もはや学校は終っている
316676 試験脳は、頭を錆びつかせる 〜追求とは、同化すること〜
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 16/06/24 PM06 【印刷用へ
当社の教育部門では、数百人の社員が、講師の授業をモニターし評価しているが、40歳未満の講師と40歳以上の講師の間に、驚くべき点差が生じていることが明らかになった。
40歳未満と40歳以上の全平均点は、74点対49点。とりわけ、経験8年以上は、90点対62点で、その差が28点もある。この90点という点数は、生徒や保護者の評価の上昇に大いに寄与するレベルであり、62点という点数は、可もなく不可もなくというレベルではあるが、生徒や保護者の期待に応えられていないレベルである。
従って、平均して49点しかない40歳以上の講師は、顧客の期待に応えられておらず、会社の業績の向上にほとんど寄与していないということになる。なお、これは、比較的業務が定型化されている授業という業務についての点差であり、非定形度の高い設計や企画においては、更に大きな点差が生じているだろうと思われる。

この結果が示していることはただ一つ、40歳以上は、頭が錆びついてしまっているということである。実際、40歳以上の大半は創造力ゼロで柔軟性も乏しく、常にマニュアル思考に終始している。


社会に出れば答えのない課題ばかりであり、その課題を突破するには、本物の追求力が求められる。ところが、学校では答えが決まっている問題ばかりが与えられる。従って、答えを理解することに大半の脳力が費やされるが、その答えは潜在思念(本能や共認機能や観念原回路)と殆ど繋がらないので、専ら観念機能だけが使われることになる。

そして、観念回路だけを使って答えを理解し続けるうちに、「頭を使うというのは、答えを理解することだ」という試験脳が強固に形成されてしまう。彼らは、丸暗記してきた訳ではなく理解してきたのだから、自分は暗記脳ではないし、充分に頭を使って考えてきたと思い込んでいるが、潜在思念と繋がっていない観念(知識)など、単に暗記脳に蓄積されただけなので、現実に使いこなすことが出来ない。従って、役に立たない。
つまり、観念回路だけを使った理解脳は、実は暗記脳に他ならない。むしろ、丸暗記に比べてより強固に形成されているが故に、しかも自分は十分頭を使ってきたと思いこんでいるだけに、丸暗記よりもたちが悪いのが理解脳=暗記脳である。
学校での「理解させる教育」が、近代観念を刷り込む(=染脳する)ために在ること、即ち理解脳=暗記脳を形成することで本来の思考を停止させ、頭を錆付かせるために在ることを知らなければならない。

ところが、彼らは「答えを理解することが頭を使うことだ」という頭の使い方しか知らないので、社会に出てからも、ひたすらマニュアルやハウツーを理解し吸収することにしか頭を使えない。これは、驚くべきことだが、彼らは学校で形成された試験脳を使って、仕事に対応している。それしか頭の使い方を知らないのである。
その結果、40歳までには、すっかり頭が錆びついてしまい、追求力がゼロに近い脳が出来上がる。もちろん、この試験脳=理解脳=暗記脳は、創造力など全くなく、状況の変化に対応する柔軟性も殆どない。これでは、人々の期待に応えられるわけがない。
更に言えば、このような試験脳しか持ち合わせていない者は、本を読めば読むほど頭が錆付いてゆくので、本など読まない方が良い。では、どうするか?


追求するとは、対象に同化することである。例えば、言語の進化過程を解明しようとすれば、とことん原始人類に同化する必要があるし、人々がどこに向かっているのかを掴もうとすれば、とことん人々に同化する必要があるし、目の前の相手が何を期待しているのかを掴もうとすれば、とことん相手に同化する必要がある。その際、潜在思念(本能や共認機能や観念原回路)を動員しなければ、対象に同化することは決して出来ない。追求の成果は、どこまで対象に同化できたかにかかっている。
そのような追求脳を再生するためには、試験脳(理解脳=暗記脳)から脱却する必要がある。そのための具体的な手法が、『3分間、観念停止(315890)』である。

我々が向かうべき方向は、単純明快である。『とことん対象に同化すること』。それは、脳が若さを保つ秘訣でもある。
 
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