企業を共同体化するには?
31035 お金と新評価指標の関係の兆しを見る 1
 
本田真吾 HP ( 45 香川 建築家 ) 02/05/16 AM00 【印刷用へ

>ところが、市場(交換取引)は私権闘争を原動力としており、従って、お金が万人の評価指標として社会的に共認されたものであるにも拘わらず、それは専ら私的な充足の為にのみ使われ、社会統合の為には(国家以外)使われない。従って、市場は社会統合には、殆ど寄与しない。(30710

 同感です。そして、私的な充足以外の新しいお金の使い方が、大きく社会統合の実態を変えていくとも思います。しかし、社会統合のためにお金を使うという『認識』が定着していない現在でも、そうすれば大きく可能性が開けるだろうと思えるのは、いますでに、現実に中にそのきざしを感じ取っているからだと思います。

こう思ったきっかけは、私事で恐縮ですが妻が2年程前からホームヘルパーの仕事をやり初めた事にあります。子供が小学校の高学年になった頃から、漠然と社会との繋がりをもとめて、パートなどにいってました。そのころは、なんとなく充足せず、よく職をかわってました。経済的には別に困っているわけでもありません。

そんな時、ある福祉施設の女性理事と知り合い、簡単な資格をとってはじめたのがホームヘルパーです。最初のうちは、週に2回程度、御老人宅を訪問して身の回りの世話をするようになりました。勤務条件は、各所に散らばる御老人宅での実質活動時間(一人2時間程度)だけが給与の対象になり、移動時間も含めると収入の割に拘束時間の長い労働ということになります。

ところが、とにかく元気になりました。待ってくれる人がいる、そして行けばそれだけで喜んでいただける、それが最大の活力源のようです。お客様も、頼んだ身の回りに世話などどうでも良いらしく、いろんな話を自分の子供のような接し方で、何の仕事意識?もないまま話す妻を喜んでくれるらしいです。

しかし、どのようなサービス(契約で謳われている)を提供したかの報告書は必要で、おしゃべりや散歩のあいまにかろうじて報告できる活動ははさんでいるようです。お客様の方は、私が満足しているのだか契約上のサービスなどどうでもいいということらしいです。

そして、妻のほうは長い拘束時間は苦にならず、私的な時間を使ってその方々の好みの料理を勉強したり、欲しがっていたものを遠くのお店まで買に行ったりして、極めて安い給料ですが満足しています。お客様も、親身になって話してくれるのが嬉しくて、契約上のサービスが出来ていないというようなクレームもありません。

私権社会の表のルールの裏で、期待応望という価値によって、お互いの信頼関係が成立しているようです。そのことを先ほどの理事に評価されて、施設から研修にも参加させていただき、より上位の資格を取得しました。いわゆる管理職の資格です。

しかし、もともと人の上に立つことが苦手だった妻は、とても自信が無いと断ったらしいです。しかし、これから人をまとめていく人は、お客様に喜んでいただける人がなるべきだと考えていると説得され、四月から正規職員として活動しています。

ここでは、お金は活動の第一義の評価指標になっておらず(この社会福祉法人の目標とするサービスの質からすると、たくさんお金を出しようが無いという実体もありますが)生活に必要な程度を、活動の質にあまり関係なく支払う。そして、客様や施設運営者に評価されるという期待応望の活力源がそれより上位に来ています。

結果として、その評価軸をもとにサービスの質をあげてゆくことが出来ています。

当然、お客様の評価がなかなか得られない人もいて(旧来の管理職タイプ、弁が立ち仕事ができるといわれてきた女性)、期待応望の活力は得ることが出来ず、時間の割にお金が安いこともあり、不満言いながら転職していくそうです。この先、どちらにタイプの人が元気で充実した人生を送れるのかは明らかだと思いますが。
 
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