学校って、必要なの?
318983 学校教育の社会的弊害(1)〜日本人のほぼ全員が十数年の学校教育を受ける、その影響は計り知れない
 
宮田一郎 ( 東京 ) 16/08/28 PM07 【印刷用へ
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■学校教育の社会的弊害
◆学校教育は、日本社会を社会依存症に感染させてしまった。
社会の根本は教育にある。つまり社会のボトルネックは教育にある。
日本人のほぼ全員が十数年の学校教育を受けて子供時代を過ごしている。
その影響は計り知れない。
影響を想像することができないほど、大きな影響だ。 

■日本人全員が十数年の学校教育を受けて子供時代を過ごしている。
教育についての議論は、いつも単調で平板に聞こえる。
同じ場所をグルグルと回って、いつも同じ場所に戻る。
「なぜ学校教育は変わらないのか?」
この問題意識を本気で感じることのできる人は、おそらくほとんど皆無であるはずだ。それくらい「感じることが難しい」問題意識。
なぜなら学校教育というものは、そこに暮らす人にとって「空気」と同じくらい当たり前のものだから。
社会と教育は表裏一体。
この問題意識を本気で痛感する方法は、一つしかない。
「本当に意味ある学びを、自分自身で体験する。」 大人の側が、本物の勉強を自分の肌身で体感する。
それ以外に教育の抜本的改革の道はありえない。

◆教育は、「想像力」に絶大な影響を与える。
教育がもたらす社会的影響。
特に無関心さやリスクの社会化について。
学校教育は、人から目の輝きを奪う。
物事にあるがままに関心を持つ、ナチュラルな好奇心を奪う。
その結果、日本の大人は、狭い想像力しか持てなくなった。

◆学校教育の弊害
学校の問題は、教え方が悪いとか、そういうことではないと思う。
何よりの問題は、「大切な時間を奪っている」ということ。
本来、学ぶべきことは世の中に満ちている。
その学びの時間を、学校教育は大量に奪ってしまう。
毎日狭い教室、校舎に閉じ込められて、その外に広がる最高の学びから遠ざけられる。
人として本来考えるべきこと、想像すべきことを、今の日本社会では想像することが許されない。

従来の学びには、まず「答え」が用意されていた。
考えることそのものよりも、いかに正解を効率的に出すかが重要だった。
そこには「思考のボーダーライン」と呼べるものがあった。
「これ以上は考えなくていい」という暗黙の了解。 従来の頭の良さとは、そのラインを適切に判断し、世間で求められる答えを柔軟に操ることだった。

教育がもたらした弊害。
考える力を奪い、疑問を持たない、社会依存の強い人たちを大量に生み出した。その結果、心ないリーダーたちが世論をうまく利用し、改革不能の状態にしてしまった。

◆自分の頭で悩んで葛藤を抱くべきところを、答えを先回りして簡単に手にしてしまう。
学校で習った数々の「勉強内容」は、今、僕たちの中でどのように育っているだろうか?
無数の知識のほとんどが、記憶の墓場行きになっている。
なぜ僕たち日本人は、そんな無意味なことを延々とやるのだろう?
学校教育のカリキュラムは、記憶の合理的なシステムに合わない学び方を続けてきた。
潜在意識は拒否反応を起こす。
その拒否反応が「なんでこんなことやるの??」 「勉強は面白くない」という不快感をもたらす。
学校教育での学び方は、人間の記憶のメカニズムにとって、不自然なのだ。
日本人の人間性、人間力の低下の原因はここにある。
国民全員で、戦後ずっとその不自然な頭の使い方をやってきてしまった。

◆日本がビジョンを持てない理由は教育にある。
世の中を変えるためには、教育制度を変えないといけない。
知識を詰め込むだけ、効率的に正解にたどり着くテクニックだけの日本の教育制度。日本の教育は、学ぶ人間自身に「考えさせる」ということをしない。

結果、僕たち日本人は自分で物事を考えることのできない国民となった。
世界中から資源を集め、技術を開発し、この小さな島国が世界第二位の経済大国となった。
たしかに僕たちは何不自由のない暮らしができている。
でもそれが果たして僕たちが本当に望む豊かさなのだろうか?
効率性を重視し過ぎるあまり、僕たちは大事なものを見落としていないだろうか?

◆教育観のパラダイムチェンジが求められている。
教育問題の難しさの背景には、2つのことがある。
1つは日本国民ほぼ全員が子供時代を義務教育を受けて育っていること。
もう1つは教育を語るときに、大人(社会人)と子供(学生)という観念が強固に働くこと。
日本人の大人たちは自分がすでに教育から「卒業」した大人であり、社会人であると自らを認識している。
教育からはすでに巣立った「大人」なのだ。
そういう「外部者の視点」で教育問題を考えてしまう。
 教育について「当事者」としての視点で考えることができない。
自分が子供時代に退屈な勉強ばかりをやらされて育ったので、「勉強は退屈で辛いもの」という固定観念をどうしても抜け出せない。

日本において社会とは厳しく忍耐の要するものとされている。
我慢ができなければ人間関係にも支障をきたすし、満足な仕事ができない。
若いあいだは、勉強やスポーツで忍耐と協調性を学び、社会を「生き抜く力」を養うことが大事とされる。
厳しい努力があるからこそ、目標を実現したときに大きな達成感、充実感が得られ、自分自身にも自信がついてくる。
日本の大人にとっての教育観とその辺りのところで止まっている。
もしかしたら「面白い学び」があるかもしれないなど、夢にも考えない。
楽しい勉強など甘えでしかないと考える。
でも勉強とは、本質的にとても面白く、楽しいもの。
大人の価値観が変わらないかぎり、子供達の教育環境は決して変わらないだろう。
 まずは大人の教育観を変えていく必要がある。
最高にワクワクする大人のための学習システムを作ろうしている。
教育観のパラダイムチェンジが求められている。
 
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