古代市場と近代市場
30968 西欧史に見る「交換取引は武力闘争からの抜け道」の実感
 
匿名希望 02/05/15 PM01 【印刷用へ
交換取引の動機として、「額に汗して働くよりも、交換によって得る益の方が、ずっと大きい。」と四方氏は仰っているが、中世の西欧の「胡椒」売買にその凄まじさを感じるのである。

西欧における「胡椒」売買は、まさに「濡れ手で粟」であり、原生の胡椒は現地人達にとっては無価値な野に生える「草木」に過ぎないが、西欧に持ち帰ると同等の重さで銀と交換された。当時食肉は塩漬けが一般の保存法であり、王侯、貴族の快食欠乏を満たすものとして「胡椒」使用の端緒(贅沢な嗜好品)があり、後に富裕層を中心にその使用が拡大されていく。

「濡れ手で粟」で巨利を得た商人たちは万難を排して胡椒を求めて東方貿易に邁進する事になる。王侯、貴族の特権階級も商人達を保護する事により、莫大な税を掌中にすることができた。王侯、貴族と癒着した商人達は身分的には低いものであったが、富を蓄える事により、王侯貴族に匹敵するほどの大商人達も現れてくるのである。

このような歴史の流れを見ると、四方氏の仰る「交換取引は武力闘争(およびその帰結たる身分制度による私権拡大の封鎖)からの抜け道」の意味が実感できるのである。
 
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