否定脳(旧観念)からの脱却
32436 「まつり」は集団を超えた闘争・役割共認の場
 
橋口健一 HP ( 39 大阪 技術者 ) 02/05/31 PM11 【印刷用へ
>多くの要素を含むまつりの機能として第1番に挙げられるのが闘争共認の形成という点だと思います。社会統合論的に言えば協働のまつり場は新たな闘争共認の場の形成でもあるということです。(32136 田野さん)

集団が増加し同類闘争の潜在的な緊張圧力が働いている狩猟・採取時代の人びとは潜在的には他の集団が仲間なのかどうなのかを確かめたいと思っていたのではないでしょうか。そうであれば、自ずと仲間であることが認められる行動へと収束する筈であり、他の集団にも認められる、役に立つという実感ほど充足感を得るものはなかったと思います。

日々の活動(狩猟・採取・製作)の成果がそのまま他集団の役にも立つ。つまり、闘争共認と役割共認が集団を超えて認識できる場、さらに互いに影響し合うことで活力が持続し再生される場が「まつり」であったと考えられます。

田野さんからアメリカインディアンのトーテムポールの事例が紹介されています。トーテムとは「ある集団と特別の関係をもつと信じられている動植物や自然現象」のことです。ここで注目されるのは、他集団や異人を自然と同じように対象化(観念化)することによって理解し、ありがたい霊的な存在であると認識していることです。そして、この認識によって自分達を律する規範共認が形成されます。参考として、オーストラリアの部族の中にもトーテムについての事例があります。

>アランダ族においては、すべてのトーテム氏族に同様に保たれているこれらの儀礼の本質的な諸特徴が存在する。それらは次のようなことである。
1.トーテム成員は特別な機会を例外とすれば、自分のトーテム動物はほんの適量しか食べない。身体強健な男ならば一片すらも口にしない。
2.トーテムの男子成員はトーテム動物あるいはトーテム食糧の成長の保障を唯一の目的とする一定の儀礼を行なう。 
3.儀礼を主宰する首長は、儀礼がうまく行われるために、ほんのわずかしか食べてはならないことになっている。
4.トーテム成員である男子たちは、ほんの少しだけ食べたら、その残りをトーテムに属していない他の男たちに引き渡し、彼らに好きなだけそれを食べる許可を与える。
5.ごくまれな場合を除いて、儀礼への参加が許されるのはトーテムの成員で、当該の半族の成員である男たちだけである。<
(以上、「経済生活の原初形態−原始社会の財貨取引」フェリックス・ショムローからの引用文)

日本の縄文時代においてもトーテムの概念で分類すれば、シャケの民、貝の民、クマの民、クリの民、石の民など地域や能力に応じて様々な役割分担が可能であり、似たような民(集団)同士が影響し交流し合う「まつり」の場が出来たのではないでしょうか。やがて、「まつり」そのものを司る集団が登場し、まつりの準備や進行役も役割分担されていったと思います。物や認識の交流も集団を超えた役割共認の創出によって促進されていったと思います。
 
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32649 祭りは共生適応ではなく集団統合(解脱+闘争)共認の場 岡本誠 02/06/03 PM11

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