実現論を塗り重ねてゆく
329769 市場論・国家論2.敗戦〜'70年:高度成長期
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 17/09/20 AM00 【印刷用へ
実現塾の要約です。
イ.先進国(日・欧)が’70年前後に豊かさを実現できた要因

1.市場蓄積:市場の成熟度 日本・欧州>>中国>印・露>南米>>アフリカ   ↓
2.技術蓄積:先進国で技術蓄積→生産力が、豊かさを実現できる段階に達した。

3.大衆主義:反戦・平和主義→大衆の生活第一→福祉国家の政治潮流(日・欧)
注:1人勝ちのアメリカは、弱肉強食の覇権主義と軍産複合体が支配する戦争経済(アメリカは、1・2次大戦によって覇権を握り、現在も戦争しないと経済が回らないない国)が相まって、反福祉色が強い。一貫して貧民街が存在する等、豊かさが実現されたとは言い難い。

・古代市場トップだった中国が失速したのは、科挙による官僚支配体制が原因。
科挙・受験は、私利・私欲に走り、搾取することしか頭にない、汚職だらけの官僚国家を生み出し、国民と国家をとことん疲弊・腐敗させてゆく。官吏たちは庶民から搾取できる限界まで搾り取って肥え太っているので、商人が付け入る隙がなく、もっぱら賄賂を贈り、貢ぐばかりで官吏に頭が上がらない。
他方、日本や欧州では、商人が王族・貴族にお金を貸し付け、その結果、借金で首が回らなくなり、商人が優位になってゆく。
・同じく近世までトップだった日本が失速したのは、西欧人の略奪性→近代科学に敗れたから。


ロ.戦後、日本が世界一の高度経済成長を実現できた要因(日本>欧州)

1.日本人の縄文体質(集団第一)が高い成長を実現。(独もそれに近い)

2.日・欧とも焼け跡からの復興となったが、都市の破壊度は日本の方が遥かに大きい

3.日本は、食料→住宅→衣料→家電と復興・成長していったが、これら全ては大衆需要である。対して、ヨーロッパは伝統的に貴族需要(ブランド品)を核にしており、大衆需要への転換が遅れた。

4.アメリカの対日戦略:日本を反共の防波堤とするために、日本をある程度まで太らせる必要があった。


ハ.アメリカの対日戦略の変遷(一貫して、ロック→CIA→官僚・自民党支配)

・1945〜82反共の防波堤として、日本をある程度まで太らせる。
・1983〜00日本をこれ以上、太らせず、日本から収奪する。
・2000〜 ロックによる日本の再占領。完全支配して、徹底的に収奪し尽くす。


ニ.科挙(試験制度)による特権階級の暴走と腐敗→国民と国家の疲弊と腐敗

・封建体制(周や鎌倉〜江戸の幕藩体制や欧州の貴族制)は、各地域の自治(自主管理)を土台とする体制で、各王or領主は、地方に土着して領土の経営に当たる。
しかし、領民から一方的に搾取するだけでは国(藩)が崩壊してしまうので、ある程度、領民の生活の安定を考慮せざるを得ず、従ってあまり財を増やすことができず、むしろ中央の命令による普請や出兵によって借金で首が回らなくなってゆく。

・それに対して、科挙によって選ばれた官吏体制の下では、官吏たちは領土を経営する訳ではなく、庶民に対して一方的に権力を行使するだけなので、自分の私腹を肥やすために庶民からとことん搾取し、庶民を貧困のドン底に追い込んでゆく。
従って、私権の拡大しか眼中にない連中ばかりとなり、科挙があるにも拘らず、その特権身分は次第に世襲されていった。

・商人の武器がお金であることは東洋でも西洋でも同じだが、支配階級たる官吏が一方的な権力を持ち肥え太っている東洋では、商人は官吏に頭が上がらず、もっぱら賄賂を贈って便宜を図ってもらう(もちろん不法行為である)のが当たり前となり、至る所で不正が横行する。(現在の中国、朝鮮、日本も同様)
それに対して、西欧の商人は王族・貴族たちに借用書を書かせてお金を貸し付けた上に利息まで取る。しかも、全て合法的に行われる。従って、西欧の王族・貴族は、次第に借金で首が回らなくなり、大商人に頭が上がらなくなってゆく。
この商人優位の構造こそ、西欧で近代市場が発展していった理由である。


ホ.力の支配と権力による支配

・力(武力や資力)による支配は、直接的で見え易いが、国家権力による支配は、法政共認を媒介にしているので間接的で見え難い。

・権力とは、法制によって与えられた排他的な決定権や自由権である。それらの特権は、それを持たない大衆に対する支配権力となる。
裁判官・検事・警察、代議制の議員、学者・教師・マスコミ、その他全ての公務員。(例えば、学問の自由は学者に与えられた特権であり、大衆に対する支配権力となる)

・すでに戦争も金貸し支配も終焉を迎えた今、人類を抑圧・腐敗させてきた本丸=国家権力と特権階級をどう解体・封印してゆくか、それこそが最大の追求課題では?


へ.縄文体質とは

・縄文体質の本質は、みんなの期待に応えることにある。それを第一義とする体質が縄文体質であるが、それは集団第一の体質ということもできる。
この縄文体質は、敗戦・焼け野原や3.11壊滅災害etcの状況下では、他国にはない強い勤勉性として現出する。
 
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1.これから生き残る企業に求められる能力は?
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12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
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現実に社会を動かしてきた中核勢力
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新理論の構築をどう進めてゆくか

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