子育てをどうする?
324281 子育ては子どもの人格形成にはほとんど影響を与えない
 
高橋克己 ( 62 島根 建築士 ) 17/02/14 PM10 【印刷用へ
 ベストセラー本からの紹介ですが、子供の性格がどのように形成されるかについて面白い箇所がありましたので紹介させていただきます。

以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 小さな子供のいる親は、「子育ては子供の人格形成にほとんど影響を与えない」というハリスの集団社会化論を受け入れ難いかもしれない。だが自分の子ども時代を振り返れば、親の説教より友達との約束のほうがずっと大事だったことを思い出すのではないだろうか。
 このことをわかりやすく示すために、ハリスは乳児期に離れ離れになった一卵性双生児の姉妹を例に挙げる。
2人の遺伝子は全く同じだが、成年になったとき、1人はプロのピアニストになり、もう1人は音符すら読めなかった。養母の1人は家でピアノ教室を開いている音楽教師で、もう一方の親は音楽とはまったく縁がなかった。
 当たり前の話だと思うだろう。
 ところが、子供をピアニストに育てたのは音楽のことなど何も知らない親で、音符すら読めないのは音楽教師の娘だった。
2人は一卵性双生児で、1人がプロのピアニストになったのだから、どちらもきわめて高い音楽的才能を親から受け継いでいたことは間違いない。家庭環境や子育てが子供の将来を決めるのなら、なぜこんな奇妙なことが起きるのだろう。
 ハリスによれば、子どもは自分のキャラ(役割)を子ども集団のなかで選択する。
音楽とはまったく縁のない環境で育った子どもは、なにかのきっかけ(幼稚園にあったオルガンをたまたま弾いたとか)で自分に他人と違う才能があることに気づく。彼女が子ども集団のなかで自分を目立たせようと思えば、(無意識のうちに)その利点を最大限に活かそうとするだろう。音楽によって彼女はみんなから注目され、その報酬によってますます音楽が好きになる。
 それに対して音楽教師の娘は、まわりにいるのは音楽関係者の子どもたちばかりだから、少しくらいピアノがうまくても誰も驚いてくれない。メイクやファッションのほうがずっと目立てるのなら、音楽に興味をもつ理由などどこにもないのだ。
ハリスの集団社会化論では、子どもは友達との関係のなかで自分の性格(キャラ)を決めていく。どんな集団でもリーダーや道化役がいるが、2人のリーダー(道化役)が共存することはない。キャラがかぶれば、どちらかが譲るしかない。このようにして、全く同じ遺伝子を持っていても、集団内でのキャラが異なれば違う性格が生まれ、異なる人生を歩むことになるのだ。

引用終わり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 この、子どもが集団の中で役割を選び取っていく、そしてそれが成長するにつれてその人を形作っていくので親の影響など入り込む余地がないという部分がとても面白く、また子どもの頃を思い出して全くそういうものだったとひざを打ちました。
またそれほど決定的な影響を及ぼしあう子ども社会から隔絶されて生きた場合、成長してからどうなるか、という現在的な疑問も覚えました。

 なお、著者によれば、これを発表して高い評価を得たジュディス・リッチ・ハリスという女性は在野の心理学者で1998年に上梓した本のタイトルは「子育ての大誤解」。
 またこれを紹介しているベストセラーのタイトルは「言ってはいけない」(新潮社)で、著者は、橘玲(たちばなあきら)です。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_324281
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
人類の進化
ヒトは何種類いたのか? 「異種同時共存説」による人類進化
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 @
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 A
単一起源か?多地域起源か?(その2)
アニミズム(精霊信仰)について
シャーマニズムと幻覚回路
原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった
共時一体感覚にささえられる文字による共認 2
不安発の古代宗教と感謝・同化の精霊信仰
ネアンデルタール人は「野蛮」だったか?   人類の生活をどう復元するか
スンダランド海洋航海民の誕生
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないか@
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないかA
ポトラッチの実態
捧げものが同類闘争圧力により変質したものがポトラッチ
贈与の意義
採取時代の適応原理
「祭り」の多面性と核心
祭りは共生適応ではなく集団統合(解脱+闘争)共認の場
人類の本性は共同性にある@
人類の本性は共同性にあるA
人類はなぜ大地を耕しはじめたか? 寒冷期と農業の起源
4大文明の多元的・同時発生説
戦争がなくならないのはなんで?:ノート2
原始時代〜部族連合時代〜武力支配時代
武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束
西洋の自我収束⇒観念収束⇒唯一絶対神信仰
白人の部族移動の歴史
山賊・海賊によってつくられたギリシア・ローマ
戦争の起源
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかA〜古代ギリシア・ローマに快楽敵視が存在した証拠はない
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかB〜隠蔽したいローマ帝国崩壊後の空白の200年間

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp