近代市場の拡大
330231 十字軍から大航海時代の各勢力 Aサボイとロンバルディア同盟
 
北村浩司 ( 壮年 滋賀 広報 ) 17/10/08 AM00 【印刷用へ
●サボイ、ロンバルディア同盟
<サボイ・ロンバルディア・スイス>
第2回十字軍のころ、イタリアとドイツを繋ぐ道路開発と中継地点として栄えた北イタリア都市に(ミラノ等)、ベネチア最大の金貸しサボイ家支援のもとベネチア出身のデルバンコ一族が金融業を広める。1166年には、それら北イタリア諸都市はロンバルディア同盟(神聖ローマ帝国に対する軍事同盟→後に経済同盟)を形成。反神聖ローマ(ハプスブルグ)の拠点となる。
(このロンバルディアの勢力が後にイギリスに渡り、ロンドンのロンバードを形成、金取引を牛耳ることとなる。)
 ※サボイ家は1003年に作られたサボイ公国(伊スイス国境)諸侯で、元はフェニキア→ベネチア出身とされる。また海洋系の騎士団(マルタ・ロドス騎士団等)はサボイ家の系列とされる。

既にサボイ家は、スイス開拓事業で財を成し、都市国家を築いていたが、1200年頃スイスにサボイ、ヘッセンetc、騎士団の一部、ベネチア出身の金融業の集結が始まる。商業、金融ネットワークを形成していたものたちの移住によって、金融業とともに、傭兵業・兵器産業が拡大していき、スイス=ロンバルデイアの関係が強化される。
ハプスブルグは度々スイスへの介入を試みるが、1291にはスイス3州(サボイ系)が独立を企てオーストリア軍(諸侯の一つ)を撃退。1315年にはハプスブルグの軍勢を再度撃破する。

1300代前半神聖ローマ帝国下でサボイ家が傭兵で更に勢力を拡大する。ベネチア・ロンバルディアの金融勢力も、反ハプスブルグの諸侯を支援した。
 ※後のハプスブルグの諜報を担うタクシス家の出自はイタリア(ベルガモ)で1100年頃に徴税官を行っていた(その後騎士団か?)。富をなしたのは、1489年にハプスブルグ家の郵便物配送を専属で請け負い、その後、貴族や聖職者、外交官、商人の通信も扱う特権を得、情報網も入手したため。
<宗教改革とサボイ>
サボイ→デルバンコの勢力は、バチカンの(ハプスブルグ配下の)フッガー家に対する借金返済の施策である免罪符の発行への対抗策として、反ローマ教会勢力(いわゆるプロテスタント)を扇動し教会不要論や天職理論、蓄財の正当性を説くことにより、教会へのお金の流れ(寄進)を銀行(預金)への流れに変えることを推し進める。(1549年スイス出身のカルビン)
同時にイエズス会の設立(1534年)を支援し、バチカンを内部から切り崩しに掛かる、その後大航海時代には、イエズス会は世界各国へ食指を延ばし、奴隷貿易により膨大な利益を得、その運用のためにバチカン銀行が造られる。各国の軍事施設の近くには、必ずと言っていいほど教会が設けられている。そこの懺悔部屋での諜報活動がイエズス会牧師の大きな役割となっていた(その後のタクシスの情報源?)。

●その他の勢力
○メディチ家 12世紀フィレンツェの薬屋として出発し13世紀には金融業に拡大。1397年には教皇に貸付、1410年には教会の財産管理者となる。ルネッサンス時には芸術家たちのパトロンになり全盛を迎えるが15世紀末から始まり50年に及ぶイタリア戦争(スペイン、フランス、神聖ローマのイタリア介入で力を衰弱させていく。
○フッガー家 南ドイツ出身でベネチア・内陸交易で支店を広げ財を築き、南ドイツ近隣にあるヨーロッパ最大の銀山の経営権を取得し、金融業に乗り出す。15C中旬にはバチカンの両替商となる。スペイン王に貸付を行いマゼランの航海も支援するが、その後貸付先の神聖ローマ諸侯の没落と、南米から移入した銀の流入によって力を失っていく。
○ジェノバ共和国 1300年頃ベネチア、ジェノバ制海戦争によって、地中海の制海権を奪われ、その後イスラム戦で財政難にあったスペイン王に接近。貸付を行い、商業上の特権を得る。その後コロンブスのスポンサーにもなるが、スペインの衰退とともに没落?
 
  List
  この記事は 330230 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_330231
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
超国家・超市場論1 新しいまつり場は、国家と市場を超えられるか?
超国家・超市場論2 闘争(能力)適応 と 共生(取引)適応
超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ
超国家・超市場論4 同類闘争の圧力と共認統合の限界
超国家・超市場論5 私権闘争・掠奪闘争をどう止揚・統合するのか?
超国家・超市場論6 生存圧力に基づく同類闘争から、同類圧力に基づく同類闘争=認識競争へ
超国家・超市場論7 私権闘争を統合した 力の序列共認
超国家・超市場論8 国家(力の序列共認)と その統合限界
超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である
超国家・超市場論10 何をするにもお金がかかる社会
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある
超国家・超市場論13 人類の新たな活力源=圧力源
超国家・超市場論14 外向収束⇒認識収束に応える『認識形成の場』
超国家・超市場論15 『認識形成の場』こそ、新しい社会統合機構の中核である
超国家・超市場論16 ゼロから、自分たちの『場』を作る活動
超国家・超市場論17 新しい社会統合機構が、国家機関を吸収・解体する
超国家・超市場論18 認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である
超国家・超市場論19 もう、傍観者=インテリ統合階級は、要らない
超国家・超市場論20 認識形成は遊びではない、生産活動である。
超国家・超市場論21 『認識形成の場』が、なぜ有料化されるべきなのか?
超国家・超市場論22 お金は、現実の必要度を測るモノサシ
超国家・超市場論23 『必要か、必要でないか』という真っ当な判断の土俵が出来てゆく
超国家・超市場論24 必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく
超国家・超市場論28 新しい可能性が顕在化するとは、どういうことか?
超国家・超市場論29 新しい『場』は、古い評価指標の洗礼を受けて、はじめて顕在化する
超国家・超市場論30 実現の論理
判断の土俵と解体・再統合 大学の例
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
社会統合組織の史的総括 国家と教団
社会統合組織の史的総括 市場と演場
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
マイナス原因構造とプラス実現構造という両輪
支配階級の私有権は絶対不可侵だが、庶民の私有権は剥奪され得る

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp