政治:右傾化の潮流
335308 神社と政治の関係
 
村田頼哉 ( 46 高知 企画 ) 18/05/02 PM03 【印刷用へ
『神社本庁の「政治力」と「資金力」、不気味がるほどではなかった!(リンク』より引用します。

■□■引用開始■□■
昨年の正月。初詣で賑わう各地の神社で、“不穏”な動きが表面化した。

参拝客でごった返していた都内のある神社では、境内に「誇りある日本をめざして」「憲法は私たちのもの」と書かれたのぼりが掲げられ、近くに設置されたテントには、「国民の手でつくろう美しい日本の憲法」「ただいま、1000万人賛同者を募集しています。ご協力下さい」なる文言が書かれたポスターとA4の署名用紙、それを入れる箱が置かれていたのだ。

じつは、こうした神社はここだけではなかった。というのも、東京都の神社をまとめる「神社庁」が、各神社で憲法改正に賛同の署名活動を行うよう指示していたからだ。

なぜ神社庁が支持を出し、神社が署名活動を行ったのか。

実は、全国8万社の神社を管理・指導する神社界の“中枢”であり“総元締め”でもある「神社本庁」、そしてその地方機関である神社庁は、「神道政治連盟(神政連)」という政治団体と関係が深い。

神政連は、「神道精神を国政の基礎に」を合言葉に、神社界を母体として1969年に設立された政治団体。本部は神社本庁内にあり、役職員には神社本庁の評議員らが名を連ねていることから見ても、神社本庁や神社庁と神政連は“一心同体”の組織。そこで、以下では神政連の動きを通し、神社界と政治の“距離”について見ていこう。

■安倍政権の応援団でも集票力は皆無の神政連
神政連は、自民党、引いては安倍政権との関係の深さが、かねてから指摘されている。

神政連の活動を支持する議員連盟として「神道政治連盟国会議員懇話会」という組織があるが、2017年6月20日時点で、自民党を中心に衆議院議員228人、参議院議員81人の合計309人の国会議員が所属している。

しかも、第三次安倍政権の現閣僚20人の内、公明党出身の石井啓一国土交通大臣を除いた19人全員が懇談会のメンバー(下図参照)。その懇談会の会長は、安倍晋三首相が務めているからだ。

そんな安倍首相の悲願は憲法改正。思いを同じくする神政連も、日本最大の保守組織「日本会議」とともに政権を支える保守勢力として影響力を発揮するチャンス。そこで神政連が神社庁に働きかけ、署名活動という“行動”に出たというわけだ。

こうした動きを捉えて、「すわ、国家神道の復活か」などと危ぶむ声も一部で上がるが、そこまではいかなくても、神社界と安倍政権との距離の近さに、どこか不気味さを感じる方も少なくないだろう。

ところが、である。「今や神政連は、政治に対してたいした影響力があるわけではない」と神社本庁関係者は口を揃える。

事実、今回の署名活動も、日本会議から指示されるがままで、それに従っただけ。以前は神政連の方が勢力を誇っていたにもかかわらずだ。

01年の参議院選挙でもこんなことがあった。神政連は、自民党公認候補として比例区から出馬した有村治子氏を支援していたのだが、得票数が少なくて苦しみ、当選確実の報が明け方まで出なかった。最終的には当選したが、蓋を開けてみれば、神社は全国津々浦々にあるにもかかわらず、票が入っていない地域が少なからずあったというのである。

■パワーなくても政治家が頼るのは地域の祭りに出れらるから
戦後の混乱期以降、神政連は陰になり日向になって政治への働きかけを行い、「元号法制定」「剣璽御動座(けんじごどうざ・天皇が行幸する際に、剣と勾玉を携えて移動し、滞在先に奉安すること)の復活」「紀元節の復活」など、数々の“華華しい”成果を収めてきた。

それが今では、「見る影もない。昔は、政治に対する影響力も大きかったが、今や集票力は無きに等しく、影響力も日本会議とは比べものにならないほど小さくなった」と神社関係者は語る。

そればかりか、6月19日まで開かれていた国会では、天皇の退位をめぐる皇室典範に関する議論がなされるなど、神社界にとっては“一大事”だった。

にもかかわらず、今特集「瓦解する神社」第1回の記事(「神社本庁で不可解な不動産取引、刑事告訴も飛び出す大騒動勃発」)で報じたような不動産取引をめぐるドタバタで組織が混乱、なんら行動を起こすことができなかった。

こうした神政連の姿を見て、「神社側もついてこなくなった」と、この関係者は明かす。

「神社の神主たちも世代交代が進んでしまった。そのため、新憲法の制定や、皇室と日本の文化伝統を大切にする社会作り、靖国の英霊に対する国家儀礼の確立といった、神政連が掲げてきた目標に関心がなくなっており、積極的な活動もしなくなっている」(神社本庁関係者) 
 
しかし、このようにすっかり力を失いつつある神政連に対し、国会議員たちはなぜ懇談会のメンバーになってまで支持を仰ぐのか。

「議員たちは票がほしいというよりは、神社が主催する地元の“祭り”が狙い。地方では、いまだ多くの人が集まるため、祭りは有権者の前で演説できる絶好のチャンス。その機会を得るために懇談会のメンバーになっているだけで、神社本庁や神政連に対する忠誠心など何もない」と神社本庁関係者は明かすのだ。
 
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