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32261 評価圧力場を活性化するには
 
吉国幹雄 ( 49 鹿児島 講師 ) 02/05/30 AM11 【印刷用へ
私権時代における「身分」と「お金」の関係は、(31251)で四方勢至さんが述べたように、 「身分」が闘争圧力に対応した「集団の(統合)適応」の存在であるのに対し、「お金」が市場という「共生(取引)適応」の存在であることだろうが、その共通点はいずれも評価指標であり活力源になっていることだ。

武力社会においては、力の序列共認による「身分の細分化」という方向で活力(評価闘争)を上昇させていたことが歴史的にはうかがえる。そして、ミクロの地位の変動が活力をまた生み出していた。

ところが、商品市場の社会においては、確かに「肩書き」が社会的評価指標となって仕事活力を生み出してきたのも事実ではあるが、むしろそれよりも「お金」の方が直接的には活力(評価闘争)を上昇させてきたのではないか、と思われる。
「金・金・金、金さえあれば」の時代である。そしてまた、給料が一円でも違えば評価の差として活力に影響を与えた時代である。

それは、取引共認(女原理)が力の序列共認(男原理)を(「例えば、身分差別反対・人は皆平等」という近代欺瞞観念)で換骨奪胎しようとしたために、「身分の細分化」がストップしただけでなく、逆に身分階層がおおざっぱになり、平準化を進めていったからだと思われる。(唯一、統合階級である官僚においては「細分化された身分序列」が強く残り、現在でもそれが彼らの一定の活力源として働いているのだろうが)。

つまり、時代を通して明らかなことは、「身分」であれ「お金」であれ、それが活力を生み出す評価指標として有効に機能するためには、とことん細分化される必要であることを示している。またその順位(相対位置)は絶えず変動する必要があることを示している。これは、闘争集団の真猿において一番から最後まで順位が歴然とついていたことを想起させる。評価を相対的に細分化していくことで、評価の圧力(活力)を上昇させている。

そして、また「お金」と「身分」が時とともに評価指標としてずれてしまうのは、その適応存在のあり方が違うということであり、簡単にいえば「お金」と「身分」という評価指標が直接的に(統合軸上で)繋がらないからである。

考えてみれば、生命体における外圧が有効に機能している状態とは、まず外圧は絶えず変動する場である。そのために適応可能性を内部に蓄積するために、変動場を内圧として持つ状態が適応状態である。そして、生命体が外圧場を克服するたびに外圧はそれによって変動し、またそのことが内圧を変動させていく関係にある。

同類圧力を活力源とするとは、同類が生み出す評価の場が変動場であることを意味する。そしてその圧力に適応する統合軸上で評価指標は貫徹されなければならない。評価指標は細分化され、評価が変動するほど活性度は高くなる…。そう捉えた時に、四方勢至さんの(31768)で述べられた新評価システムはパラダイムを越えていく可能性が極めて高いと思われる。

つまり、万人が集う協働の場としての統合サイト。統合サイト(評価サイト)が階層化されて「資格」という身分を生み出し、その「資格」は補助評価指標として細分化された「ポイント」によって与えられるという新評価システム。万人から見れば、あらゆる人にポイントを獲得できる可能性があり、従って資格を得る可能性が開かれており、それぞれの資格に応じて協働の場に集う可能性が開かれているということ。誰でもが、社会統合に携わることのできるシステムである。
 
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