学校を卒業して会社員になる。今では当たり前のことです。
しかし昔は当たり前ではありませんでした。
サラリーマンという職業が生まれたのは、長い歴史から見ればつい最近のことです。
場所に縛られ、時間に縛られ……とサラリーマンという職業を窮屈に感じている人もいるかもしれません。
しかしサラリーマンの原型が最近できたことを知れば、もっと自由な発想で新しい働き方ができるかもしれない。
サラリーマンの起源について、探ってみたいと思います。
以下、リンクより引用。
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■1872-1873: サラリーマンの起源は役人(士族サラリーマン)
サラリーマンを俸給生活者と定義するならば、サラリーマンの起源は、元サムライの士族に遡る。明治維新後、刀を失ったサムライ(当時の社会階層としては、インテリ層に属する)は知恵で身を立てようとする。サムライとしての身分を失って、士族となった彼らは、固定給で生活する、官吏、官員、教員、巡査、銀行員となった。この”士族サラリーマン” と成松らがよぶ階級が現れ始めたのが、明治5-6年 (1872-3)のことである。もっとも、当時は「サラリーマン」という日本語は存在しない。また、その人口は微々たるものであり、厳密には社会階層と呼べるほどの存在ではなかった。
■1892-1896: 実業界におけるサラリーマンの登場
その後、日本は日清戦争(1894-1895)の勝利を経験し、軽工業を中心に産業革命を果たす。工業化に伴い、民間企業の数が増大し、明治20年代後半(1892-1896)、初めて大学/高専卒者が会社銀行員となって、実業界に巣立っていった。現代的な意味の、産業的/商業的サラリーマンの誕生である。ただし、この頃の会社、銀行では、大学卒は役人なみの待遇を受けていた。
■1894以後: サラリーウーマンの登場 明治27年(1894)、三井銀行の大阪支店が、日本で初めて女性事務員を採用した。細かく正確な事務作業は、男性よりも女性に適性があるという認識が当時からあった。当時の会社事務員は、エリート階層としてのサラリーマンと接触できるということから、女性にとって憧れの職業であった。
■1904-1918以後 : 社会階層としてのサラリーマンの成立
その後、日露戦争(1904-1905)を経て、第一次大戦(1914-1918) までで、日本資本主義経済は発展し、会社銀行員と官公吏を二大グループとするサラリーマンの急激な増加をもたらすことになった(官庁統計: 俸給所得者数 5.6%(1908) –> 21.4%(1920))。これをもって、人口の上でもサラリーマンが社会的階層として成立したといえる。
■1912前後: サラリーマンの大衆化、階層化の始まり
特に明治末から対象初めにかけて(1912前後)、中学校卒者の男女事務員が大量にサラリーマン層に進出した。さらに、中小地主、小商人、中小工業者などのいわゆる旧中間層の子弟があらたにサラリーマンの予備軍として登場した(非士族サラリーマンの登場)。好景気に裏打ちされたサラリーマンの増加に伴い、サラリーマン層内部における階層構造が出来上がった。サラリーマンの大衆化の始まりであり、サラリーマンの社会的位置づけはより現代のそれに近づく。ただし、当時の最下層のサラリーマンの窮乏の状況は現在と比較にならないほど深刻であり、ストライキや、その後の不況を経験し、サラリーマンの組織運動へと繋がってゆく。
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