国債経済とその破綻(大破局の予感)
311607 「ドルと原油と中国と、そして株価@」の検証
 
冨田彰男 ( 52 兵庫 経営管理 ) 16/01/22 PM08 【印刷用へ
「ドルと原油と中国と、そして株価@」311594を検証する。
出典は「ビジネス知識源」リンク

骨子は次の通り。
'15年7月に始まる中国株の暴落は、中国経済の不調と企業収益の悪化を知る中国民間が中国株を売って米ドルを買っているからである。

この推理の根拠として、次の2点が挙げられている。
@通貨指数「ドル・インデックス」、つまり米ドルが急上昇している。
※ドルインデックスとは、複数の主要通貨内でのドルの価値を、貿易規模などを加味して計算した総合的なドル価値。
リンク(期間の区切りを毎月にすると、2003年から2016年1月までの、13年間のドル指数を表示できる)

A中国の外貨準備が減っている。
'14年6月には4兆ドル(480兆円)に膨らんだ中国政府が管理する外貨準備高が、'15年11月には3.44兆ドル(412兆円)に減っている。
外貨準備高の60%は米ドル。中国民間の中国株(元)売りを放置すると元が暴落するので、中国政府が外貨準備の米ドルを売って元を買い戻しているからである。
これほど中国株が売られているにもかかわらず、元が下がっていないのは、元は米ドルにペッグしているからであり、この米ドルペッグによる人工的な元高を補正するために、'15年末に中国政府は▼10%の元安調整を行い、それが中国民間の元売り(中国株売り)に火をつけ、'16年初から中国株をさらに暴落させた。

以上が「ビジネス知識源」の推理であるが、この仮説では説明できない事象がいくつもある。

'15年7月に中国株が暴落する1年前、'14年7月から中国株が暴騰しているが、その原因については「ビジネス知識源」は触れていない。中国株の暴騰と同時にドル・インデックスも暴騰を始め、'15年7月から中国株が暴落する一方で、ドルは現在に至るも暴騰を続けている。
この現象は「ビジネス知識源」のストーリーでは説明できない。

また、ドルにペッグされている元は下がらないのだから、元の暴落を防ぐために中国政府がドル売り・元買いをする必要はないはずである。

もっと根本的には、中国株暴落の原因とされる中国経済の不調であるが、それも'15年に始まったものではない。中国の経済成長率は'10年以降、年々下がっている。リンク
ということは、'14年の中国株の急騰も'15年の暴落も、実態経済を反映したものではなく、何らかの投機勢力によるものだと考えられる。
 
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