アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
311245 リンカーンが行ったのは奴隷の「制度の廃止」であって、「人種差別」に反対わけでも撤廃したわけでも解放したわけでもないA
 
匿名希望 16/01/10 PM09 【印刷用へ
ところが黒人奴隷を労働力として採用するとどうなるか。
月給は半分でOK。所有物ですから生殺与奪の権は、オーナーの側にあります。
使い物にならなければ、売り飛ばすこともできるし、殺しても、あくまで「動産」であって「人」ではありませんから、罪になりません。
これは圧倒的な「力関係」ですから、その分、黒人達にちゃんとした仕事を仕込めば、会社は儲かるようになります。
経営者からみて、こんなに「都合の良い」労働力は、他にありません。

問題は、そうした奴隷制度が、北部の町に進出してきたらどうなるかにありました。
これまた答えは簡単です。
北部の白人労働市場は壊滅し、黒人労働力が北部を席巻することになるのです。
そしてこのことは、北部に住む多くの白人の生活を圧迫することになります。

だから北部の人々は、「奴隷制度」に反対したのです。
そして黒人を毛嫌いし、差別することによって、北部の労働市場から排除しようとしたのです。

このことは、「黒人を差別する」というよりも、黒人の「存在そのものを否定」するという社会風潮といえます。
黒人がいるから、白人の労働市場が奪われるのです。
ならば、この世から黒人を消すしかないという思考です。

ところが、南部諸州では、次々とアフリカから黒人を連れて来ます。
黒人だって結婚します。すると人口が増えます。
そして南部で何らかの事情で職にあぶれた黒人が、北部に流れて来るのです。
そして北部に住み着きます。

彼らだって食べなきゃいけないから、労働させてくれるところを探します。
雇う雇用主が現れます。
するとそこで、子が生まれ、ますます黒人が増えます。
そして増えた分だけ、白人は職を失うわけです。

「だから黒人を排除するしかない」というのが、当時の黒人に対する北部の人々の考えです。
北部の人種差別は、だから「差別」というより「排除」の動きだったのです。
これを「人種差別」と書くからわかりにくくなるのです。
実際には「人種排除」です。

しかし米国自体が、黒人排除論に動くと、困るのは南部11州の農場主たちです。
農奴を使っているから、商売になっているのです。
それが白人の使用人たちにとってかわったら、コストは倍以上につきます。
綿花農園そのものが存続できなくなるのです。

ですから南部11州は、米国からの脱退しました。
そして「アメリカ共和国」を建国しました。
そしてこれを認めない北部の「アメリカ合衆国」と、「アメリカ共和国」が戦争になりました。
これが「南北戦争」です。

南北戦争では、南北合わせて320万の兵力が激突しました。
そしてたった3年で、両軍あわせて123万人の死傷者が出ました。
どれだけ凄惨な戦いだったかということです。

驚くべきことに、この戦いに北軍側では100万人以上の黒人義勇兵が、最前線で戦っています。
彼らは、この南北戦争が、「奴隷解放のための戦い」であり、「人種差別撤廃のための戦い」と信じていたのです。

結果として南部諸州が負け、もとの米国に戻り、そして米国では「奴隷制度」が廃止されました。
しかし、人種差別は、以前より一層、酷いものにかわったのです。

要するにリンカーンの行った南北戦争は、
北部諸州の白人の労働雇用を守るために、
低賃金、終身雇用の労働力である「黒人を排除」することを目的として、
黒人が米国内に増加する温床となっている南部の「奴隷制度」を、
根こそぎ排除しようとした戦い、
である、ということです。

ですから、南北戦争で、いっけん人道主義的にみえる「奴隷制度反対」を主張した北軍は、実のところは、制度に反対していただけで、人種への偏見は、むしろ南部以上に酷かったのです。
そしてこのことが、義勇兵として参加した黒人を、前線で数多く死においやり、結果として両軍合わせて123万人というとほうもない死傷者数となっています。

そして南部の綿花栽培における「格安労働力」としての「黒人奴隷」が法的に禁止となると、黒人は法的には白人と同じ高コストな労働力となり、南部の綿花栽培を衰退させました。
当然、黒人の大量の失業者が発生しました。
黒人たちは、安価な労働力として白人の労働市場を席巻しました。

職を奪われた白人たちは、黒人を敵視しました。
そして人種差別は、人種排除の動きとなり、しかも黒人には「公民権」は与えられていないままですから、差別は一層過激なものへとなっていきました。
黒人奴隷は、農園主の貴重な財産としての「終身雇用財産」ではなく、単なる「人種排除、人種差別」の対象となっていったのです。

<以上>
 
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