収束不全:やりたいことが見つからない
33051 脱・統合不全
 
三宅秀和 ( 20代 大阪 設計 ) 02/06/08 AM01 【印刷用へ
グレゴリー・ベイトソンという学者がいました。生物学をルーツとしながらも、文化人類学、情報科学など、様々な学問領域に関わった人です。
彼が、精神分裂病の社会構造的発生原因について為した研究成果は、発表後30年余りを経たにもかかわらず、未だに色褪せるところが無いそうで、曰く、患者が幼少期に置かれた「ダブル・バインド状態」が、その原因となっているケースが多い、との事です。

「ダブル・バインド状態」とは、以下の三つの条件が揃った状態を指します。

1.ある命令が出される
2.別の論理階形において、その命令と正反対の、矛盾した命令が出される
3.その状況から逃げられない

「想像して見たまえ。自分が抱きしめられるのか、殴られるのか分からないまま、母親の手が真っ直ぐ自分に向かって伸びてくる状態を。君が幼児なら、どんな気分になるだろうか?」

このサイトの語彙では、「統合不全を強いられる状態」とでも言えるのかも知れません。幼少期に、このような状態に置かれつづけた場合、人は精神分裂病になる確率が高くなるそうです。臨床的には、患者に、矛盾した2つの命令が、別の論理階形に属す事を冷静に認識させ、統合不全から脱する事を促すそうです。


ひょっとしたら、現代人は多かれ少なかれ、ダブル・バインド状態に置かれている、と言えるのかもしれません。
下部意識・潜在思念では本源収束したいのに、上部意識・倒錯観念では私権的であることが良しとされ、その矛盾から逃れる術(認識)が無い。結果、分裂症的統合不全を招き、活力衰弱に陥っている。

このような状況を脱し、健康な活力あふれる状態に向かうためには、現代人が抱え込んでいる「潜在思念と倒錯観念の”ズレ”」を冷静に認識する必要があり、そのための概念群の発見は、もはや現代の知識人には期待できないのでしょう。なぜなら、彼ら自身が最も重症な分裂的統合不全状態なのだから。

日常生活の、そこかしこに見られる、潜在思念と倒錯観念の”ズレ”。これも、現実の一局面であるならば、現実を当事者として対象化することによって、そのズレを感じ取り、動き出そうとしている無名の人々こそが、ダブル・バインドを乗り越える可能性を持つのであり、「同類圧力」等、現実を対象化した認識群、つまりは、「実現論」を、即座に身体化できる素地を持っている、ということなのでしょう。

無名の人々と共に、統合不全社会を抜け出すための認識形成活動が、遊びで済まされるはずが無いと思います。
 
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