生物の起源と歴史
3295 オス・メスの基本事実の確認
 
蘆原健吾 ( 30代前半 神戸 広報 ) 01/04/17 AM00 【印刷用へ
まず、有性生殖における事実を確認してみましょう。

有性生殖をする生物には性差があります(当然人間も含めて)。その点は当たり前すぎる事実です。その進化上の理由をあらためて基本的なところを見直してみます。

性差の必然性は、オスの闘争負担を大きくして、その分メスの闘争負担を小さくすることにより、メスの生殖を有利にし、多くの子孫を残せるように適応したことにあると考えられます。極端に言えば、オスはたくさん死んでも一匹いれば、多くのメスに子供を残せる(メスが淘汰され、オスが生き残っても、多くの子供は残せません)。

オスは基本的に脆弱です。「脆弱?オスは大きいし強いやんか!」と思われるでしょうが、乳児死亡率が高い、病気に弱い、栄養をとらないとすぐ死ぬ、とどれをとってもメスより不利です。それに、男性ホルモンの一つテストステロン。これはもっぱらオスの攻撃性を誘発するホルモンです。オスはその働きで、すすんで危険な目に遭い多くが死ぬ。さらに、生き残ったオスも性闘争をして、生き残ったものだけが子供を残せるということで、より外圧への適応スピードがアップするわけです。

言ってみれば、オスはごくわずかを残して淘汰されて死んでいくのが役割で、メスは勝者の子を残すのが役割ということです。そうすることで、より効率的に適応的な子孫を残してきたということです。

人類へ至るまで何億年と、有性生殖の生物はこのような戦略で外圧に適応してきました。細かく見れば多様性はありますが、これが基本原理でしょう(メスをオスより淘汰させる生物は不適応で、種そのものが淘汰されているはずです)。

有性生殖という戦略を、陸上における生物の殆どが採っている理由は、上の例だけではなく、他にもたくさんあると思います(「多様性の実現」「病原微生物への抵抗性の獲得」などなど、長くなるので割愛しますが、それらを検証し直す必要もあるでしょう)。

あるいは、「過去何億年そうやってこようと、現在は状況が違うんだから、オス・メスの役割を逆転したっていいんだ。オスの果たしている“闘って死んでいく”という役割をメスも果たせばいいんだ。」というのが男女同権論者のみなさんの主張でしょうか?かなり無理があるな〜というのが実感ですが…。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_3295
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
226132 「女」までが活力を衰弱してもらっては「男」は闘い甲斐がない 志水誠 10/02/09 AM11
160042 免疫機能に見る雄雌の役割分化 西谷文宏 07/08/30 AM08
139078 性の中性化は種の滅亡にしか行き着けない。 もぐら 06/12/02 AM02
115367 役割がある。 神原由佳 06/05/22 PM10
96800 共認充足があってはじめて雌雄分化が活きてくる 加藤弘行 05/09/03 PM11
91649 変化と進化と男と女 東努 05/05/28 PM11
90168 脳の機能的性差はどのようにして形成されるのか 酒井裕志 05/05/07 AM02
セックスレス⇒性の再生<3/5なんでや劇場> 「なんで屋<男塾>梅田」 05/03/10 PM06
85306 雌雄分化による脳の性差 仲西大輔 05/02/07 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
「経済破局に至る基本構造」
銀行国有化しかない
金貸しの没落=私権原理の終焉
2008年、世界金融危機は何を意味するのか?
西欧近代:宮廷ユダヤが王族への借金をカタに近代国家システムを形成
日本銀行の通貨発行の仕組み
影に隠れて暴走してきた金貸しの支配が明るみになった
TPPをめぐる俗論を反証する@〜横行する数字のトリック、おかしな議論への反証
TPPをめぐる俗論を反証するA〜「国益VS農業保護」論は、国益に反する
国破れてTPP在り
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼル@
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼルA
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(2)カール・ポランニー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(3)ミヒャエル・エンデ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(5)エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(7)サティシュ・クマールその2
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(8)ヴァンダナ・シヴァ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(9)宇沢弘文
江戸時代の思想11 大衆支配のための既成観念を全的に否定し、新概念を創出しようとした安藤昌益
現状の経済システムに問題あり
作られた物欲
過剰消費のもう一つの理由
消費社会と受動社会がつくり出す、矛盾と危険性
国債残高
貨幣の問題をめぐってC
貨幣の問題をめぐってD
長期金利の上昇は本当に起こるのでしょうか?
市場「原理主義」の限界
市場は等価交換ではない、外部不経済を捨象している
等価交換など存在しない
消費の自由のいかがわしさ。
消費が変わる。消費を変える。
「所有価値」から「利用価値」への転換
市場社会は人間の欲望を飽くことなく増幅させるーーー金銭犯罪の五つの類型
フェアトレードは市場拡大の幻想取引ではないか?
自我経済学から共認経済学へ
「需要発から供給発へ」
諸外国の公共事業民営化はなぜ失敗したのか?

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp