恋愛って、何?結婚って、何?
328238 専業主婦制は、経済の停滞した現代では少子化の一因に
 
吉 四六 ( 大阪 会社員 ) 17/07/22 PM06 【印刷用へ
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(前略)

みんなの介護 少子化についてはどうお考えでしょうか?

城 実は「専業主婦」という仕組みが少子化の原因のひとつになっています。一般的に専業主婦は日本の伝統的なスタイルのように思われていますが、実はそれができたのは戦後のことです。農家などを例に取るとわかりやすいですが、戦前は男女共働きが普通でした。女性が家を守り男性は外で働いて…という暮らし方が可能だったのは一部の上級武士だけですよ。

みんなの介護 それは意外な事実でした。なぜ戦後、そのような専業主婦制が浸透していったのでしょうか?

城 ここでも終身雇用制度が絡んできます。前編「労働市場が流動的ではないから長時間の残業、地方への転勤、転職の不利など問題が生まれている。年功序列と終身雇用の廃止が必要」でもお話ししましたが、終身雇用を守るためには転勤が欠かせません。例えば「大阪で社員が足りなくなりました」となったとき、終身雇用制度のもとでは余剰感のある他の地方から社員を転勤させることで雇用そのものを守るわけです。

もうひとつ、長時間残業もつきまといます。従業員が100人必要な企業があったとすると、終身雇用制度の元ではだいたい70くらいを雇うに留めておくんです。なぜなら、終身雇用制度で社員の人数調整ができないため、仕事が少ない時期に人手が余ってしまうからです。逆に繁忙期には70人で100人分以上の仕事をしなければならないので、月150時間くらい残業が発生することになる。

みんなの介護 「転勤」と「長時間の残業」が、終身雇用制度のもとでは不可欠なんですね。そうなると、夫婦共働きが難しくなり、専業主婦が増え、結果として少子化が進んでしまう…と。

城 例えば、旦那さんが九州に転勤になったからといって奥さんも一緒に転勤させるのは難しいですよね。夫が長時間残業する分、誰かが家庭に専念しないといけないし。ちなみに東大の社会学者・上野千鶴子さんは「専業主婦は社畜の専属家政婦だ」なんてというきつい言い方をしていましたが…。


雇用制度を見直せば、既婚率・出生率が上がる可能性はある

みんなの介護 その専業主婦制がなぜ、子育てのネックになっているんですか?

城 90年代後半までは、奥さんが専業主婦でも子供を2人産み、ローンでマイホームを買うだけの給料を企業が支払うことができたんですよ。でも今は経済が停滞しているので、40代を過ぎても半分以上のサラリーマンは平社員です。となると旦那さんが働くだけの世帯は、「家は買うけれど子供は1人でいいよね」ということになるんです。

みんなの介護 それが出生率低下の一因になっているんですね。一方で、結婚離れについてはどう思いますか?

城 それはまた別の話でしょうけど、バブル世代くらいまではお見合い制度がまだ残っていて、家の近所にはお見合いを勧めてくるおばあさんが必ずと言っていいほどいたし、会社の上司もお見合いを勧めていました。そういう外部からのプレッシャーなしに結婚に踏み切れるほど、日本人は大人になりきれていない感じがするんですよね。だから恋愛関係で止まってしまっている。

さらに言うなら、大企業はかつて男性正社員のために花嫁さん候補を採用していたんです。これは多くの場合、「一般職」という転勤のない枠で採用される事務系の女性です。しかし90年代後半、景気が後退してくるとコストがネックになってその文化は廃れていきました。代わりに女性の派遣社員を採用しても、どんどん入れ替わってしまうのであまり結婚には繋がらないんですよね。

みんなの介護 専業主婦や少子化にまで絡んでくるなんて。雇用制度が社会に与える影響はそれほどまでに大きいんですね。

(後略)
 
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