アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
324211 トランプの狙いは、武器の売り込み
 
上前二郎 17/02/11 PM11 【印刷用へ
広原盛明のつれづれ日記リンクから引用させていただきます。
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 2月3日からのマティス新国防長官の来日によって、今回の日米首脳会談に対するアメリカ側のシナリオがほぼ見えてきたように思える。

第1幕は、トランプ大統領の選挙中からの脅かしで始まった。日本が在日米軍の駐留経費全額を負担しなければ、駐留米軍の撤退も辞さない、日米軍事同盟も再検討するとの恫喝である。しかし、この一喝で「日米同盟は不変の原則」と思い込んでいる安倍首相は震え上がり、トランプ大統領の機嫌取りに成り下がる心理的状態に追い込まれた。戦争でいえば、いわば緒戦の心理戦で窮地に追い込まれたのである。

 第2幕は、マティス国防長官の来日だ。マティス氏は2月3日の首相との会談で、「日米がともに直面している、さまざまな課題、そして北朝鮮の挑発などにも直面し、私としては1年前、5年前と同じく、日米安全保障条約第5条が本当に重要なものだということを、とにかく明確にしたいと思った。それはまた5年先、10年先においても変わることはないだろう」と述べ、アメリカの日本に対する防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が「沖縄県の尖閣諸島に適用される」と明言した。そして、尖閣諸島に対する日本の施政権を侵害するいかなる一方的な行動にも反対する考えを伝えて、安倍首相を安心させた(NHKニュース、2月3日)。

さらにマティス長官は2月4日の記者会見で、在日米軍駐留経費について「日米の分担のあり方は他の国の手本になる」と述べ、日本側に負担増を求める考えがないことを明確にした。4日の日米防衛相会談でも駐留経費の負担増は議題にならなかった。その一方で、マティス氏は「日米双方はそれぞれの防衛力を強化しなければならない」と語り、日本側も防衛力の増強が必要との認識を示した(毎日、2月5日)。

この第2幕の展開は、日本側をすっかり安心させてアメリカへの協調(追随)姿勢を一層増長させた。アメリカが日本を信頼してくれるのであれば、日本はそれに応えなければならないとの空気がつくられた。こうして、トランプ大統領がまず高飛車に出て安倍首相を脅かし(第1幕)、その次はマティス国防長官が出てきて「そんなことはない」と安心させ(第2幕)、いよいよ日米首脳会談という第3幕が開く段取りが整ったのである。

それでは「本番」の第3幕では何が語られるのか。言うまでもなく、それはマティス国防長官と稲田防衛相の間で合意された「防衛力の増強」に関する本格的な協議だろう。トランプ政権はなによりもアメリカ国内の生産増強と雇用増加を重視している。そのためにはアメリカの軍事産業の増強が不可欠であり、武器輸出の販路拡大に努めなければならない。トランプ氏が選挙中から軍事産業に対して「戦闘機の価格が高い」などと牽制していたのは、兵器生産の増強のためには販路拡大が不可欠であり、そのためには輸出価格を下げる必要があるからだ。

アメリカにとっては、日本が最大の武器輸出のターゲットであることは間違いない。軍事費をGNP1%から2%にすれば、5兆円という巨大な武器輸出の市場が新たに出現する。在日米軍駐留経費の増額などはたかが知れている。それにアメリカ国内の生産増強にも雇用増加にも結び付かない。だが、かってのロッキード事件のように日本への武器輸出の売り込みが本格化すれば、そこには桁違いのマーケットが生まれる。トランプ政権の狙いがそこにあることは明々白々なのだ。
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