人類の起源と人類の拡散
316689 Y遺伝子研究から、現生人類は、7.5万年前、5万年前、4〜8千年前にボトルネックがある。特に4〜8千年前は男子の数のみが激減
 
麻丘東出 ( 55 兵庫 環境コンサルタント ) 16/06/24 PM11 【印刷用へ
リンク より引用
Y染色体の主要なハプログループ、アルファベット一文字ラベルは、おおむね分岐の順序や年代に従うように付けられている。
ただし、分岐順で最後に書いたRの誕生年代でも約三万年前ほど(R1aとR1bの誕生でも約二万年前)であり、これら大分類の分岐は文明の誕生と比べてもまだ充分に古く、決して新しい話ではないことに注意しよう。<中略>

ところで、計算された誕生年代予測値が分岐順になってくれない場合もある。
特にG以降Pまでの大分類分岐は数千年の短期間で立て続けに起こっており(上の図を参照のこと)、純粋に計算年代では誤差も大きく、順序が逆転する場合もあるのだ。

このとき、計算年代値が少なく出る大きな理由として、「ボトルネック効果」を紹介しておこう。
人数が極端に減った時期があると、そのとき集団全体で見たDNAの変異量が減ってしまうため、計算年代値が少なくなる。
たとえば極端な例で、生き残りが一人になった時期があればその人物こそがたった一人の「共通祖先」となるわけで、そこでこの年代計算はリセットされてしまうわけだ。もちろんそこまで極端でなくても、ある程度減れば計算年代値には影響がある。

この現象は人類全体でも起こったとされ、七万五千年前のインドネシアのトバ火山の大噴火で人類は絶滅しかけたという「トバ・カタストロフ理論(wikipedia)」が有名である。

このボトルネックは他の原因でも発生するようだ。
そういった場合の一つが前回の最後の人口グラフ、いや、ミトコンドリアDNAの変異量を見ても減った様子がないのに男のY染色体の変異量だけが減っていたという奇妙なグラフである。
これは、農耕社会が始まって貧富の差が生まれ、特定の男が女を独占し、それで男だけ子供を残せる者が減ったのではないかと言うのだ。

ただ、ボトルネックはこの他にもいろいろな要因(たとえば言語の違いや文化的閉鎖性もその要素。すると日本のような島国が地理的に隔絶されていることも気になる)で発生するのではないかと指摘されている。ちなみに、ヒトは他のサルと比べても数が多いわりにDNAの変異量が少ないため、そこでもヒト特有の社会的要因があるだろうと推測されている。

リンク より引用
今から4-8千年前、男子の数が激減する出来事があった可能性が示された。正確に言うと男の子を残せた父親の数が激減したのだ。なぜそのようなことがわかったのか。

父親からしか伝わらないY染色体上のDNA配列の違いが大きいほど、遠い先祖が違う父親から始まったことを意味する。言い換えれば、同じ父親から始まったのがどのくらい昔なのかがわかる。
アフリカ、アンデス、南、東、中央アジア、ヨーロッパ、オセアニアの7つの地域から総勢456人の男性を集め、そのY染色体上のDNA配列を比較したところ、シベリア以外のすべての地域で、4-8千年前に父親の数が激減した時期があったことがわかった。

面白いことに、同様の理屈で母親からしか伝わらないミトコンドリアDNAを比較して、共通の母親の起源を辿っても、同時期に母親の数が激減したという証拠は見つからなかった。つまり、父親だけが少なかったのだ。

当時、人類は中後期新石器時代にあたり、板についた農耕定住生活により貧富の差が生まれ始めていたのではないかという。つまり金持ち、権力者が女性を総取りしたというわけだ。その後父親の数が盛り返したところをみると、富と権力が分散し社会システムが幾分正常化した結果だと考えられる。

このように子孫を残せた実効個体数の激減をボトルネックと呼ぶ。人類の歴史には過去幾度となくこのようなボトルネックの危機があったことがわかっている。今回のより昔に起こったボトルネックについては下の関連記事を参考にして欲しい。
ちなみに5万年ほど前の、こちらは男女ともに起こったボトルネックも今回の研究では検出されている。
 
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352492 ヒトの進化に隠された恐ろしい真実 匿名希望 20/01/03 PM11

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