経済破局は来るのか?
311595 ドルと原油と中国と、そして株価A
 
新聞会 16/01/22 PM00 【印刷用へ
ビジネス知識源リンクより転載します。
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【ドル売りとドル買いが拮抗していた時期】
FRBが供給したドルが、新興国に投資や投機として流出すると同時に(=ドル売り/海外の通貨買い)、海外からは米国は金融危機を脱したとしてドルを買う動きがあり、両者が拮抗していたのです。

▼(3)2014年6月〜2016年1月は、ドル引き締めの時期

【2014年1月からのテーパリング】
FRBは、2013年10月に、毎月$850億(10.2兆円)を供給していた量的緩和(QE3)を停止し、2014年1月からは、テーパリング(順次縮小)を開始しています。

毎月、量的緩和を$100億(1.2兆円)縮小し、14年10月にゼロとするものでした。つまり、2014年は、2008年からほぼ毎月10兆円のドルを増やしてきた量的緩和が、ゼロに向かって縮小したのです。

【2014年7月からの、原油価格の暴落】
原油価格は、2014年7月を起点に、1バーレル$105から下落に入り、2015年1月には、$47の底値をつけます。
原因は4つでした。

2015年5月には、$59にまで反発しましたが、その後下落し、2016年1月現在は$29です(51%下落)。28種の資源・コモディティも、原油の下落を追って下がっています(34%下落)。

▼原油価格を下げた4要素

(1)中国と新興国の経済成長が、2014年から目に見えて減速し、原油・資源・食品の需要が減ったこと。

(2)一方、米国ではシェールオイルの開発が進み、サウジアラビア(日産1151万バーレル)を超えて、米国は世界1の産油国になったこと(日産1164万バーレル)。

このため原油需要が減退する中で、原油が200万バーレルくらい供給過剰になっています。

(3)原油の販売で長期的なシェアを失うことを恐れるサウジアラビアは、発掘コストが1バーレル$60〜$30のシェールオイルの生産を赤字にしてつぶすため、OPECに呼びかけながら、「供給>需要」の中で減産をせず、原油価格を下落させる決定をしたこと。

(4)金融面では、原油先物、資源先物に投機していたヘッジファンドが、原油・資源・コモィデティ市場から資金を引き揚げ始めたこと。(ドル国債の買いに回帰しています)。

【レポ金融にとって、0.25%の利上げは大きな利上げになる】
テーパリングや0.25%の利上げは、ドルの減少要素としては小さいと思われるかもしれません。ところが、21世紀の米欧の金融では、そうではないのです。

シャドーバンクとも呼ばれる預金をもたない投資銀行は、以下の「レポ金融」で資金を調達しているからです。(注)JPモルガンチェース、ゴールドマンサックスなど

・1兆円の米国債や債券を担保に入れて、欠け目5%で金利ゼロのマネーを、他の銀行やFRBから借りる(9500億円)。
・借りた9500億円の現金で、国債や債券を買い、それをまた担保に入れて9500億円×95%=9025億円の、ゼロ金利マネーを調達する。
・その9025億円で、また債券を買い、担保に入れて、8573億円を借りる・・・・

以上のレポ金融による借り入れ繰り返すと、最大では、無限等比級数の和になり、〔1兆円÷債券欠け目の5%=20兆円〕の国債や債券を保有することになります。元の保有国債1兆円の20倍です。

買った米国債の平均利回りを1%とすれば、受け取り金利は〔20兆円×1%=2000億円〕 他方で借り入れは短期資金なので、金利がほぼゼロです。

元は1兆円の国債(資産)が、短期金利ゼロのレポ金融によって、年間2000億円もの利益を生むのです。

もちろん20倍のレバレッジはないかもしれない。しかし10倍のレバレッジは普通です。その時の金利は、1000億円です。1兆円の国債(元本資金)が10%もの利益になるのです。

FRBが敷いたゼロ金利と、投資銀行に認められているレポ金融は、金融機関には、巨大利益をもたらしたのです。

◎一方でレポ金融は、0%だった短期金利が利上げで0.25%や0.5%になって、マネーが締ってくると急激に利益が減るものになります。

2014年1月からのFRBによるテーパリング(量的緩和の順次縮小)と、2014年10月での停止は、米ドルの、海外投機資金を大きく減らしています。

このため、2014年7月頃からは、需要面と金融面の両方から、
・$105だった原油価格が$49(2015年1月)、
・そして$29(16年1月)へと、
「逆オイルショック」と言えるくらい下げてきたのです。

なお原油価格と同じように、他の資源コモディティも下落しています。
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続く
 
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