次代の活力源は?
333571 ただ純粋に、向き合う
 
鈴木葵 ( 29 埼玉 会社員 ) 18/02/19 PM08 【印刷用へ
相手のためを想って、もっと喜んでくれたらいいなぁと思って、動いていく。仕事の本質はそこだし、人が生きていくのも、ただ純粋に、相手に向き合うことなんだな、と感じます。
そんな風に素敵に働いている方の言葉をご紹介します。

***以下リンクより一部引用***

何かものごとに出会うたび、今の自分が良いと思う選択をしていく。
理屈や言い訳よりも、そうやって、ひたすら目の前のことに向き合い続けて見えてくることにこそ、シンプルな答えがあるのかもしれない。
そう工房で働く人たちの話を聞いて、そんなふうに思いました。

そう工房は、主に障害をもつ人のための座位保持装置や車椅子といった福祉機器をオーダーメイドでつくり、販売しています。
座位保持装置とは、自分の力だけで座ることが難しい人のために、姿勢を保持することで、家族と一緒に食事したり学習したりするのをサポートする椅子。
もしかすると、福祉に携わるということをハードルに感じる人もいるかもしれません。けれど、ここで働く人たちも業界未経験からはじめた人ばかり。それでいて、長く勤めている人も多い。

代表の角田篤彦さんもその一人。どうして続けられたのか聞いてみると、こんなふうに話してくれた。
「自分たちがつくったものを使ってもらうということが好きなだけなんじゃないですかね。それで、子どもや親御さんがうれしそうにしてくれると『お、なんだかいいんじゃない?』って (笑)。そんなことを繰り返していたら、いつの間にか17年も経っちゃった」
(中略)
そう工房の仕事は、病院や福祉施設から依頼を受けて、実際に使う人に直接会うところからはじまる。
理学療法士・作業療法士といったセラピストや患者さんの家族と一緒に、使用する本人の身体の特徴や用途について話を聞き、どういう姿勢を保てるようにするか打ち合わせする。
その内容に沿って製作し、縫製まで行う。ある程度できあがった段階で仮合わせをして、必要があれば調整し、仕上げたものを納品するという流れ。
その人に合ったものをつくるためには、現場でいかに話を引き出せるかが重要になる。

「いろんなことを聞いていきます。身体の情報、使用目的や使用場所、素材によるアレルギー、意思表示方法。好きなことや嫌いなこと、痛いことも」
「そして何より困っている点です。たとえばどうしても姿勢が右に崩れてしまってご飯が食べられなかったり、むせてしまう人もいます。そういったことを、身体の専門家であるセラピストや親御さんと一緒に、時間をかけてインタビューします。それを踏まえて、どんな姿勢にしましょうかとみんなでイメージを共有していく。そうしないと良いものはできません」
(中略)
そう話す角田さんは、そう工房に入社するまでは、長く仕事を続けたことはなかったとか。

「僕じゃなくても他に得意な人がいるなら任せようと思って。でも、この仕事をして不思議だったのが、たとえ自分の思う通りにいかないことがあっても飽きなかったこと。それは、同じ仕事がなかったからですね」 

角田さんがそう工房に入社したのは17年前。現在は製作には携わっていないけれど、営業も製作の仕事も経験を積んできた。2015年に、先代から代表を引き継ぐことになった。
学生時代は工業デザインを学び、卒業後はデザイン事務所に入社。
「デザインしていたのは大量生産するプロダクト。使う人の顔が見えないのが面白くないなと思って、1年で辞めました」
その後、木工家具をつくりたいと思うようになり、職業訓練校に通うことに。
そこで出会った人たちとの縁がつながり、そう工房の先代・神谷さんに出会う。
「家具屋に勤めながら、ときどきアルバイトとしてそう工房の仕事を手伝いました。しばらくして家具屋を辞めたんですけど、子どもができて、仕事しないといけないな…と思って。それで入社するに至りました」
「この仕事をしたいと思っていたわけでもなくて。むしろはじめは障害を持つ人と関わっていく仕事って、良い仕事だとは思いつつ、僕にはちょっと重かった。ただ、苦ではなかったんです」

重度の障害を持っていて、喋ることができない人も少なくないという。どう接したらいいか、はじめはきっと戸惑うんじゃないか。
それでも苦ではなかったというのは、何が根本にあったのだろう。

「何ででしょうね。一つは、つくることが好きだったから。それから今思うと、仕事を転々としていたのも、直接顔が見える関係というものに興味があったからなのかもしれません」

顔が見える関係。

「ハンディキャップを持っているかどうかは関係なくて。一つひとつお客さんに合ったものを製作して、良いものをつくれば喜んでもらえるし、変なものをつくったら『やり直し!』って言われる。自分がやったことに対してダイレクトに反応をもらうということが、シンプルだし、僕にとっては楽しいんでしょうね」

最初は覚えることもたくさんあるし、やってみないとわからないことだらけだと思います。打ち合わせから製作まで一人で一貫してできるようになるには、5年はかかるという。
けれども、代表の角田さんはこんなふうに話していました。

「緊張はいくらやってもなくならないです。でも、良いものつくっちゃおうかなと思いながら仕事をする。それでね、患者さん本人にも親御さんにも喜んでもらえたら、いいぞ!と思えるんです」

そう語る表情は、楽しそうで、どこか誇らしげだったのが印象的でした。

人と向き合いものをつくる喜びを大切にする。ここには、そんな働き方があると思います。
 
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