社員の活力を引き上げるには?
335843 「全員同じ机」「スマホで打ち合わせ」─生産性高める組織運営とは?2
 
匿名希望 18/05/21 PM07 【印刷用へ
Q.創造性、生産性を上げるためにどんな体制を採っていますか?
Q.スタッフの採用、教育方針は?
Q.「自分の後継者」を考えていますか?
Q.これから力を入れたい領域は?

■個人の裁量に任せる自由さ
金田充弘氏(アラップシニアアソシエイト)

 現在アラップは38カ国で90のオフィスを構え、1万3000人のスタッフが160カ国でプロジェクトを展開している。構造や環境にはじまり、音響やライティング、プロジェクトマネジメントなどまで携わる職能の広がりに伴って人員が増えている。

 組織は中央集権的ではなく、どの地域でもローカライズしてきた。日本でも、私が入社したときの代表は英国人のジョン・バチェラだったが、その後は日本人が務めている。日建設計と同様に全従業員がホールディングカンパニーに所属し、勤続年数等に応じて「シェア」を持つ仕組みを採用している。日建設計と違って、会社と個人の間で売り買いできるものではなく、あくまでプロフィット・シェアのためのもの。外部株主を持たず、独立性を保てることを大切にしてきた。

 組織が大きくなった今も、創業者のオーブ・アラップが遺したキースピーチをもとにビジョンの共有を図っている。今回のテーマに関していうと、「クリエーティブであり、学び続けることに対する自由を確保する」という言葉がある。

事務所では何より、個人の裁量に任せるところが大きい。キャリアパスの面でも、1つの職能にとどまらず自分で領域を開拓していける自由度があることは大切と感じる。

 創造性の向上を考えるうえでは、いかに知見を共有するかも重要なテーマになる。20年ほど前、あるディレクターが「私が2本電話して解決しない問題はない。それで解決できない問題は、現在は答えがない」と豪語していた。問題の解決方法を知るキーパーソンが誰かを知っていること、そのネットワークを持っていることが重要ということだ。

 一方、現在は社内SNSに投稿すると世界中から様々な知見が集まってくる。方法は異なるが、いかに人のネットワークをつくるかがクリエイティビティーの向上に結び付く。

 今後、個人的にはモビリティーに取り組みたい。サステナビリティーを考えたときに、建築や建築群としての都市だけを考えていては問題の解決にならない。モノや人の動きと「動かない建築」を組み合わせたところに可能性の広がりを感じる。(談)

■所員の自走を促す事務所にする
藤原徹平氏(フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰)

私は今42歳で、4歳の子どもがいる。ライフワークバランスを大切にする世代といえる。

 2001年から隈研吾建築都市設計事務所に勤め、12年に横浜国立大学に着任したのを機に独立した。今春からスタッフが増えて10人前後の体制になっている。後継についてはまだ考えていない。

 建築設計を中心に据えつつ、まちづくり、アートの展覧会、子育て、教育研究、コンサルティングなどを幅広く手掛けている。事務所には設計室長と主任を置いてチームをつくるようにしているが、全員と私が直接フラットに仕事をできるようにしている。私自身はいろいろな場所で仕事をしているので、スマートフォンを駆使してどこにいても各スタッフと打ち合わせや状況判断、決断ができるようにしている。

 重視しているのは、所員が自走していく状態をいかにつくるか。例えば、打ち合わせで構造家と私がやり取りしたコンセプトをスタッフが自分で咀嚼(そしゃく)し、設計を進めていくよう期待している。勝手に設計を進めて私と議論できるようになれば、プロジェクトがさらに面白くなる。

 アートプロジェクトへの参加や外の建築家とのコラボレートの機会も多い。アートのような答えのないプロジェクトをやっていると、皆が創造的になり、事務所の風通しが良くなる。先日選ばれた京都市立芸術大学のコンペでは乾久美子さんを代表に設計事務所5社と組み、対話型の協働設計の在り方を模索している。

 スタッフはなるべく任せることで育てる方針で、展覧会などの小さいプロジェクトを任せるところから始める。大きな責任を負ったなかで創造的な判断ができないと、建築家という職能は担えない。そこで1年をかけて、その人が責任を負った状態で創造性を発揮できるか見極める。大きな責任を負うのが苦手な人には、その人に合ったキャリアデザインをアドバイスしている。

 今後したいことは大きく3つある。1つ目は、独立後ずっと関わっている宇部ビエンナーレをはじめとするアートによる都市づくり。2つ目は大学で研究している新型バス車両のデザイン。3つ目は、新しい働き方などを目指す企業のブランディングを空間化していく取り組みだ。(談)

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自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
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10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
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