諭の先生が30℃の場合について書いてある本を見せてくださいました。水の比熱と熱伝導度は空気よりも大きいことが、その原因だと書かれていました。

■38℃のときは
 しかし、熱伝導度で説明すると、体温が36〜37℃とすれば、38℃のお湯からは、空気の38℃より多くの熱が体に伝わってくることになり、38℃の気温より、38℃の風呂の方が熱く感じられることになります。
 わたしたちの班のメンバーは、追究をこのテーマにしてから、何度も38℃の風呂に入っているのですが、みんな38℃の風呂は熱く感じないと言います。
 その中で、38℃の場合について『こねっとチューター』にわたしたちのテーマとまったく同じことについて書いてあるページを見つけました。「しめた」と思うと同時に、「なんだ。もうやった人がいたのか」という落胆の気持ちも起きてきました。
 そこでの答えは「風呂では、頭が38℃のお湯から出ているが、気温の場合は、全身が38℃の中に入っている」という考えでした。このことは、わたしたちも一つの理由として考えました。「熱い」を感じるのは全身の皮膚にあるのだが、「暑い」を感じるのは、首より上にあるという考えです。だから、頭まで全身38℃のお湯の中に入ってしまえば、きっと熱く感じるだろうと思っていたのです。
 早速、確かめてみました。ダイビングに使うシュノーケルを使って全身を38℃のお湯の中に入れてみました。

■服を着たときと、着てないとき
 次に、風呂と気温の違いの一つ「服を着ている、服を着ていない」について調べてみました。
 6人の班員が自分の家の風呂のお湯を38℃に設定して入り、次の日、その結果を学校で話し合ってみました。
「服を着ても着なくても感じる温度については変わらない」「38℃の風呂は熱くない」という結論でした。

■熱の伝導率の違い
 次に、「空気と比べて、熱の伝導率は水の方が25倍くらい大きい」ということについて調べてみました。
 水の温度が38℃のとき、体温より高いわけで、熱は水から体のほうへ移ります。熱く感じて良いわけですが、38℃の風呂に入ったわたしたちは全員熱くないと感じています。この研究の最初に感じた疑問のままです。

■時間の違い
 次に「風呂は入っている時間が3分から10分くらい(風呂班6人分の場合)ですが、気温は何時間もその温度の中に入っている」について調べてみました。
  その結果、確かに38℃の風呂に15分くらい入っていると頭がぼーっとして、いわゆるのぼせた状態になって、長く入っていることはできませんでしたが、風呂の湯を熱く感じることはありませんでした。

■新しい仮説に挑戦
 わたしたちは、岩瀬先生に教えていただいた中の「暑さを感じるのは深部温と皮膚温の違いではないか」に注目し、次のような仮説を立てました。
「熱さ(暑さ)を感じるのは、深部温と皮膚温の温度差が大きいときである」
 深部温があまり変化しないという点を考えると、仮説が正しいのなら、同じ38℃でも空気中の方の皮膚温が、お湯に入ったときの皮膚温より低くなるはずです。38℃の風呂に入ったときの皮膚温・体温(舌下)・深部温(耳の中)の測定をしました。皮膚温はハンディー型放射温度計で、体温は保健室の体温計で深部温はオムロン耳式体温計“けんおんくん”で測定しました。なお、皮膚温の測定にあたっては、前腕部にマジックインキで印を付け、いつも同じ箇所で測るようにしました。

 0.1℃目盛りの水銀温度計を使い、風呂に入る人とは別の人が、追いだき機能を使って常に38℃をキープするようにしました。だいたい0.2℃くらいの範囲で正確にお湯の温度を保てました。
 下のグラフは38℃の風呂に入ったときの変化の平均を表したものです。

 深部温はほとんど変化せず、皮膚温は入ってすぐに38℃に近くなっています。これは、風呂に入った瞬間は、深部温と皮膚温との差が大きいために温かく感じますが、やがて皮膚温が上がると深部温との差が小さくなるのでぬるく感じてくると言えます。次に気温38℃の部屋に入ったときのそれぞれの変化を調べることにしました。
 学校のカウンセリングルームを貸していただき、エアコンと石油ストーブを二つ入れて、38℃にしました。部屋の中の温度の偏りをなくすために大きな扇風機を回しました。

■おわりに
 体温と一言で言っていたものも、皮膚で知る感覚的な温度と、脳内を流れる血液の温度である深部温とがあることや、また、暑いと汗をかき皮膚温を下げて体の内部で発生する熱を放出し、寒いときは皮膚温が下がるとともに表面の血管が収縮し放熱を抑え、体温をうまく調節する仕組みなど、わたしたちは、人間のからだの複雑さに触れることができたという気がしました。わたしたちは、普段何気なく生活していますが、そのためには自然にうまく適応する仕組みが備わっている。自然の仕組みのうまさというか、巧みさに触れた想いがしました。
 
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