これからの暮らしはどうなるの?
31230 RE:使用目的に応じた別の通貨が必要か?
 
浅野雅義 ( 34 滋賀 不動産 ) 02/05/18 AM00 【印刷用へ
31193 吉原徹さん
>私達が毎日何の疑問も持たずに使っているお金であるが、使い方によって異なる種類のお金であると言う認識が必要である。すなわち、商品を買う購入代金としてのお金、演劇やサービス等のソフト面に対して払うお金、更には株式等の投機目的のお金など色々な使い方がある。

 最近、このNW版で「お金の本質」に関するテーマが扱われるようになってから、吉原さんと同じく私も上記の点について関心を持つようになりました。そして、この点についてNHKで放映された「エンデの遺言」の紹介サイトから一部抜粋します。

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 エンデは1994年に、NHKに新しい番組の企画を提案した。それは現代の貨幣システムを扱ったもので、環境・貧困・戦争・精神の荒廃など、現代のさまざまな問題にお金の問題が絡んでいる、という。
                ◆
 そこで私が考えるのは、もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実態に対応する価値として位置づけるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムの何が問題で何を変えなければならないかを皆が真剣に考えなければならないでしょう。
                ◆
 重要なポイントはたとえばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は2つの全く異なった種類のお金であるという認識です。

リンク
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 吉原さんが指摘されているように、たしかにモノやサービスに対する「交換価値=購入代金としてのお金」と、「投機=資本としてのお金」とはまったく違う種類のものであり、峻別すべきという点は共通しています。そして、エンデも諸問題を引き起こす原因は後者の「資本としてのお金」であるとしています。この「根元的にお金を問う」というエンデの問題提起は、様々な地域通貨や地域バンクなどの展開ともつながっています。

 その意味では「評価通貨」も考えてみる必要はあるように思います。お金の目的・種類・価値基準を考えてみるという姿勢が何よりも重要な転換なのではないでしょうか。与えられた、変えられない環境と信じられていた「お金」を問い直すことの意義は大きいと思います。最適な「お金」を考えることは、最適なコミュニティーの在り方や評価基準を考えていくことになりますし、様々なコミュニティー毎に違ってきて当たり前とも言える。お金を問うことは、社会を問うことに等しいと思います。

>更には、食品に賞味期限がある様にお金にも「消費期限」を作ればむやみに貯め込むような事はしないのではないだろうか?
>恐らく、この様なシステムが構築できれば、期待・応望の関係が成立し課題共認⇒充足共認⇒評価共認へと収束していくものと思われる。
 
 これもおもしろい。経済とはお金の流れ(フロー)とも言えると思います。ストックされるお金は利子しか生み出さない(利子があるからストックするともいえますが)。モノやサービスの交換が活発になるということは、それだけ期待と応望が繰り返されていることと同じです。全てではないにせよ、私的な消費行為の一部がこういった期待と応望に基づく「評価通貨」によってなされることになれば(地域内、コミュニティー内での生産と消費の循環=モノやサービスの地産地消)、現状のお金は社会統合へ、つまりはその「場の形成」へ向かうことは十分に考えられるように思います。

(参考文献:河邑厚徳著『エンデの遺言』NHK出版1999年、坂本龍一共著『エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」』NHK出版2002年)
 
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