地震・噴火・気象
336677 大阪地震を経て4日目〜意識はどう動いたか
 
田野健 HP ( 57 兵庫 設計業 ) 18/06/23 AM00 【印刷用へ
月曜日の朝8時少し前、大阪が揺れた。震度6弱。
私は地下鉄新大阪駅で電車を降りてすぐ。体感的にはわずか10秒〜20秒くらいだったが、地下鉄のホームの柱が左右に1mくらい動き、ホームの床が上下に盛り上がったのが見えた。感覚的には上下左右が同時に動いて立っている事もできない状態だったが、誰も転倒せずにその後は普通に歩いていた。何が起きたのか、地震と気がつくまで数秒の間があった。

このめったにない巨大地震。その時に人は何を考えるか。自分の思考を思い返しながら今だからできる記録として留めておきたい。

まず、地震の時に悲鳴があがるとよく聞くが、ホームでは誰も悲鳴を上げていなかった。地震を受けている時は全く怖さはない。怖さはそれが地震と認識でき、その後の行動を考える時に沸き起きてくる。揺られている時は危機本能が全開になり怖さより「どうする」に全神経が向うのだろう。

そして地震があった直後、私は新幹線の自動販売機の切符を買っていた。
自動販売機の前になぜか埃だまりが大量に落ちていた。天井の隙間の埃がそこら中に揺られて落ちたのだ。
電車に乗ろうとしていた。これだけ大きな地震が来れば止まるのは当然なのに何も考えずに行動していた。これも人の習慣だろうか。怖さを消したいという潜在意識が働いて敢えて予定通りの行動を取った。

新幹線が動かない、携帯電話で連絡を取る中でようやく今のは大地震だったんだという事が理解できた。そこで急に会社の仲間や家族の方に意識が向った。大丈夫だろうか?でも回りには怪我をしている人は居ない。
たぶん大丈夫だろう、そういう思いで色んな人に連絡を取っていく。
売店で水を購入した。今のが余震で大きな本震が来る、それに備える為だ。売店のおばちゃんが、水と食料を買っておいて下さいと大声を出していた。

新幹線は既にしばらく動かない。払い戻しを受けて歩いて会社まで向う。
そこでようやく膝ががくがくとしてきた。恐怖がこみ上げるまで20分も経過していた。会社に戻ってから、今日まで5日間。私は建築設計の仕事をしているが、各所の現場、今まで携わった建物に連絡を取り安否と被害状況をひたすら確認した。結局5日間、毎日深夜までほとんどの時間は地震の対応に忙殺された。しかし意外と疲れは少ない。気持ちが張っているからか。

会社で、現場で、仕事場でお客さんと、タクシーに乗っても全て最初に地震の話から入る。少しでも多くの情報を得ようとする。少しでも相手と恐怖を共有しようとする。共感機能、まさに大地震があった時に誰彼となく話をし、お互いの気持ちを摺り合わせる。それで少しでも安心する。
⇒まさにこの5日間はそういう繰り返しだった。

今週はまだ木曜日。今週は異常に長く時間を感じる。私だけかと思ったが、多くの人に聞くと同じ感覚らしい。つまり地震という究極の危機外圧が加わると人の感覚機能(時間も含めた)は麻痺するようだ。
今回の地震も予知的な事象は結構身近でもあった。
「前日の夕方変な雲がかかっていた。何か起きると感じた」
「ショッピングセンターのお店に3日ほど前から大量の虫が出ていた、土の中に居るダンゴ虫、小さなムカデ達」こういう話が身近な人たちから聞こえてきた。

地震関連の仕事のスケジュールは待ったなし、来れば対応、忙しくても関係ない。規模はまったく違うが、福島で寝食を忘れて対応していた原発の職員を思い出す。仁義信、そういう気負いの意識もなくとにかく頼まれれば普通に何とかしていく。仕事仲間にも通常業務の間にどんどん地震関係の仕事を挟み込んでもらう。日本人の本源性が私の中にも仲間達の中にも意外にもたくさん残っている。それを感じられたのはよかった。

まだ大阪は本震並みの余震の恐怖が続いている。余震のリスクがかなりなくなる1週間、それを目処にやっと意識は通常に戻るのだと思うが、記憶回路に確実にこの恐怖と同時に開かれた本源性は刻印された。
地震大国の日本がなぜ本源性が高いのか、共認回路が太いのか、意識は決して災害と無関係ではない。
 
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