’70年貧困の消滅と私権の衰弱
311168 市場の危機とは、国債経済の破綻であり、金貸し支配の終焉である
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 16/01/08 PM03 【印刷用へ
金貸しが支配する市場が破壊してきたのは、人間の精神だけではない。大量の人工物質が肉体を破壊し(exがんやアトピーや人工ホルモン)、大気・水・森林etc環境を破壊し続けてきた。’11年の原発事故に至っては、もはや地球破壊と言うべき位相にある。だが、思考停止に陥った人類は、何の答えも出せないでいる。どうやら、本源世界を悉く破壊しながら暴走してきた市場は、遂にアリ地獄のような破滅の淵に沈んで、這い上がれなくなってしまったようである。
この状況を突破するには、市場を支配してきた金貸しを駆逐するしかない。その実現基盤は、すでに用意されている。なぜなら、人類が前向きに生きる意欲を喪い、思考停止に陥ってしまったその底流には、人類の活力源の大転換の潮流が潜んでいるからである。

人類は長い間、飢えの圧力に晒されて生きてきた。とりわけ約3000年前に、私有権が共認されて以降、社会に存在する全ての土地と物財が誰かの私有物となり、人々は私有権を確保しなければ生きていけないという否も応もない絶対的な強制圧力の中に封じ込められてきた。そこでは、支配者たちの収奪によって人工的にも飢えの圧力が作り出される。こうして、誰もが私権(財や地位)の獲得という目的に収束し、収束することによって統合される私権統合の社会が出来上がった。
【注:収束=統合・・・収束とは、一点に収斂してゆくこと。全ゆる存在は、外部世界に適応しようとして先端可能性に収束する。先端可能性への収束とは、与えられた状況の中で最も可能性のありそうな対象とそれに対応する機能に収束すること。各機能がその時々の先端可能性に収束することによって個体の意識は統合され、各人が先端可能性に収束することによって集団や社会は統合されている。】

しかし、’70年、豊かさが実現され、人類は遂に飢えの圧力から抜け出した。その先頭を切ったのが日本である。飢えの圧力が消滅すると、私権の強制圧力が一気に衰弱してゆく。今や「いい生活」では意欲が湧かないのは先に見た通りだが、人々はもはや私権を獲得する為にあくせく働こうとはしなくなり、企業の指揮系統も機能不全に陥って、命令するだけでは人々は動かなくなっていった。
そうなると、これまで私権の強制圧力によって抑制されてきた人類本来の充足を求めて、人々が本源収束してゆくのは必然である。現に仲間収束はどんどん強まってきたし、私益の追及よりも「周りの役にたちたい」と望む人が過半に達している。

ところが、これまで市場拡大の原動力となってきたのは、人々の豊かさ期待である。言葉を換えれば、私権欠乏であり、私権圧力である。従って、豊かさが実現され私権圧力が衰弱すると、市場は拡大を停止するしかない。しかし、それでは私権統合の体制が崩壊し、市場を支配してきた金貸しはその権力を失ってしまう。
そこで金貸しとその配下のお上は、不足する需要を補うべく赤字国債を発行し、これまでに1000兆円もの資金を人工的に市場に注入して見せかけの「経済成長」を演出してきた。
しかし、需要のない市場にお金を注入しても、お金はダブつくだけで、その資金は土地や株式にしか向かわない。かくして、経済は忽ちバブル化していったが、バブルは必ず崩壊する。その後、市場はバブル化と崩壊を繰り返し、遂に投機マネーが実体経済に必要なマネーの30倍にも達するブヨブヨの肥満経済を現出させてしまった。今や、世界経済は、いつ国債が暴落してもおかしくない状態にあり、経済破局が目前に迫ってきている。

だが、慌てることはない。これは、何よりも金貸し自身の危機である。そして金貸しの危機は、人類の可能性の到来である。

【注:欠乏と充足・・・「欲望」という中身の詰まった動力源がある訳ではない。胃袋が空っぽになると空腹感(食欲)が高まるように、欠乏こそ(外圧に適応すべき)内圧の本体であり、「欲望」や「願望」の正体である。全ゆる存在は、その欠乏を充足させることによって、はじめて外圧に適応した状態となる。欠乏は充足期待を生み出すが、『欠乏』という概念を使うと、「欲望」という言葉には収まり切らない意識、例えば(意識や集団や社会の)統合欠乏→統合期待のような意識も正確に表現できるようになる。】
 
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新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代)
新しい潮流2 私権統合の崩壊と社会収束の潮流(’90・’00年代)
新しい潮流3 社会不全⇒認識欠乏の蓄積
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
新しい潮流5 実現派は仲間収束から社会収束へ
新しい潮流6 解脱仲間から認識仲間への逆転
仲間圧力と認識仲間
新しい潮流は、新しい人間関係を必要としている
市場社会の、カタワの「集団」
本当は、「集団」に入ったのではなく、社会に出たのだ
古い人間関係は、影が薄くなるばかり
関係パラダイムの逆転1
関係パラダイムの逆転2
活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること
収束不全発の適応可能性の探索、その深くて強い引力
充足基調から探索基調への転換
'90年代の危機感と変革期待の行方
秩序収束と答え探索の綱引き
潮流2:戦後日本の意識潮流
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流
今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる 
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
市場時代の共認非充足の代償充足⇒解脱(芸能)埋没
'70年〜現代 収束不全⇒本能的な秩序収束⇒課題収束⇒認識収束
現代〜近未来 対象への同化こそが新しい認識を生み出す
大学生が授業に出るのはなんで?
「やりがい」に潜む社会的欠乏
カリスマ 〜自分たちが共認できる価値観への評価収束〜 
仲間収束 2:一人でできない子
「働きたいから働こう」という意識
快美欠乏に替わって、認識の統合が最高価値になった。
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
芸能か、認識形成か

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