生物学を切開する
323332 知能は集団から生まれた
 
深ヰ紫 17/01/10 AM00 【印刷用へ
 モジホコリという単細胞生物がいる。彼らは一本の神経細胞すら持っていない原始的な生物だが、複雑な迷路を解いて目的地にたどり着くことができる。

その様子を見ると、モジホコリの集団がまるで触手を伸ばすように拡散していき、最短経路を見つけると、隣接する他の個体にその情報が伝わり、全体として正しい答を共有していく様が分かる。

進化した生物の場合、その知能は神経細胞の塊である脳によって支えられているが、脳が知性の本体というわけではない。むしろ、生物が集団として存在し、集団内で情報を共有(共認)していることこそが知能の本質ではないだろうか。

生物が集団として適応していることの意味がよく分かる事例であり、かつ「利己主義の基本単位として、遺伝子を考える(利己的な遺伝子)」ことのおかしさを証明する例としても紹介しておきたい。

以下、ギガジン(リンク)より引用。

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脳や神経がないのに迷路を解き、融合することで記憶を共有する黄色いスライム「モジホコリ」の不思議な力

落ち葉や朽ち木の表面などに生息する黄色い色をした菌の一種「モジホコリ」は、人間などに備わっている「脳」を持たないにもかかわらず、高度な知能に匹敵するような判断力や記憶力が備わっていることがわかってきています。

モジホコリは日陰で湿潤な環境を好む菌で、目に見えている全体が1つの細胞である多核体の単細胞生物です。細胞を形成する原形質が移動する原形質流動を行うことで、元あった場所から別の場所へと移動できる性質が備わっています。

単細胞生物であるモジホコリには、人間などの生物が持つ臓器や脳といった高度な器官は存在していません。そのため、人間が頭を使って考えるような問題や、過去の記憶をもとに判断する能力は持ち合わせていないと考えられているわけなのですが、実際にはどう考えてみても判断や記憶を行っているとしか思えない行動を取ることが知られています。

○2つの地点を最短で結ぶ能力
その1つが、迷路の入り口から出口までを最短距離で結んでしまうという現象です。以下のムービーには、そんなモジホコリの動きをタイムラプス撮影した様子が収められています。

用意されたのは、シャーレの中に作られた迷路状の通路と、その中に入れられた複数のモジホコリの塊。

モジホコリは組織を動かして隣接する塊と融合していき……

迷路がビッシリとモジホコリで埋め尽くされた状態で実験スタート。今回は「A」から「B」への最短経路を結ばせるという実験です。

次に用意したのは、モジホコリのエサ。実験の際にはオートミールがよく使われているそうです。

オートミールをAとBの地点におくと……

モジホコリが動き、オートミールの存在に気づきました。

餌を見つけたモジホコリは、徐々にエサのある場所へと集中するような動きを見せます。前述のようにこれは1つの細胞でできた生き物であり、考える力を持つ脳は備わっていません。

モジホコリは効率よく栄養を得られる場所に集中している模様。そのため、このような袋小路に入っている部分からは……

原形質が去ってしまい、色も黄色から透明に変わってしまいました。

最終的には、モジホコリでビッシリと埋め尽くされていた迷路が、一本の線で結ばれることに。

そしてこの線こそが、AとBを結ぶ最短距離となっている、というわけでした。
 
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