本能⇒共認機能⇒観念機能
316488 ヒトは自分自身に無自覚であるという事実に無自覚である。身体性を優先せよ。
 
井垣義稀 ( 22 大阪府 会社員 ) 16/06/18 PM10 【印刷用へ
観念停止を何度か実践している中で、ぼんやりと映像が浮かびつつも、他者の声などが入ると、観念が先行して反応し邪魔をしてしまう。

近代観念におかされた『脳』について整理・深掘りしてみる。

「脳はなんのためにあるのか?」

(リンク

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「脳」が何のために存在するのか考えてみましょう。

「脳はなんのためにあるのか?」と訊くと、たいていの人は「精神を司るため」とか「意識や心を産み出すため」と答えます。
しかし、こうした機能は脳の本質ではありません。

脳は、外界の情報を処理して、適切な運動を起こす「入出力変換装置」です。
餌ならば近寄る、敵や毒ならば避けるといった、単純ですが生命にとって大切な反射行動を生み出す装置です。

つまり当時の脳は、とことん身体感覚(入力)と身体運動(出力)の処理に特化した組織だったはずです。
こうした経緯を、発展的に再考すれば、すべての高次脳機能が身体制御という原始機能がコオプトされたものであったとしても、もはや不思議ではないでしょう。

※コオプト:本来は別の目的で機能していたツールを他の目的に転用することを表す用語

脳の構造は階層的になっており、その中心には脳幹や小脳、基底核といった進化的に古く、身体と深い関係をもった部分があります。
こうした旧脳のうえには大脳新皮質がありますが、この大脳新皮質と身体との接点は、旧脳に比べてはるかに少ないです。
つまり、身体感覚や身体運動の制御という面から見ると、大脳新皮質という新参者は必ずしも必要ではない補足品のようなものです。

「考える」という行為は身体性から派生しており、純粋に独立した精神など存在しない。

ヒトの脳は、身体の省略という美味しい「芸当」を覚えたがために、身体性を軽視しがちです。
身体を動かさずに、頭の中だけで済ませたほうが楽なのはよく理解できます。
しかし脳は、元来は身体とともに機能するように生まれたものです。

手で書く、声に出して読む、オモチャで遊ぶーー活き活きとした実体験が、その後の脳機能に強い影響を与えるだろうことを、私は日々の脳研究を通じて直感しています。
精神と身体は切り離して考えることはできません。
心は脳にあるのではありません。
心は身体や環境に散在するのです。

ローマの詩人ユウェリナスは「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という名言を残しています。
この言葉が象徴するように、昔の人は身体を脳の上位においていたにちがいありません。

心は身体から派生することを、あえて念頭に入れておくことが大切だと私は思うのです。

「ヒトは自分自身に無自覚であるという事実に無自覚である」とは、ヴァージニア大学のウィルソン博士の言葉です。
私たちは自分の心がどう作動しているかを直接的に知ることはできません。
ヒトは自分自身に対して他人なのです。

こうした研究成果が明らかになればなるほど、意識上の自分をあまり過信せずに、謙虚にならねばと襟を正す思いがします。
と同時に、自分が今真剣に悩んでいることも、「どうせ無意識の自分では考えが決まっているんでしょ」と考えれば気が楽になります。
そう、そもそも私たちは、立派な自由など備わってはいません。
脳という自動判定装置に任せておけばよいのですから気楽なものです。

ヒトという生き物は自分のことを自分では決して知りえない作りになっているようです。
だからこそ私は、よい経験を積んで、よい「反射」をすることに専念する生き方を提案しているのです。
これが脳を最大限に活用するための一番の近道なのだと確信しているからです。
よい経験をしたら、あとは脳の自動的な反射に任せておくだけーーこれほど前向きで、健全な生き方が他にあるでしょうか。
 
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