世の中のお金のほとんどは造幣局によって作られているわけではない。銀行と呼ばれる民間の金融機関で、人々の借金を創り、その借金に利子を付けて返済する誓約を創ることを「信用創造」と称し、膨大なお金が創造されている。これは合法化で正当化しているが、もとをたどれば(預かった金を元手に勝手に他人に貸し付け利子をとる)立派な詐欺行為であり犯罪である。
しかしこのことを逆からみれば、お金の流通総額は、人々が借りられる限界の総借金額ということになる。それは無限ではなく限界があり、生産力が需要をうわまわり物的豊かさを実現した現在、個人も企業も国家も銀行から借金する必要は縮小した。
市場縮小の時代に突入した現在、信用創造が前提にしている市場拡大のために紙幣量を増やす必要はなくなった。
そして、借金がなくなればお金の存在価値も無くなり、それによって銀行=金貸しの存在も必要で無くなる。
リンク より引用
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(1)多くの人はマネーお金は政府、あるいは中央(日本)銀行がつくっているものだと思っていることだろう。しかしそれは大きな勘違いなのだ。マネーは民間銀行によってつくられ、市中にばらまかれている。マネーサプライを決定するのは政府や中央銀行ではなく民間銀行なのだ。
(2)ほとんどの国の政府が政府自身の手ですべての貨幣をつくるのではなく貨幣の創出(そして破壊)を民間銀行に行わせている。それは金融システ ムの大きな欠陥と言ってよい。
もちろん、銀行の信用創造が経済の発展に大きく寄与してきたことを理解しないわけではない。
銀行が企業に資金を提供してきたおかげで経済は 成長し社会は発展してきた。
しかし信用創造を与えるのが民間銀行でなくてはならないという理由がどこにあるのだろうか?
(3)むしろ現在では銀行にマネーの創出と破壊を委ねていることによる弊害が顕著になっている。
1930年の世界大恐慌も日本のバブル経済の派生 とその崩壊もアメリカのITバブルもそして今回のリーマン・ショックも銀行がマネーを創出権を握っていることが根本的な問題だ。
そして経済サイクル(バブルと不況)、多くの場合インフレとでデフレ大部分の公的債務、持続性不可能な成長を追い求めること、そして貧富の格差の拡大(富める債権者と貧しい債権者)の原因でもある。
さらに世界を駆け巡り一国の経済さえ破綻に導く巨大な投機マネーが跋扈するようになったのも銀行がマネーを握っていることが最大の原因である。
(4)この金融システムの欠陥は私たちの暮らしに重大な影響を与えている。
景気の動向によって勤める企業の業績が左右され、収入が増減するのはもちろんのこと、カジノ経済の甘い誘惑によって人生の歯車を狂わされた人は決して少なくない。また、近頃さかんに増税論議が沸上がっているが、これも国の借 金が危機的状況まで膨らんだからである。
極言すればもし私たちが十数パーセントもの消費税をはらわなければいけなくなるとしたらそれは金融システムの欠陥がも たらすものである。
(5)「信用創造」とは何か?
ある人が銀行に100万円を預金した。銀行は預かったお金を貸し出すわけだが、預金者が預金の引き出しをする時のためにある程度のお金はプールしておかねばならない。
その割合は決められているのが法定準備金というもので、この法定準備金が仮に10%だとすると(0.1%とも言われている)、10万円を取っておいて残り90万円を貸し出せる。
そこで銀行は90万円をA社に貸し出し、A社の口座に90万円を振り込む(ここで振り込むというのは、前述したようにコンピューターの端末を叩いて90万円と記入するだけだ。)
銀行は90万円の預金のうち10%の9万円を残し、81万円をB社に貸しだし、B社の口座に81万円を振り込 む。
さらに81万円の預金のうち90%にあたる72万9000円を貸し出しに回し・・・
ということを繰り返していくと、およそ1000万円の 通帳マネーを生み出すことができる計算になるのである。
(6)経済学の信用創造では、銀行が預金と貸出を連鎖的に繰り返すことによりマネーサプライが増加し経済の発展的循環につながると説明される。この仕組みにそうした効果があることを否定するつもりはないが、世界大恐慌のメカニズムでお話ししたように、マネーサプライを拡大させることができると同時に、縮小させて経済に大きなダメージを与える危険性もある事を教科書は教えていないしほとんどのエコノミストも指摘してない。
(7) さらに言うなら、信用創造と言えば聞こえはいいが、銀行に入ってきた現金は最初の100万円のみで、増えていった預金残高は銀行が通帳と帳簿に記載しただけだ。銀行は100万円の現金から1000万円を生み出したことになる。そして、無から生み出したお金に利子をつけて貸しているのである。
(8) 預金は近代の銀行券(現金)に等しい。しかし銀行券は実際に印刷して作り出し、消去するには焼却しなければならないが、預金は目に見え ることなく作ったり壊したりできる。もし80億ドルの紙幣が1929年から33年の間に焼却されたら、アメリカの人々はその事実を身過ごさないかっただろう。
だが、実際のマネーの消去は預金の帳簿上で、ひっそりと行われ、一般の人々が気付くことはなかった。
(9) 信用創造というシステム、または帳簿マネーというには、主に貸出しベースであり、最初は数か国だけで行われていたが、今では全世界(グローバル経済化)で行 われている。
その結果、通帳マネーの増減が好景気や不景気に及ぼす影響の大きさは過去にないほど大きくなり、世界的に悲惨なものになる可能性がある。このシステムを変えない限りそれは計り知れない脅威を私たちにもたらすことになるであろう。 |
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