共同体社会の実現
311082 近代観念による事実の封印と思考の停止
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 16/01/06 PM05 【印刷用へ
金貸しが封印してきたのは、自然科学上の事実だけではない。むしろ、金貸しは、近代以降、一貫して人々の意識を近代観念一色に染め上げ、社会科学上の事実を封印すること、その為に、学会とマスコミを支配し、学校教育とマスコミを動員して人々を染脳することに力を注いできた。それは、それこそが金貸しが世界を支配するための命綱だからである。(自然科学上の事実の封印も、その延長上にある。)

自由・平等・博愛、あるいは個人主義・民主主義、あるいは権利(人権)という観念、これらは全て、現実にはどこにも存在しない、頭の中だけの架空観念に過ぎない。現実には存在しないということは、事実に反する観念だと言い換えることもできる。近代思想は、ユダヤ・キリスト教の観念パラダイムを踏襲しているが、神であれ、個人であれ、権利であれ、それらは全て、現実否定→自己正当化という思考回路が生み出したものである。つまり、貧困や抑圧に満ちた現実世界を否定し、(現実世界の変革に向かうのではなく)頭の中に「神」や「自由」や「権利」etcの観念を創出して、その観念に寄り縋るという思考態度である。
セム人や白人がそのような思考方向に向かったのは、4200年前〜3200年前、コーカサス周辺での皆殺しの略奪闘争の連鎖によって、共同体が完全に破壊され、再生の現実的な立脚点を失ってしまったからである。従って、彼らには、現実世界の変革に対する不可能視が刻印されており、現実とは逆の非現実の世界に救いを求めることになる。近代観念も、その延長上に生み出されたので、極めて深刻な欠陥を孕んでいる。
まず第一に、果てしない皆殺しの略奪闘争によって共同体を失ってしまった彼らは、他者否定と自己正当化の塊である自我に立脚して、唯一絶対神を作り出したが、近代観念たる自由・平等・博愛も、個人主義・民主主義も、権利という観念も同じく自我に立脚して作られた観念なので、唯一絶対性を帯びて頭の中に巣食っている。従って、それらの観念に染まれば染まるほど、自分の利害発でしか物を考えられない「自分脳」が形成されてゆく。
第二に、不可能視を刻印されているが故に、現実を対象化するのではなく現実をただ否定し、かつ自我でそれを正当化しているので、現実を直視して可能性を追求する人類本来の思考が失われ、最も大切な思考回路が、何事も否定し、原因を分析してお終いという「否定脳」に改造されてゆく。
第三に、現実に存在しない(事実に反する)架空観念に立脚しているので、当然のことながらフランス革命であれ共産革命であれ、その観念(理念)が実現された例(ためし)は一度もない。それどころか、近代思想を信じてそれらの運動に飛び込んだ有為な若者たちは、出口のない袋小路に追い詰められ、悉く挫折していった。彼らの頭の中には、今も変革に対する不可能視が深く刻印されている。
第四に、近代観念は、与えられたその架空観念(しかも唯一絶対観念でもある)を信じ込んだら終いで、その後は人々を思考停止に陥らせる。例えば、近代観念に操られて何らかの運動をしている当人たちは(幾つかの知識が頭の中に在ることを以って)物を考えているつもりでいるが、その実はどこかで聞きかじった知識の断片をお題目のように唱えているだけで、完全に思考を停止してしまっている。しかも、当人たちは、それに気付けない。

実は、民主主義や権利などを掲げる革命運動や市民運動こそ、(本人たちは、金貸しに騙され操られているとも知らずに、自分は正しいことをしていると信じ込んでいるが)あらゆる変革の芽を摘み取り、社会を閉塞させてきた張本人なのである。そもそも、個人主義・民主主義をはじめ、近代思想を生み出したのは金貸しなのであり、敵と同じ近代思想に立脚して現実世界を変革し、本源社会を実現することなどできる訳がない。
 
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